地中海と人間――原始・古代から現代まで(全2分冊) 2 14世紀から現代

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  • デイヴィド・アブラフィア 著
  • 高山博 監訳
    佐藤昇・藤崎衛・田瀬望 訳
  • A5上製 512頁 カラー口絵12頁
    ISBN-13: 9784865783308
    刊行日: 2021/11

地中海研究の世界的第一人者による「海における人間の歴史」の決定版

有史以前から現代に至る2万5000年にわたって、交易、戦争、文化・宗教的交流など人間の関係の網の目をたどり、海をまたいだ「人間の歴史」として地中海史を描き直す。政治史・事件史、「環境」史を経て到達した「地中海史」の決定版!

●特別収録――著者来日講演「いかに地中海の歴史を書くか」


目次

第Ⅳ部 第四の地中海 1350-1830年
 第1章 ローマ皇帝になろうとした者たち 1350-1480年
 第2章 西方での変化 1391-1500年
 第3章 神聖なる同盟と神聖ならざる同盟 1500-50年
 第4章 アクデニズ(白き海)をめぐる戦い 1550-71年
 第5章 地中海の無法者たち 1571-1650年
 第6章 絶望のなかのディアスポラ 1560-1700年
 第7章 他者を鼓舞する 1650-1780年
 第8章 ロシアの視点からの眺め 1760-1805年
 第9章 デイ、ベイ、バショー 1800-30年
第Ⅴ部 第五の地中海 1830-2014年
 第1章 二つはいつか交わる 1830-1900年
 第2章 ギリシア人と非ギリシア人 1830-1920年
 第3章 オスマン帝国の退場 1900-18年
 第4章 四・五都物語 1900-50年
 第5章 「我らが海」再び 1918-45年
 第6章 ばらばらになった地中海 1945-90年
 第7章 最後の地中海 1950-2014年

結 論 海を渡る
〈附〉いかに地中海の歴史を書くか――来日講演(髙橋謙公訳)

監訳者あとがき(高山博)
さらに詳しく知るための文献
図版出典一覧
原注
索引(人名、地名・事項)

関連情報

何が地中海を一つのカテゴリーとして機能させるのでしょうか?
私はここまで、これまで論文や著作で何度も書いてきたように、地中海を一つに結びつけようとする商人の役割を強調してきました。私にとって最も重大だと思われることは、地中海沿岸の各地と島々をひとまとめのものとして研究することは、それらが経済的、文化的に相互に連関し、あるいは征服を通じてお互いが接触し、それだけでなくヨーロッパ、アジア、そしてアフリカ大陸ともつながり合う過程に焦点を当てない限り、「地中海」の歴史を問題とするうえで特段有用な手法ではなくなってしまうということです。
いくつかの文化を比較検討してみることは興味深く、刺激的なものではありますが、地中海、あるいはその他の海で生じたさまざまな文化の歴史が本当に重要な意味を持つのは、それらの相互のつながりや影響関係、あるいはそれらに共通する方向性の見取り図を描くことなのです。
(附「いかに地中海の歴史を書くか」より)

著者紹介

●デイヴィド・アブラフィア(David Abulafia)
1949年生。ケンブリッジ大学大学院歴史学博士課程修了,Ph.D.。現在,同大学名誉教授,英国学士院会員。世界の地中海史研究を40年以上にわたって牽引し,ケンブリッジ大学地中海史教授を20年近く務めた。
著書にFrederick II: A Medieval Emperor (Allen Lane, 1988), The Discovery of Mankind: Atlantic Encounters in the Age of Columbus (Yale U. P., 2008), The Boundless Sea: A Human History of the Oceans (Penguin Books, 2019)などがある。
2011年にAllen Lane, 2012年にPenguin Booksより出版された本書は,10以上の言語に翻訳され,英国学士院賞とMountbatten Maritime Awardを受賞している。

【監訳者】
●高山 博(たかやま・ひろし)
1956年生。エール大学大学院歴史学博士課程修了,Ph.D.。専攻は中世地中海史。現在,東京大学大学院人文社会系研究科教授。
著書にThe Administration of the Norman Kingdom of Sicily (E. J. Brill, 1993), 『中世地中海世界とシチリア王国』(東京大学出版会,1993), 『中世シチリア王国の研究――異文化が交差する地中海世界』(東京大学出版会,2015),Sicily and the Mediterranean in the Middle Ages (Routledge, 2019)などがある。R. Lopez Memorial Prize, サントリー学芸賞,地中海学会賞,マルコ・ポーロ賞を受賞,紫綬褒章受章。

【訳者(担当順)】
●佐藤 昇(さとう・のぼる)
1973年生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は古代ギリシア史。現在,神戸大学大学院人文学研究科准教授。
著書に『民主政アテナイの賄賂言説(山川歴史モノグラフ)』(山川出版社,2008),『『英雄伝』の挑戦――新たなプルタルコス像に迫る』(共編著,京都大学学術出版会,2019),Forensic Narratives in Athenian Courts(共著,Routledge,2019),訳書に『西洋古典叢書 デモステネス 弁論集 6』(共訳,京都大学学術出版会,2020)などがある。

●藤崎 衛(ふじさき・まもる)
1975年生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は中世教会史・イタリア史。現在,東京大学大学院総合文化研究科准教授。
著書に『中世教皇庁の成立と展開』(八坂書房,2013),『ヴァチカン物語』(共著,新潮社,2011),訳書にM・ケルナーほか『女教皇ヨハンナ――伝説の伝記』(共訳,三元社,2015),G・バラクロウ『中世教皇史』(改訂増補版,八坂書房,2021)などがある。地中海学会ヘレンド賞を受賞。

●田瀬 望(たせ・のぞむ)
1983年生。コートダジュール大学社会・人文・芸術・文学研究科博士課程修了。博士(近現代世界の歴史と文明)。専攻は近世・革命期フランス史,フリーメイソン史。現在,東京大学大学院人文社会系研究科研究員。
著書にDe l’Atlantique a la mer de Chine : la Franc-maconnerie dans les colonies (XVIIIe-XXe siecles)(共著,Maisonneuve et La Rose, 2022年出版予定)がある。フランス・フリーメイソン研究センター(IDERM)2020年フリーメイソン研究賞・博士論文賞を受賞。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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