東京に「いのちの森」を!

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  • 宮脇昭
  • 216ページ
    ISBN-13: 9784865781939
    刊行日: 2018/09

「ふるさとの森を、ふるさとの木で」を、国民運動に。

2020年東京オリンピックが目前である。大行事と人の集中に伴い、自然環境は必ずダメージを受ける。東京はかろうじて緑が残る都市だが、どんどん減少している。千年先に残る本物の緑の都市づくりのため、“いのちの森”づくりに生涯を賭ける、世界を代表する植物生態学者が、渾身の提言。
【対談収録】ワンガリ・マータイ/川勝平太



目次


 はじめに

東京に「いのちの森」を!――「潜在自然植生」からみた東京

東京における植生科学と環境保護
 ――日本ではじめての国際植生学会(一九七四年)から――

森と神――「おんざきさん」と私の過去・現在・未来

〈インタビュー〉「いのちを守る森づくり」をやろう

森づくりの匠

〈対談〉いのちの森を未来の子供たちへ  ワンガリ・マータイ宮脇昭

〈対談〉「ふじのくに」から発信する、ふるさとの森づくり  川勝平太宮脇昭

関連情報

 立体的な「緑のフィルター」ですから、夏のヒートアイランドを一番抑えるのは森ですし、冬は北風を防ぎ、あらゆる自然災害に対しては防災機能、毎日の生活に対しては環境保全機能……あらゆる機能を果たすわけです。一面的な、時間的にも限られた、目先の対応だけではなく、土地本来の森こそトータルな対応ができる。
 すべての日本国民のいのちと国土を、さらに地球とすべての人類のいのちと健全な生活、文化、遺伝子を守る森こそ、次の氷河期が来るまで九千年残る、生きている緑のトータルなシステムです。それが、一番の本物の、すべての市民のいのちと生活を守る「ふるさとの森」なんです。

 現在、世界の大都市のほとんどは、中心部が空洞化しています。都市の形成においては、はじめのうちは集中することの効率性によって中央部にどんどん集中し、発展していくのですが、ある点までいけば逆転します。
 人口の集中は、エコロジカルには「過集中」という危険な状態です。今、東京は、刹那的な商業主義からいえば非常に発展しています。「集積の効率」で、経済的には一番豊かなところになっています。しかし、自然の生態系のサブシステムとしての都市生態系(アーバン・エコシステム)の枠を超えれば、必ず、過集中のところからだめになります。植物社会の例を見てもそうです。
(本文より)


●宮脇昭(みやわき・あきら)
1928年岡山生。広島文理科大学生物学科卒業。理学博士。ドイツ国立植生図研究所研究員、横浜国立大学教授、国際生態学会会長等を経て、現在、横浜国立大学名誉教授、公益財団法人地球環境戦略研究機関国際生態学センター名誉センター長。独ゲッティンゲン大学名誉理学博士、独ザールランド大学名誉哲学博士、タイ国立メージョウ農工大学名誉農学博士、独ハノーバー大学名誉理学博士、マレーシア農科大学名誉林学博士。
紫綬褒章、勲二等瑞宝章、第15回ブループラネット賞(地球環境国際賞)、1990年度朝日賞、日経地球環境技術大賞、ゴールデンブルーメ賞(ドイツ)、チュクセン賞(ドイツ)、後藤新平賞等を受賞。
著書に『日本植生誌』全10巻(至文堂)『植物と人間――生物社会のバランス』(NHKブックス、毎日出版文化賞)『緑環境と植生学――鎮守の森を地球の森に』(NTT出版)『明日を植える――地球にいのちの森を』(毎日新聞社)『鎮守の森』『木を植えよ!』(新潮社)『次世代への伝言 自然の本質と人間の生き方を語る』(地湧社)『瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る』(学研新書)『「森の長城」が日本を救う!』(河出書房新社)『森の力』(講談社現代新書)『見えないものを見る力』『人類最後の日』(藤原書店)など多数。

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