近親性交とそのタブー〈新版〉――文化人類学と自然人類学のあらたな地平

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  • 川田順造 編
  • 川田順造/青木健一/山極寿一/出口顯/渡辺公三/西田利貞/内堀基光/小馬徹/古橋信孝/高橋睦郎
  • 四六上製 256頁
    ISBN-13: 9784865781854
    刊行日: 2018/8

近親性交はなぜタブーか?

生物学、霊長類学、文化人類学の研究成果を総合する世界的水準における初の学際的インセスト・タブー論、待望の新版!
新たに編者による「新版への序」を収録


目次

 新版への序  川田順造

問題提起に代えて
性――自己と他者を分け、結ぶもの  川田順造

一[最先端の自然人類学・文化人類学の知から]
「間違い」ではなく「適応」としての近親交配  青木健一(集団生物学)
 1 鳥類と哺乳類は、きつい近親交配を回避しているのか
 2 番外交配モデル
 3 早期繁殖モデル
 4 ウェスターマークの仮説
 5 インセスト・タブー

インセスト回避がもたらす社会関係  山極寿一(霊長類学)
  はじめに
 1 メイト・アウトはなぜ起こるか
 2 近親間の交尾回避はどのようにして起こるか
 3 交尾回避がメイト・アウトを引き起こす条件
 4 ゴリラの社会における交尾回避とメイト・アウト
 5 回避から規範へ

インセストとしての婚姻  出口顯(文化人類学)
  はじめに
 1 レヴィ=ストロースの理論の常識的理解(=無理解or誤解)
 2 母方交差イトコ婚の縮約としての父方平行イトコ婚
 3 インセストあるいは内婚としての婚姻
 4 ヴェズの婚姻理論
 5 ツワナのインセスト=婚姻
 6 他者と同一者の反転
  おわりに――インセストの神話論理に向かって

幻想と現実のはざまのインセスト・タブー
――フロイトからレヴィ=ストロースへ――  渡辺公三(文化人類学)
  はじめに
 1 インセストの原光景
 2 フロイトにおける現実から幻想への転換?
 3 自然から文化への移行と断念の共有
 4 変換体系の三つの位相

二[コメント・批判・あらたな問い]
インセスト・タブーについてのノート  西田利貞(霊長類学)
  はじめに
 1 人間の「やらない」ことを、法律は禁止しないか?
 2 ローマ属領下でのエジプトにおけるインセスト
 3 インセストの回避は、「世話を受けた方が」おこなうのか?
 4 インセスト・タブーは普遍的な習慣か?
 5 インセスト・タブーは性交を断念することか?

インセストとその象徴  内堀基光(文化人類学)
 1 同世代間インセストと異世代間インセスト
 2 洪水、石そしてインセスト
 3 象徴としてのインセスト

性と「人間」という論理の彼岸  小馬徹(文化人類学)
  はじめに
 1 性としての「人間」
  接合し、且つ分節する結婚/縮約の論理/異類婚・半神・イエス/「人間」と不毛の性/性と「生/死」
 2 「人間」を超えて
  人間中心主義批判の逆説/ボノボ――もう一つの内面性
  おわりに

三[文芸の深みから]
自然過程・禁忌・心の闇  古橋信孝(古代日本文学)
 1 性の潜在性
 2 親愛の情から家族へ
 3 個人の欲望と禁忌
 4 社会の曖昧性と近親婚
 5 禁忌と聖性
 6 禁忌の犯しと許容

自瀆と自殺のあいだ――近親相姦序説  高橋睦郎(詩人)

 主要参照ブックリスト(日本語)
 編者・執筆者紹介
 Contents

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