地域力の再発見――内発的発展論からの教育再考

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  • 岩佐礼子 著
  • 四六上製 392頁
    ISBN-13: 9784865780185
    刊行日: 2015/3

創造的な“地域の力”は、本当に喪われたのか?

共同体の創造的な力に注目した鶴見和子・内発的発展論を出発点に、生活世界に根ざした「生きる知」の伝達の現場を丹念にフィールドワークすることで、「制度化」「専門化」に基づく近代的な教育の枠組みを相対化し、“地域の力”の伝承と再創造の可能性を探る野心作。

目次

はじめに

序 章 「創発」と「共同性」を手がかりとして
第一章 「発展」と「教育」をいかに捉え直すか――内発的発展論の視座から
第二章 危機が顕在化させた現場の力――宮城県南三陸町歌津伊里前
第三章 生活世界から探る内発的発展――宮崎県綾町上畑地区
第四章 「三山講」と地域の共同性――千葉県市原市八幡・上高根
第五章 「自然学習」と地域に根ざした共育――山形県西川町大井沢地区
第六章 ESDから「内発的ESD」へ――生活世界からの再創造
終 章 「地域力の再発見」に向けて

おわりに

関連情報

現代社会に目を向けると、一見様々な制度の枠組みや政策と市場経済によって形作られているようだが、それらとは次元を異にする地域独自の生活世界の発展が日本各地の現場において重層的に進行している。
本書のねらいとしては、それら地域の現場から内発してくる発展の内実と、そこに埋め込まれた教え合いや学び合いのやりとりを探求することによって、現場を生きる人々のまなざしや、生命の視点から持続可能な発展を捉え直し、現場で発展を支える力の根底にあるものを浮き上がらせ、鶴見和子の提唱した「内発的発展論」の深化を目指したいと考えている。
(本書より)

著者紹介

●岩佐礼子(いわさ・れいこ)
1958年、大分県佐伯市生まれ。1981年、明治学院大学文学部仏文科卒業。1991年、ジュネーブ開発研究所(現・国際開発研究所)(スイス)修士課程卒業。1992-2006年、ユニセフ職員としてアフリカやアジアの緊急人道支援に携わる。
2014年、東京大学新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。現在、東京大学客員共同研究員。
共著に、『国際緊急人道支援』(ナカニシヤ出版、2008年)、主な論文に、「頼母子講という自発的小集団の『創発』から捉えた内発的発展」『地球システム・倫理学会会報』8(2012年)、「持続可能な発展のための内発的教育(内発的ESD)――宮崎県綾町上畑地区の事例から」『環境教育』22-2(2013年)、「地域の自然と社会に根ざした「地域づくり教育」を考える――山形県大井沢小中学校の『自然学習』の考察」『環境教育』23-2(2013)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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