金子兜太――俳句を生きた表現者

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  • 井口時男著
  • 四六上製 240頁
    ISBN-13: 9784865782981
    刊行日: 2021/1

黒田杏子さん推薦
「長寿者は幸いなるかな
 最晩年の句友、文芸評論家井口時男による兜太論」

過酷な戦場体験を原点として、前衛俳句の追求から、「衆」の世界へ、そして晩年にはアニミズムに軸足を据えた金子兜太の、生涯を貫いたものは何だったのか。戦後精神史に屹立する比類なき「存在者」の根源に迫る。
●歿三年記念出版

目次

一 はじめに――金子兜太論の方へ
二 前衛前史――生立ちから社会性俳句まで(年譜に代えて)
三 前衛兜太(一)――無神の旅へ
四 前衛兜太(二)――イロニーから遠く離れて
五 還相兜太(一)――大衆の方へ、「非知」の方へ
六 還相兜太(二)――野生とユーモア
 あとがき
本書引用金子兜太句索引/人名索引

本文より

金子兜太を象徴する一文字を考えてみる。
もちろん「兜太」の「太」が似合うなら戦士のシンボルたる「兜」も似合うし、さらに、一茶由来の「荒凡夫」の「荒」、秩父に源流を発する暴れ川「荒川」の「荒」も捨てがたいが、総合的に兜太を象徴するのは、ことにも還相の兜太にふさわしいのは、「野」の一文字だろうというのが私の結論だ。
「野生」「野性」の野、「在野」の野である。「粗野」「野卑」「野趣」「野蛮」「野暮」「野人」「野良」……と並べることもできるし、「太」と組み合わせて「野太い人」といってもよい。それら一切の「野」の用法をひっくるめて、私の金子兜太は「野」の人である。


【著者紹介】
●井口時男(いぐち・ときお)
1953年新潟県生。文芸批評家、俳人。
1977年東北大学文学部卒。神奈川県の高校教員を経て1990年から年東京工業大学教員。2011年3月、東京工業大学大学院教授を退職。
1983年「物語の身体――中上健次論」で「群像」新人文学賞評論部門受賞。以後、文芸批評家として活動。
文芸批評の著書に、『物語論/破局論』(論創社、1987年、第1回三島由紀夫賞候補)、『悪文の初志』(講談社、1993年、第22回平林たい子文学賞受賞)、『柳田国男と近代文学』(講談社、1996年、第8回伊藤整文学賞受賞)、『批評の誕生/批評の死』(講談社、2001年)、『危機と闘争――大江健三郎と中上健次』(作品社、2004年)、『暴力的な現在』(作品社、2006年)、『少年殺人者考』(講談社、2011年)、『永山則夫の罪と罰』(コールサック社、2017年)、『蓮田善明 戦争と文学』(論創社、2019年、第70回芸術選奨文部科学大臣賞受賞)、『大洪水の後で――現代文学三十年』(深夜叢書社、2019年)など。句集に『天來の獨樂』(2015年)『をどり字』(2018年、共に深夜叢書社)がある。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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