感情の歴史(全3巻) 2 啓蒙の時代から19世紀末まで

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  • A・コルバン+J-J・クルティーヌ+G・ヴィガレロ=監修 アラン・コルバン=編
  • 小倉孝誠=監訳
  • A5上製 680ページ
    ISBN-13: 9784865782936
    刊行日: 2020/11

心性史を継承するアナール派の到達点!
『身体の歴史』『男らしさの歴史』に続くシリーズ三部作完結編。
革命と戦争の時代、感情の近代的相貌を描き尽くす全体史。

Ⅰ 1730年から革命後まで
 フランス革命前夜、ジャン=ジャック・ルソーのような感受性の強い魂/肉体の器官に左右される感覚の鋭い存在が目覚める。そのような魂は、天候に敏感な感受性を身につけるようになり、気象学の発展とともに、感情は鋭敏化し、集合化する。また、気象に鋭敏となった感受性は、眼前に展開する海や山の光景に、自然の崇高美を見出す。革命は、感情の抑圧からの解放という衝撃となる。不安・怒り・恐怖といった感情は、愛や苦痛や憎悪を通して、極端な歓喜や憂鬱を覚えるようになる。
Ⅱ 革命後から1880年代まで
 革命の衝撃は、感情の領域に不可逆的な変化をもたらす。革命の苦痛を象徴するのがギロチン刑であり、それはおぞましさの象徴となる。革命を転回点として、感情はロマン主義的感性を育み、読み書きの普及にともない、ルソーが「魂の気圧計」と呼んだ態度が、「私」の内面の創出を促す。それを基盤に、感情の多様化と規範化が進み、19世紀は「世紀病」の概念を獲得する。感情が展開される場としての家庭の確立、性的興奮の場の変容、それを裏打ちするスペクタクルと「大型獣の狩猟」の流行、風景への感覚の刷新、感情の実験場としての軍隊と戦争の横行。心理学が、感情への新たな支配権を要求し始める。


目次


総 序 アラン・コルバン+ジャン=ジャック・クルティーヌ+ジョルジュ・ヴィガレロ〔小倉孝誠訳〕

序 論  アラン・コルバン〔小倉孝誠訳〕

Ⅰ 1730年から革命後まで
 第1章 感受性の強い魂の目覚  ミシェル・ドゥロン〔井上櫻子訳〕
 第2章 個人の感情と天候  アラン・コルバン〔小倉孝誠訳〕
 第3章 自然の光景を前にして  セルジュ・ブリフォー〔小嶋竜寿訳〕
 第4章 気象と集合的感情  アヌーシュカ・ヴァザック〔越森彦訳〕
 第5章 政治的感情――フランス革命  ギヨーム・マゾー〔越森彦訳〕

Ⅱ 革命後から1880年代まで
 第6章 死刑台を前にして――苦痛の光景から教育の舞台へ  アンヌ・キャロル〔五味田泰訳〕
 第7章 「私」と魂の気圧計  ジュディット・リヨン=カーン〔小倉孝誠訳〕
 第8章 欲望と快楽のかたち、失望そして不安  アラン・コルバン〔小倉孝誠訳〕
 第9章 感じやすい魂から感情の科学的出現へ  アニェス・ヴァルシュ〔村田京子訳〕
 第10章 軍事的熱狂と戦争の暴力  エルヴェ・マジュレル〔五味田泰訳〕
 第11章 大型獣狩猟の時代  シルヴァン・ヴネール〔築山和也訳〕
 第12章 賛同への熱狂――政治的感情の新形態  コリーヌ・ルゴワ〔築山和也訳〕
 第13章 抗議の感情  エマニュエル・フュレックス〔築山和也訳〕
 第14章 宗教的感情の刷新  ギヨーム・キュシェ〔村田京子訳〕
 第15章 舞台芸術がもたらす新たな感情  オリヴィエ・バラ〔坂本さやか訳〕
 第16章 私の魂のうえに奏でられるヴァイオリンの弓のような
       ――風景を前にした個人  シャルル=フランソワ・マティス〔坂本さやか訳〕

原 注

〈監訳者解説〉 小倉孝誠

監修者紹介・著者紹介・監訳者紹介・訳者紹介

関連情報

■18世紀半ばから新たな期待感がはっきり表われ、感情へのかつてない欲求が高まる。言語的な模索をつうじて、「繊細な魂」という概念がしだいに夾雑物を取り払って明らかになっていく。そして世紀末になれば、その過程が完了している。
■最小感覚の探求と強い興奮の探求のあいだで、はかないもの、かすかな移り変わりを評価する態度と、悦楽や恐怖を頂点に至らしめる錯乱を評価する態度のあいだで揺れ動きつつ、感情の地位はさまざまな対立をとおして練りあげられた。
■繊細な魂の覚醒とそれに由来するものが、人々の感動のしかたや特異な感情のゆるやかな刷新によってきわめて特殊な時代を描き出す。こうして個人の内面であれ、公的な場面であれ、自然と他者と社会を感じる新たな方法が生まれる。この時代にルソーが魂の気圧計と名づけたものに関連するあらゆることを追跡するのは、きわめて重要であった。(アラン・コルバン「序論」より)


《既刊目次》
第Ⅰ巻 古代から啓蒙の時代まで ジョルジュ・ヴィガレロ編(片木智年監訳)

総 序  アラン・コルバン+ジャン=ジャック・クルティーヌ+ジョルジュ・ヴィガレロ 〔小倉孝誠訳〕

Ⅰ 古 代 (序)  ジョルジュ・ヴィガレロ〔後平澪子訳〕
 第1章 ギリシア人  モーリス・サルトル〔後平澪子訳〕
 第2章 ローマ世界  アンヌ・ヴィアル=ロジェ〔後平澪子訳〕

Ⅱ 中 世 (序)  ジョルジュ・ヴィガレロ〔後平澪子訳〕
 第3章 ゲルマン人の時代  ブリュノ・デュメジル〔後平澪子訳〕
 第4章 中世初期  バーバラ・ローゼンヴァイン〔小川直之訳〕
 第5章 「心を動かす」と「心の動き」  クロード・トマセ/ジョルジュ・ヴィガレロ〔小川直之訳〕
 第6章 中世における感情――理性の時代  ピロスカ・ナジ〔小川直之訳〕
 第7章 感情についての日常的表現と医学的用例  クロード・トマセ〔小川直之訳〕
 第8章 中世ヨーロッパにおける救済の情念  ダミヤン・ボケ〔小川直之訳〕
 第9章 家族と感情的関係  ディディエ・レッツ〔片木智年訳〕
 第10章 14世紀から15世紀における宮廷人の政治的感情  ローラン・スマッジュ〔小川直之訳〕

Ⅲ 近 代 (序)  ジョルジュ・ヴィガレロ〔岩下綾訳〕
 第11章 「感情」という言葉の出現  ジョルジュ・ヴィガレロ〔岩下綾訳〕
 第12章 ルネサンスにおける感情の修辞学――モンテーニュの例  ローレンス・クリツマン〔岩下綾訳〕
 第13章 喜び、悲しみ、恐れ……――古典期における体液の働き  ジョルジュ・ヴィガレロ〔岩下綾訳〕
 第14章 内面の自己監視という発明  アラン・モンタンドン〔岩下綾訳〕
 第15章 神秘体験における魂の変容と情動  ソフィー・ウダール〔岩下綾訳〕
 第16章 集団的感情吐露と政治的なもの  クリスティアン・ジュオ〔片木智年訳〕
 第17章 名誉、親密な空間から政治的なものまで  エルヴェ・ドレヴィヨン〔片木智年訳〕
 第18章 勇ましい心と優しい心――近代における友愛と恋愛  モーリス・ドマ〔片木智年訳〕
 第19章 メランコリー  イヴ・エルサン〔片木智年訳〕
 第20章 法の語るもの――奪う、騙す、犯す  ジョルジュ・ヴィガレロ〔片木智年訳〕
 第21章 実験的感情――17世紀フランスにおける演劇と悲劇 情動、感覚、情念  クリスティアン・ビエ〔片木智年訳〕
 第22章 バロック時代における音楽の感情  ジル・カンタグレル〔林千宏訳〕
 第23章 感情、情念、情動――古典主義時代の芸術理論における表現  マルシアル・ゲドロン〔林千宏訳〕
 第24章 ほほ笑み  コリン・ジョーンズ〔林千宏訳〕

原 注
〈監訳者解説〉感情の時代と感情の歴史 片木智年
監修者紹介・著者紹介・監訳者紹介・訳者紹介


《続刊目次》
第Ⅲ巻 19世紀末から現代まで ジャン=ジャック・クルティーヌ編(小倉孝誠監訳)

 序 論 感情の支配  ジャン=ジャック・クルティーヌ

 Ⅰ 感情を考える
  第1章 人類学の言説  ヤン・プランパー
  第2章 科学のほうへ――心理学、生理学、神経生物学  ジャクリーヌ・カロワ、ステファニー・デュプイ
  第3章 感情の資本主義  エヴァ・イルーズ、ヤアラ・ベンガー・アラルフ
  第4章 怒り、共感、市民としての情熱――感情をめぐる政治生活  ニコラ・マリオ
  第5章 ジェンダーと歴史――恥辱の例  ウーテ・フレーフェルト

 Ⅱ 一般的な感情の生成
  第6章 覚醒の時代――子供時代、家族、学校  ドミニック・オタヴィ
  第7章 社会参加する――政治、事件、世代  リュディヴィーヌ・バンティニー
  第8章 動物への情愛  エリック・バラテー
  第9章 感情的な熱狂――驚きと失望のあいだで揺れる旅  シルヴァン・ヴネール
  第10章 「荒地」――自然にたいする感情の変化  シャルル=フランソワ・マティス

 Ⅲ トラウマ――極限的な感情と激しい暴力
  第11章 戦争の悪夢  ステファヌ・オードワン=ルゾー
  第12章 強制収容所の世界――それでもやはり情動は存在する  サラ・ジェンスバーガー
  第13章 民族大虐殺者は殺す時に何を感じるのか  リシャール・ルシュトマン
  第14章 壁と涙――亡命者、移住者、移民  ミシェル・ペラルディ
  第15章 身体の崩壊――病と死を前にして  アンヌ・キャロル

 Ⅳ 感情の機制と情動の系譜
  第16章 不安の時代における恐怖心  ジャン=ジャック・クルティーヌ
  第17章 うつという症例  ピエール=アンリ・カステル
  第18章 屈辱感――堕落させる、貶める、破壊する  クロディーヌ・アロッシュ
  第19章 共感、世話、同情――人道主義的な感情  バートランド・テイス
  第20章 愛、誘惑、欲望  クレア・ランガマー

 Ⅴ 感情のスペクタクル
  第21章 芸術への愛のために  ブリュノ・ナシム・アブドラール
  第22章 暗闇のなかで笑い、泣き、怖がる  アントワーヌ・ド・ベック
  第23章 スポーツの情熱  クリスチャン・ブロンベルジェ
  第24章 感情の演劇性  クリストフ・ビダン、クリストフ・トリオ
  第25章 音楽を聴くこと  エステバン・ビュッシュ
  第26章 テレビ画面――情動の大きな実験室  オリヴィエ・モンジャン


◆第Ⅱ巻編者
アラン・コルバン(Alain Corbin)
1936年フランス・オルヌ県生。カーン大学卒業後、歴史の教授資格取得(1959年)。リモージュのリセで教えた後、トゥールのフランソワ・ラブレー大学教授として現代史を担当(1972-1986)。1987年よりパリ第1大学(パンテオン=ソルボンヌ)教授として、モーリス・アギュロンの跡を継いで19世紀史の講座を担当。現在は同大学名誉教授。著書に『娼婦』(1978年、邦訳1991年、新版2010年)『においの歴史』(1982年、邦訳、新評論1998年、新版1990年)『浜辺の誕生』(1988年、邦訳、1992年)『音の風景』(1994年、邦訳1997年)『記録を残さなかった男の歴史』(1998年、邦訳、1999年)『快楽の歴史』(2008年、邦訳2011年)『英雄はいかに作られてきたか――フランスの歴史からみる』(2011年、邦訳2014年)『知識欲の誕生――ある小さな村の講演会 1895-96』(2011年、邦訳2014年)『処女崇拝の系譜』(2014年、邦訳2018年)『静寂と沈黙の歴史――ルネサンスから現代まで』(2016年、邦訳2018年)など(いずれも藤原書店)。ジャン=ジャック・クルティーヌとジョルジュ・ヴィガレロとともに監修した『身体の歴史』(全3巻、2005年、邦訳2010年)のうち『Ⅱ――19世紀 フランス革命から第1次世界大戦まで』(藤原書店)を編集。同じ監修者で刊行された『男らしさの歴史』(全3巻、2011年、邦訳2016-17年)のうち『Ⅱ――男らしさの勝利 19世紀』(藤原書店)を編集。

◆全体監修者
アラン・コルバン(Alain Corbin)→第Ⅱ巻編者を参照

ジョルジュ・ヴィガレロ(Georges Vigarello)
EHESS(社会科学高等研究院)研究指導員、フランス大学学士院名誉会員。身体の歴史に関する多くの著作を出版。近著に『シルエット――挑戦の誕生』(2012年)、『自分という感覚――身体認識の歴史』(2014年)、『衣装――中世から今日に至る文化史』(2017年)、『疲労の歴史――中世から現代まで』(2020年、以上いずれもスイユ社)がある。アラン・コルバンとジャン=ジャック・クルティーヌとともに監修した『身体の歴史』(全3巻、スイユ社、2005年。邦訳2010年)のうち『Ⅰ――16-18世紀 ルネサンスから啓蒙時代まで』(藤原書店)を編集。同じ監修者で刊行された『男らしさの歴史』(全3巻、2011年。邦訳2016-17年)のうち『Ⅰ――男らしさの創出 古代から啓蒙時代まで』、藤原書店、2016年)を編集。以上二つのシリーズに続く本シリーズ『感情の歴史』(全3巻、2016-17年)では『Ⅰ――古代から啓蒙の時代まで』(2020年、藤原書店)を編集。

ジャン=ジャック・クルティーヌ(Jean-Jacques Courtine)
1946年アルジェ(アルジェリア)生。15年間アメリカ合衆国で、とりわけサンタ・バーバラのカリフォルニア大学で教える。パリ第3大学(新ソルボンヌ)文化人類学教授を経て名誉教授。言語学・談話分析、身体の歴史人類学。著書に『政治的談話の分析』(ラルース社、1981年)『表情の歴史――16世紀から19世紀初頭まで、おのれの感情を表出し隠蔽すること』(クロディーヌ・クロッシュと共著、パイヨ/リヴァージュ社、1988年初版、1994年再版)。現在は奇形人間の見せ物について研究し、エルネスト・マルタンの『奇形の歴史』(1880年)を復刊(J・ミロン社、2002年)、また以下の著作を準備中。『奇形の黄昏――16世紀から20世紀までの学者、見物人、野次馬』(スイユ社より刊行予定)。アラン・コルバン、ジョルジュ・ヴィガレロとともに監修した『身体の歴史』(全3巻、2005年、邦訳2010年)のうち『Ⅲ――20世紀 まなざしの変容』(藤原書店)を編集。同じ監修者で刊行された『男らしさの歴史』(全3巻、2011年、邦訳2016-17年)のうち『Ⅲ――男らしさの危機? 20-21世紀』(藤原書店)を編集。以上二つのシリーズに続く本シリーズ『感情の歴史』(全3巻、2016-17年)では『Ⅲ――19世紀末から現代まで』(2021年、藤原書店から刊行予定)を編集。

◆第Ⅱ巻監訳者
小倉孝誠(おぐら・こうせい)
1956年、青森県生まれ。パリ第4大学文学博士、1988年東大博士課程中退、1995年渋沢クローデル賞受賞、慶應義塾大学教授。2011年『身体の歴史』の監訳で日本翻訳出版文化賞受賞。著書に『「感情教育」――歴史・パリ・恋愛』(みすず書房、2005年)、『身体の文化史――病・官能・感覚』(中央公論新社、2006年)、『恋するフランス文学』(慶應義塾大学出版会、2012年)、『革命と反動の図像学――1848年、メディアと風景』(白水社、2014年)、『ゾラと近代フランス――歴史から物語へ』(白水社、2017年)、『逸脱の文化史――近代の〈女らしさ〉と〈男らしさ〉』(慶應義塾大学出版会、2019年)他多数。訳書は、アラン・コルバンの編著書を多数翻訳しているほか、ユゴー、バルザック、ゾラ等の小説の翻訳も多数手がけている

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