江戸女流文学の発見〈新版〉――光ある身こそくるしき思ひなれ

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  • 門玲子
  • 四六上製 384ページ
    ISBN-13: 9784894345089
    刊行日: 2006/3

日本文学史の空白を埋める!

紫式部と樋口一葉の間に女流文学者は存在しなかったのか? 江戸期、物語・紀行・日記・評論・漢詩・和歌・俳諧とあらゆるジャンルで活躍していた50余人の女流文学者を発見し、網羅する。
〈第52回毎日出版文化賞受賞〉

目次

序 江戸時代に女流文学は存在したか


I 戦記・紀行・日記・物語・評論などを書いた女性たち

第一章 戦国末、 江戸以前の女性たち

一 武田勝頼の最期をえがいた 『理慶尼の記』
二 落城を語るおあんとおきく
大垣城落城寸前に脱出した 『おあん物語』
大阪城落城から逃れた 『おきく物語』
三 人質として江戸に下る前田利家の妻、 芳春院 ―― 『東路記』

第二章 真澄の鏡、学神・井上通女

一 女訓書の先駆けとなった 『処女賦』 と 『深閨記』
二 江戸期、 初の女性の文学的紀行 ―― 『東海紀行』
三 藩邸内のくらしぶりを伝える 『江戸日記』
四 社会と人間に広い愛情を注ぐ 『帰家日記』

第三章 柳沢吉保の陰の力、 正親町町子

一 徳川 「王朝」 の栄華を描く 『松蔭日記』
二 町子が描いた柳沢吉保像
三 吉保のふたりの男子の母、 町子

第四章 本居宣長と論争した強烈な個性、 荒木田麗女

一 多数の王朝物語を連作した謎の存在
二 『宇津保物語』 『源氏物語』 を下敷きにした 『桐の葉』
三 唐の小説を翻案した 『藤のいわ屋』
四 三十篇の不思議なお話 『怪世談』
五 不幸な出会い ―― 宣長との論争

第五章 孤独な挑戦者、 只野真葛

一 幸せな前半生を語る 『むかしばなし』
二 仙台で花開いた作品群
三 天地のあいだの拍子を洞察した 『独考』
四 『独考』 を批判した馬琴の 『独考論』


II 漢詩文、 和歌、 俳諧を作った女性たち

第一章 漢詩文

はじめに ―― 女流漢詩の流れ
一 唐詩を学んだ九州の三女性
立花玉蘭  亀井少琹  原采蘋
二 京の詩壇の作風を身につけた女性たち
片山九畹  江馬細香  富岡吟松
三 江戸詩壇の影響を受けた女性たち
津田蘭蝶  張紅蘭  高橋玉蕉  篠田雲鳳
おわりに

第二章 和 歌

はじめに ―― 女流和歌の流れ
一 堂上和歌の流れを汲む女性たち
井上通女  正親町町子  祇園三女 (梶女、 百合女、 玉瀾)
二 国学の影響を受けた女性たち
荷田蒼生子  杉浦真崎  県門三才女 (土岐筑波子、 鵜殿餘野子、 油谷倭文子)
只野真葛  頼山陽の母 (静子)  宣長の周辺 (本居美濃、 本居壱岐)
岩上登波子  上田甲斐子
三 地方に生まれた新しい歌人の弟子たち
貞心尼  高畠式部  蓮月尼と望東尼
四 遊女の和歌、 そして狂歌
遊女の和歌 (吉野、 雲井、 桜木)  狂歌 (節松嫁々、 智恵内子)
おわりに

第三章 俳 諧

はじめに ―― 俳諧のはじまり
一 蕉門以前の女性
田捨女
二 蕉門の女性たち
智月  園女  羽紅  ちね
三 九州の女流俳人たち
紫白女  紫貞女  りん女
四 江戸中期以後の女流俳人たち
秋色  加賀千代女  諸九尼と菊舎尼  榎本星布
五 遊女たちの句
おわりに


終 章 姿を現しはじめた江戸女流文学者群像


主要人物注
主要資料・参考文献
主要人物生没年図
あとがき
新版へのあとがき
人名索引

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