虚心に読む――書評の仕事2011-2020

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  • 橋本 五郎
  • 四六上製 288頁
    ISBN-13: 9784865782745
    刊行日: 2020/06

名コラムニストが、人間とは、思想とは何かを問う

長年にわたって読売新聞の書評委員を務め、書物を通じて人間を、歴史を考えてきた著者が、政治とは何か、日本とは何か、そして、人間とは何かを問いかける書評集、第二弾。長短の書評に加え、単行本解説、「橋本五郎文庫」のこと、そして著作でたどる小泉信三論を収録。


はっきりしていることは、書物、そこには「人間がいる」からです。そのことを小林秀雄は余すことなく指摘してくれています。書評とは、その本の中に人間を見つけることなしに書けないことなのです。
本書に収録されている書評に大小の違いがあっても、最低限、「二回半」読むことと、人間を見つけようとしたと思っていただければ幸いです。
(本書「はじめに」より)

目次


 はじめに

第Ⅰ部 「自由」と「民主」
●学問と思想 丸山眞男『政治の世界 他十篇』/三谷太一郎『学問は現実にいかに関わるか』/平川祐弘『竹山道雄と昭和の時代』/服部龍二『高坂正堯』/竹内洋『革新幻想の戦後史』 他
●国家とは何か 岡義武『独逸デモクラシーの悲劇』/塚本哲也『メッテルニヒ』/猪木武徳『自由の条件』/早川誠『代表制という思想』/待鳥聡史『民主主義にとって政党とは何か』/小林直樹『暴力の人間学的考察』 他
●人と政治 阿部眞之助『戦後政治家論』/岡崎守恭『自民党秘史』/渡邊満子『祖父 大平正芳』/長谷川和年『首相秘書官が語る中曽根外交の舞台裏』/中曽根康弘『自省録』/上田七加子『道ひとすじ――不破哲三とともに生きる』 他

幕間1 戦後日本と小泉信三 没後五〇年に際して

第Ⅱ部 日本とは何か
●歴史のなかの日本 辻井喬『司馬?太郎覚書』/渡辺浩『日本政治思想史』/中野三敏『江戸文化再考』/磯田道史『無私の日本人』/家近良樹『西郷隆盛』/瀧井一博『伊藤博文』/北岡伸一『門戸開放政策と日本』/河上肇『貧乏物語』 /後藤新平研究会編『震災復興 後藤新平の一二〇日』/岩見隆夫『敗戦――満州追想』 ほか/村井嘉浩『復興に命をかける』/古川隆久『昭和天皇』/原武史『皇后考』 他
●日本の根源 梅原猛『人類哲学序説』/竹村牧男『日本人のこころの言葉 ―鈴木大拙』/徳富蘇峰『終戦後日記』 /長谷川三千子『神やぶれたまはず』/長谷川宏『日本精神史』/澤村修治『唐木順三』/熊野純彦『本居宣長』/竹内洋『大衆の幻像』 他

幕間2 橋本五郎文庫のこと

第Ⅲ部 生きるということ
●生きることの哲学 加賀乙彦、津村節子『愛する伴侶を失って』/中村紘子『ピアニストだって冒険する』/与謝野馨『全身がん政治家』/宮城谷昌光『窓辺の風』/倍賞千恵子『倍賞千恵子の現場』/瀬戸内寂聴、ドナルド・キーン『日本を、信じる』/森本哲郎『書物巡礼記』/井筒俊彦『井筒俊彦全集』/粕谷一希『内藤湖南への旅』/星野博美『今日はヒョウ柄を着る日』/阿川佐和子『強父論』  他
●文学の力 梓澤要『捨ててこそ空也』/浅田次郎『一路』/西條奈加『九十九藤』/葉室麟『玄鳥さりて』/山本周五郎『ながい坂』/夏樹静子『孤独な放火魔』/津村節子『紅梅』/乙川優三郎『脊梁山脈』/宮本輝『田園発 港行き自転車』/内館牧子『終わった人』/小池真理子『死の島』/高樹のぶ子『格闘』/米澤穂信『Iの悲劇』/佐江衆一『黄落』 他

あとがき



【著者紹介】
●橋本五郎(はしもと・ごろう)
読売新聞特別編集委員。1946年秋田県生まれ。70年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、読売新聞社に入社。論説委員、政治部長、編集局次長を歴任。2006年より現職。読売新聞紙上で「五郎ワールド」を連載し、書評委員も20年以上にわたって担当している。また、日本テレビ「スッキリ」、読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」、「情報ライブ ミヤネ屋」にレギュラー出演。2014年度日本記者クラブ賞受賞。
著書『範は歴史にあり』『「二回半」読む――書評の仕事1995-2011』『宿命に生き 運命に挑む』『不滅の遠藤実』(共編)(藤原書店)『総理の器量』『総理の覚悟』(中公新書ラクレ)『心に響く51の言葉―― 一も人、二も人、三も人』(中央公論新社)『官房長官と幹事長――政権を支えた仕事師たちの才覚』(青春出版社)ほか。

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