「共食」の社会史

価格: ¥3,960 (税込)
[ポイント還元 158ポイント~]
数量:
在庫: 在庫あり

返品についての詳細はこちら

twitter

  • 原田信男
  • 四六上製 432頁
    ISBN-13: 9784865782974
    刊行日: 2020/12

日本人は「共食」を通じて、どんな社会関係を築いてきたか

同じ時に、同じ場所で、同じものを食べる「共食」――それは、人類固有の文化と言っても過言ではない。神との食、死者を祀る食、労働(農耕、収穫)とともにあった食、法と契約や身分秩序の確認のための食、異文化との交渉の場での食、そして近代へ。
「孤(個)食」が社会問題化し、またコロナ禍の中で「会食」のあり方が問われている今、日本史において「共食」を通じて結ばれてきた様々な“絆”とその変遷を辿る。


目次

 はじめに
序 章 共食はいつ、なぜ始まったのか
第1章 神とともに食べる
 第一節 宗教にみる神人共食
 第二節 日本における神人共食
第2章 火と共食の関係
 第一節 神話にみる負の共食
 第二節 穢れと合火
第3章 共食という紐帯と誓約
 第一節 一味同心をめぐって
 第二節 共食と法の遵守
第4章 支配と労働の節目における共食
 第一節 在地支配をめぐる共食
 第二節 年貢をめぐる共食
 第三節 労働をめぐる共食
第5章 身分の確認と共食
 第一節 古代天皇の共食儀礼――新嘗祭・大嘗祭と神饌料理
 第二節 古代貴族の共食儀礼――大饗料理の特質
 第三節 中世の武家と地方の共食儀礼――本膳料理の成立と展開
 第四節 近世の饗宴規制と共食の個別化――饗応の変化と異人饗応
第6章 楽しみとしての共食
 第一節 さまざまな共食1――古代の遊宴
 第二節 さまざまな共食2――中・近世への展開
 第三節 さまざまな共食3――近世における盛行
終 章 近代における共食の変容――孤食と自立する個人
 おわりに――共食のゆくえ
 あとがき
 参考文献/典拠文献/図表一覧/事項索引

本書「はじめに」より

食文化研究の大家である元・国立民族学博物館館長の石毛直道は、人間の食行動に関して、次のような二つのテーゼを提起した。「人間は料理をする動物である」「人間は共食をする動物である」――つまり人間のみが料理を行い、共食をする動物だという指摘である。
食とは個の問題であると同時に、きわめて社会的な性格が強く、いつ誰とどのように食べるかが、それぞれの人間を取り巻く人々との関係性によって規定されている。それゆえ人間の食文化を考える上で、共食は非常に重要な問題の一つとなりうる。
小著では、人間がいつなぜ共食するようになったか、そしてそれがどのような意味をもったのかを押さえた上で、日本における絆としての共食の展開を具体的に検討しつつ、食べるという行為の在り方から、日本における社会関係の変容を歴史的に見ていくこととしたい。


●著者プロフィール
原田信男(はらだ・のぶを)
1949年栃木県に生まれる。1983年明治大学大学院博士後期課程退学。札幌大学女子短期大学部専任講師、国士舘大学21世紀アジア学部教授、およびウィーン大学日本学研究所・国際日本文化研究センター・放送大学の客員教授を歴任。現在、国士舘大学名誉教授、京都府立大学客員教授。史学博士。専攻は日本生活文化史。著書に『江戸の料理史』(中公新書、1989年、サントリー学芸賞受賞)、『歴史のなかの米と肉』(平凡社選書、1993年、小泉八雲賞受賞)、『義経伝説と為朝伝説――日本史の北と南』(岩波新書、2017年)など多数。


ページトップへ