「雪風」に乗った少年 十五歳で出征した「海軍特別年少兵」

価格: ¥2,916 (税込)
[ポイント還元 116ポイント~]
数量:
在庫: 在庫あり

返品についての詳細はこちら

  • 西崎 信夫(元海軍特別年少兵)
  • 小川 万海子[編]
  • 四六上製 328ページ
    ISBN-13: 9784865782097
    刊行日: 2019/01
  • 定価: 2,916円

「必ず生きて帰ってこい」――

その母の言葉を胸に、知られざる「海特兵」として15歳で出征、「武蔵」「信濃」そして「大和」の沈没を間近に目撃した少年の“生き抜く力”の物語。




目次

 編者はしがき(小川万海子)

第一章 西崎信夫氏の生い立ち
 一 戦争の時代に生を受ける
 二 日常を侵食する戦争
 三 「海軍特別年少兵」に志願

第二章 「海軍特別年少兵」制度とは
 一 幻の存在となった「昭和の白虎隊」
 二 制度の概要

  〈海軍基礎知識 1〉海軍の教育機関――海軍三校と海軍術科学校

第三章 大竹海兵団でのスパルタ教育
 一 出征の朝
 二 大竹海兵団での猛訓練と罰直の日々
 三 卒業間近の忘れえぬ出来事
 四 厳しい訓練を支えた郷愁

  コラム・西崎氏ゆかりの地を訪ねて 1 大竹市の変遷
  コラム・西崎氏ゆかりの地を訪ねて 2 槙垣は優し
  〈海軍基礎知識 2〉艦艇の主な種類
  〈海軍基礎知識 3〉軍艦ができるまで

第四章 駆逐艦「雪風」とともに
 一 稀代の幸運艦「雪風」に、いざ乗艦
 二 十七歳の初陣
 三 マリアナ沖海戦(あ号作戦)
 四 樽島丸船員の救助
 五 レイテ沖海戦(捷一号作戦)
 六 幻の空母「信濃」の最期
 七 サイパン島の記憶
 八 人間魚雷「回天」の試験発射訓練

  〈海軍基礎知識 4〉艦艇の名前の付け方
  コラム・西崎氏ゆかりの地を訪ねて 3 「回天」の島・大津島

第五章 沖縄水上特攻
 一 出撃前夜
 二 出 撃
 三 負 傷
 四 戦 闘
 五 戦艦「大和」の最期
 六 生存者の救助
 七 佐世保へ

  コラム・西崎氏ゆかりの地を訪ねて 4 呉海軍墓地

第六章 丹後の「雪風」
 一 落下傘機雷の恐怖
 二 宮津決戦
 三 伊根で終戦を迎える

  コラム・西崎氏ゆかりの地を訪ねて 5 宮津市民の目から見た宮津空襲
  コラム・西崎氏ゆかりの地を訪ねて 6 「雪風」が終戦を迎えた伊根を歩く

第七章 別れと始まり
 一 「雪風」は「復員輸送船」に
 二 「雪風」との別れ――戦時賠償艦として中華民国へ引き渡す
 三 復 員
 四 新たな人生が動き出す

  コラム・西崎氏ゆかりの地を訪ねて 7 「雪風」の主錨は江田島に

終章 私の願い


 編者あとがき
 参考文献
 著者および「雪風」関連年表(1926-51)

関連情報

「海軍特別年少兵」とは――
中長期的な視点により、艦艇の乗組員や陸戦部隊等における将来の中堅幹部を養成するために、昭和16年に創設された制度。採用年齢は、14歳以上16歳未満。第一期生は60%以上が犠牲となっている。だが、この制度は歴史に埋もれ、ほとんど知られていない。
著者・西崎信夫は、その第一期生として、1942年、15歳で広島県の大竹海兵団に入団した……。


なぜ私は生き残ったのか。出征する際の母の言葉に背いてはならないというその一心で私は戦争の日々を生き抜いた。
「死んではなにもならない、必ず生きて帰ってこい」
という母の声が耳から離れることはなく、名誉の戦死を遂げて軍神となるという考えは微塵もなかった。私は常に死を恐れていた。戦闘中は怖くてたまらなかった。戦争はただひたすらに怖い。母との約束とともに、この「怖い」という念が、私を生かしたのかもしれないという思いを強くしている。だからこそ、沖縄水上特攻の後部機銃台で、開き直って恐怖を捨てたあの一瞬が、今振り返って何よりも恐ろしいのである。
(本書より)


【著者紹介】
●西崎信夫(にしざき・のぶお)
1927年三重県生。1942年、「海軍特別年少兵」第一期生として15歳で大竹海兵団に入団。海軍水雷学校を卒業後、1943年11月、駆逐艦「雪風」の魚雷発射管射手として配属。マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦などに参加し、1945年、沖縄水上特攻では、戦艦「大和」の護衛として従う。終戦後は海外引揚業務に従事し、1947年復員。現在は、平和祈念展示資料館で語り部として活動を行っている。

【編者紹介】
●小川万海子(おがわ・まみこ)
1967年東京生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒業。2008年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士前期課程修了(文学修士)。1994-2004年外務省勤務。香老舗松栄堂第26回「香・大賞」審査員特別賞受賞。著書に『ウクライナの発見――ポーランド文学・美術の19世紀』(藤原書店、2011年)、訳書にマリア・ポプシェンツカ『珠玉のポーランド絵画』(共訳、創元社、2014年)。

ページトップへ