何があっても、君たちを守る 遺児作文集――「天国にいるおとうさま」から「がんばれ一本松」まで

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  • 玉井義臣+あしなが育英会 編
  • 四六変並製 312頁
    ISBN-13: 9784865783032
    刊行日: 2021/7

“あしなが運動”50年の歴史を遺児たちの作文から問いかける!

親を突然奪われた子らの精いっぱいの抗議の声が本書の隅々に木霊する!


目次

■目次
  〈プロローグ〉何があっても、君たちを守る 玉井義臣
  一五万円支援金――感謝と使い道
  はじめに「天国にいるおとうさま」――一篇の作文が日本を動かす 玉井義臣

第1章 なくなってしまえ車 交通遺児の声
 なくなってしまえ車 奥出昌子(小3 大阪)
 もう一度かたぐるまして おとうさん かつまた しげなり(小1)
 天国の門をしめて! 粕谷加代子(小2 栃木)
 「とうちゃん すんだはあ」 渡辺和男(小4 山形)
 血にまみれた五十円玉 鷲峰百子(小5 宮崎)
 成よ、本当にごめんな 貴志 成(高1)
 広い心をありがとう 吉村成夫(高2)
 ありがとう、あしながおじさん 青野史寛(高3 東京)
 最初で最後のおむすび 磯 千鶴(高3)
 「おばちゃんの手、痛いからイヤだ」 竪場勝司(大1)
 母が泣いた日 大沼一弘(大1)
 幸せに、お母さん 原 八千代(短大2)
 平和の殺人罪 小俣富美子(大2)
   ■交通遺児家庭の生活危機 副田義也
   ■交通遺児救済運動における活字の果たした役割 玉井義臣

第2章 恩返しをしたい 災害遺児の声
 恩返しをしたい 柳田加代子(中3 宮崎)
 泣いてほしくない おくなだ しょう(小1 東京)
 お父さんはお星さま 上原めぐみ(小1 東京)
 おとうさんをかえしてください かめ川やすお(小2 東京)
 ぼくは、お父さんの顔をしりません 畑よしひろ(小2 福井)
 黒こげのミニカー 榑林秀樹(小6 静岡)
 お父さんの声が聞こえる 中瀬順子(小6 岡山)
 命の火 山崎恵子(中1 山口)
 ハチがにくい 小関正枝(中1 千葉)
 お金がたりない 高野桂二(中1 島根)
 お父さんのことでいじめられる 吉廻浩巳(中2 千葉)
 赤い血の返事 後藤久子(中3 栃木)
 前を向いて 匿名(高1)
 父の夢を実現したい 田中千佳(高1 千葉)
   ■災害遺児家庭の生活実態 副田義也
   ■愛の松明のリレーを 玉井義臣

第3章 黒い虹 阪神・淡路大震災遺児の声
 黒い虹 秋元かつひと(小5)
 ゴトゴトさんがつれていったの 道綱正美(4歳)
 ガイコツに追われたゆめ 窄 弘行(小3)
 お空から見守っていて 大崎慶子(小4)
 とってもくやしい 銘田真奈美(小5)
 ごめんなさいお父さん 山内亜喜子(中1)
 本当は先生になりたい 藤本竜也(中1)
 死にたかった T・M(中1)
 進学の夢あきらめない 横山美也子(高1)
 もう食えない手料理 萩本康雄(高2)
 「笑顔」で死んだ父さん 山田 愛(高3)
 生きていかなきゃ U・I(短大1)
 たった一枚の写真 吉田美保(大2)
 「がんばってね」と言わないで! S・H(専門2)
 おまえらばっかりええのん〈特別寄稿・遺児母親からの手紙〉 K・K(38歳)
 娘の最期の蹴り〈特別寄稿・遺児母親からの手紙〉 A・W(36歳)
   ■あしなが育英会は日本社会の貴重な財産 副田義也
   ■一編の作文が生んだレインボーハウス 玉井義臣

第4章 お父さんがいるって嘘ついた 病気遺児の声
 お父さんがいるって嘘ついた 杉田香奈(中3 神奈川)
 バケツいっぱいのなみだ 山口裕子(小3 島根)
 いっしゅん気絶したお母さん 山田幸子(小4 兵庫)
 あの日のじん麻疹 小山春樹(中3 愛知)
 とても硬かった手術の傷跡 加藤茂行(中3 福島)
 天国の泥棒 山中喜代子(中3 宮崎)
 泣けない、泣きたくない 田中久美(中3 宮城)
 空白の「父親」欄 芦原義弘(中3 和歌山)
 お父さん、覚えてますか 佐田詩織(中3 兵庫)
 洗えない父のセーター 蛭田真美子(中3 神奈川)
 温かくならない手 戸川冴子(中3 香川)
 がんと闘う医者になりたい 橘 俊平(中3 千葉)
 何度も考えた「退学」 中田裕美子(高2 愛媛)
   ■がんによる家族の喪失体験とあしなが育英会の存在意義 副田義也
   ■交通遺児、災害遺児からがん遺児へ 玉井義臣

第5章 自殺って言えなかった 自死遺児の声
 自殺って言えなかった ツグミ(高1)
 お父さんへ ショウ(小4)
 もし、父が生きていたら…… ヨシアキ(中2)
 この一年の思い トオル(中3)
 私は十八歳になりました M・S(高3)
 「仲間」だと思ったとき 巻幡智英美(短大1)
 どうしたら父は死ななかったのだろう 藤田優子(専門2)
 あのとき、そばに行ってあげれば I・H(大2)
 父のためにも精いっぱい生きていきたい 松村千晶(大3)
 父の死から九年がたった今 久保井康展(大4)
   ■自死遺児の心の傷とケアに関する調査・一四の発見 副田義也
   ■コロナ禍、激増する自死に放置される対策 玉井義臣

第6章 お父さんの顔 東日本大震災遺児の声
 お父さんの顔 S・I(小5 福島)
 3月10日まではいい日だったね D・S(小3 岩手)
 がんばれ一本松 S・S(小3 岩手)
 とくべつなあつかいはいやだ N・T(小4 福島)
 ママがいてほしいとき Y・O(小4 岩手)
 僕は話せない S・S(小6 岩手)
 行く気になれないお墓 N・M(中1 岩手)
 悲しい感じの空気 G・E(中1 福島)
 カッコ良いお父さん T・I(中1 福島)
 「今、どこにいるの?」 R・S(中2 宮城)
 くさった人は父じゃない M・T(中2 岩手)
 空が青くて、とても暖かい日 N・N(高1 宮城)
 すべて、元に戻ればいいのに E・U(大2 岩手)
   ■死がひそむ日常生活 副田義也
   ■「やさしさ」に癒される「哀しみ」 玉井義臣

  刊行に寄せて 岡嶋信治
  おわりに――あしながさんと「愛のおくりもの」 玉井義臣
  初出一覧
  〈付録1〉「一般財団法人・あしなが育英会」について
  〈付録2〉継続支援の「あしながさん」になってください!

関連情報

「天国にいるおとうさま」 中島 穣(10歳 東京)

  ぼくの大すきだった おとうさま
  ぼくとキャッチボールしたが
  死んでしまった おとうさま もう一度あいたい おとうさま
  ぼくは
  おとうさまのしゃしんを見ると
  ときどきなく事もある
  だけど
  もう一度あいたい おとうさま
  おとうさまと呼びたい
  けれど呼べない

  どこにいるのおとうさま
  もう一度ぼくをだいて おとうさま
  ぼくがいくまで まってて
  もう一度ぼくとあそんで おとうさま
  おとうさま ぼくといっしょに勉強してよ
  ぼくにおしえてよ
  おとうさま どうして三人おいて死んだの

  ぼくは
  今までしゅっちょうしていると思っていた
  おとうさままってて ぼくが行くまで
  おとうさま おとうさま
  もう一度「みのる」って呼んで
  ぼくもおとうさまと呼ぶから
  ぼく「はい」と返事するよ
  ぼくは かなしい
  おとうさまがいないと

【編者紹介】
●玉井義臣(たまい・よしおみ)
1935年、大阪府生まれ。大学卒業後、経済ジャーナリストとしてデビュー。母親の交通事故死から被害者の救済問題を提起し、日本初の「交通評論家」として活動開始。「桂小金治アフタヌーンショー」企画・出演をきっかけに、69年に財界重鎮・永野重雄氏と民間ボランティア団体「遺児を励ます会」等の協力を得て「財団法人 交通遺児育英会」を設立、専務理事に就任するも、94年、同育英会への官僚天下り人事に抗議する形で専務理事を辞任。その後、災害、病気、自死遺児など全ての遺児の支援のために新たに「あしなが育英会」を設立し、副会長に就任。98年、会長に就任。現在は支援の対象を国内に止めず、世界の極貧地アフリカのサブ・サハラ49カ国から優秀な遺児を毎年1国1人選抜し、日本と世界の有数大学に留学させ、帰国後国づくりに参加させ、ひいては世界の貧困削減につなげる「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」に邁進している。
69年以降の玉井主導募金額1,100億円で高校・大学等に進学した遺児は11万余人に上る。2012年、遺児進学と東日本大震災での迅速な遺児支援活動、アフリカ遺児への教育支援100年構想に対し「世界ファンドレイジング大賞」。2015年、日本及び世界の遺児に教育的サポートを行ない、遺児を貧困の連鎖から解き放つ運動を展開し、人権の擁護に努めたことに対し「エレノア・ルーズベルト・ヴァルキル勲章」。2018年、日本国内外を問わず、現代において後藤新平のように文明のあり方そのものを思索し、それを新しく方向づける業績を挙げたことに対し「第12回後藤新平賞」を受賞している。その他受賞多数。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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