移動する民――「国境」に満ちた世界で

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  • ミシェル・アジエ著・吉田裕訳
  • 四六変型上製 168ページ
    ISBN-13: 9784865782325
    刊行日: 2019/07
  • 権利としてのホスピタリティへ

    100万人以上が欧州に移動し、人道的対応が大きく問われた2015年「難民危機」。グローバリゼーション下において「国境」が社会の内外に遍在化し、移動への明確な意志も、安住できる目的地ももたず、移動状態への“宙吊り”を強いられる民がますます増える中、「移動」をどう捉え直し、社会は彼らをどう迎えるべきなのか? 人類学的視点からの刺激的な「移動」論。



    目次


    本書を読む前に――訳者解説にかえて

    第Ⅰ部
     はじめに ヨーロッパの政治上のある瞬間
      移動民たちに動機は存在するか?
      単独的な移動――諸個人の動機
      苦痛の名において――人道的動機
      相似の名において――アイデンティティという動機
      差異の名において――異国性という動機
      叙述を変えなくてはならない
      移動民・難民・移民――言葉は重要である
     新たなるコスモポリス
      境界的人間
      バベル的多重性――境界的状況は私たちに何をもたらすか
      もう一つのコスモポリティスム
      境界に満ちた世界
     結論 バベル的世界の政治

    第Ⅱ部
     ヨーロッパにおける歓待とコスモポリット性、その今日と明日
      私たちは何との、そして誰との同時代人であるか?
      危機の時期における敵意と歓待
      今日における歓待の諸形態
      善意から権利へ

    訳者あとがき/参考文献

    関連情報

     移動民はもはや、移民でも移民労働者でもない。後者にはなお、見出されることがないとしても動機がある。もし移民による労働と移動民との間につながりがあるとしたら、それは偶然のつながりである。
     今日の移動民の形象は、別のものである。この形象は、移民労働者の地位よりも不安定であって、多重性を持った「場所」で、複数の繫留装置――それらが仮のものであるとしても――の間で、一つあるいは複数の受け入れ国および通過地の経済の中への部分的で仮りそめの組み込みの間で、形成される。それは「世界への現存」のひとつの形態であり、この形態は、多かれ少なかれ常に境界上に留まり続ける。  この未完了の状態こそを、私はこれから叙述したいと思う。(本文より)

    【著者紹介】
    ●ミシェル・アジエ(Michel Agier)
    1953年生。人類学者。フランス・社会科学高等研究院(EHESS)教授・研究主任、および開発研究所(IRD)特例クラス研究主任。関心領域は、人的グローバル化、難民、都市の周辺生活者。西アフリカおよびラテンアメリカでのフィールドワーク調査を経て、アフリカ、中東、ヨーロッパにおいて、移民・難民に関わる個人・共同研究に携わる。
    英語・フランス語での近著として、L’étranger qui vient. Repenser l’hospitalité (Paris, Seuil, 2018), The Jungle. Calais’s Camps and Migrants (et alii) (Cambridge, Polity Press, 2018), Borderlands. Towards an Anthropology of Cosmopolitan Condition (Cambridge, Polity Press, 2016), Managing the Undesirables: Refugee Camps and Humanitarian Government (Cambridge, Polity Press, 2011)など(いずれも未邦訳)。

    【訳者紹介】
    ●吉田 裕(よしだ・ひろし)
    1949年生。早稲田大学法学部教授。早稲田大学大学院文学研究科仏語仏文学専攻修士課程修了。
    著書に『詩的行為論』(書誌山田、2018年)『「死者」とその周辺』(バタイユ『死者』と『ジュリー』の翻訳と解説、書誌山田、2014年)『バタイユ――聖なるものから現在へ』(名古屋大学出版会、2012年)『詩と絵画――ボードレール以降の系譜』(丸川誠司編、共著、未知谷、2011年)、訳書にバタイユ『聖なる陰謀』(監訳、ちくま学芸文庫、2006年)他。

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