キリスト教の歴史――現代をよりよく理解するために

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  • アラン・コルバン編
  • 浜名優美 監訳  藤本拓也・渡辺優 訳
  • A5上製 536ページ
    ISBN-13: 9784894347427
    刊行日: 2010/05

二千年の世界史の“主役”であり続けた「キリスト教」とは何か?

最新の学説を踏まえつつ、「物語」のように読める通史!

イエスは実在したのか? 教会はいつ誕生したのか? 「正統」と「異端」とは何か? キリスト教はどのように広がり、時代と共にどう変容したのか?……コルバンが約60名の第一級の専門家の協力を得て、キリスト教の全史を一般向けに編集した決定版通史。



目次

日本の読者へ  アラン・コルバン
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まえがき  アラン・コルバン、ニコル・ルメートル、 フランソワーズ・トラモン、
      カトリーヌ・ヴァンサン


第Ⅰ部 はじめに ――キリスト教の歴史の始まり (1―5世紀)

第1章 キリスト教の出現

ナザレのイエス ――ユダヤ人の預言者か、 それとも神の子か
人はナザレのイエスの生涯をどのように知っているか / 何が確かなのか / イスラエルの改革者 /
社会的連帯というショッキングな選択 / メシア信仰
最初の契約の中で ――ユダヤの社会環境
様々な宗派の出現 / 信仰と信者の務め
パレスチナのユダヤ教起源のキリスト教共同体
パウロとキリスト教の最初の発展
パウロは 「最後の使徒」 であり、 最も偉大な使徒でもある / 伝道の重要な拠点 /
ローマ帝国の組織網の中でのパウロの伝道 / キリスト教伝道のネットワーク / キリスト教の普遍性

第2章 「この世にあってこの世のものではない」 キリスト教徒として生きる 

( 『ディオグネートスへの手紙』 )

迫害されるがローマ帝国に服従する (311年まで)
「わたしたちはあなたがたとともに生きている」 のだが ――キリスト教徒とその時代の風俗
様々な批判に答えて ――アリステイデスからテルトゥリアヌスまでの護教論者

第3章 ローマ帝国がキリスト教国化するとき

コンスタンティヌスからテオドシウスまで ――皇帝の改宗から帝国の改宗まで
キリスト教国としてローマ帝国を考えること ――政治神学と歴史神学
「キリスト教ローマ」 、 「永遠のローマ」 ――古代後期にローマ教会が獲得した地位

第4章 信仰を規定する

異端と正統
キリスト教の競争相手たち ――グノーシス主義とマニ教
4世紀と5世紀における正統教義の練成

第5章 キリスト教組織の構築

諸教会を組織する
キリスト教の入信の祭儀、 礼拝、 典礼
空間のキリスト教化と時間のキリスト教化
貧者の尊厳と慈善活動の実践
完徳を求めて ――禁欲と修道制

第6章 信仰を確立したキリスト教知識人――教会教父たち

バシレイオス、 ナジアンゾスのグレゴリオス、 ヨアンネス・クリュソストモス
カイサリアのバシレイオス (330―379年頃) ――行動する神学者 / ナジアンゾスのグレゴリオス
(330―390年頃) ――詩人神学者 / ヨアンネス・クリュソストモス (344 / 354―407年) ――繊細な心
ヒエロニュムスと 『ウルガタ』
聖アウグスティヌスとその思想の影響力

第7章 「地の果てまで」 福音を伝える

5世紀におけるローマ帝国内地中海域のキリスト教化
ローマ帝国周縁のキリスト教徒たち
ペルシャの教会 / アルメニア ――最初のキリスト教王国 / グルジアの改宗 / エチオピアへの
キリスト教の導入
ローマ帝国内外におけるキリスト教徒の 「蛮族」


第Ⅱ部 中世 ――暗黒伝説でも黄金伝説でもなく (5―15世紀)

第1章 安定化と拡大

聖ベネディクトゥス (547年頃没) ――西方修道士の父
聖ベネディクトゥスとベネディクトゥスの戒律 / 修道士の務め / クリュニーの封建領主たち (910―1150年)
大グレゴリウス ――西欧の司牧者
紀元1000年頃 ―― 「新しいキリスト教諸国」
ローマ、 ラテン教会の長 (11世紀以降)
ビザンティウム / コンスタンティノポリスと西方教会 ――一致と差異化
クレルヴォーの聖ベルナルドゥス (1153年没) とシトー会士たち
シトー会、 または原初の修道生活の純潔への束の間の回帰 (1098―1220年)
大聖堂

第2章 肯定、 異議申し立て、 司牧の応答

第1回十字軍 (1095年) とその影響
様々な異端 (12世紀)
異端審問 (13世紀)
世界の終末
第4ラテラノ公会議 (1215年) ――司牧の躍進
フランチェスコ、アッシジの貧者 (1226年没)
托鉢修道会
トマス・アクイナス (1274年没)

第3章 救いに向けての尽力

煉獄と来世
聖人崇敬、 聖遺物、 巡礼
聖母マリア
慈善事業の急増 (12―13世紀)
聖体崇敬 (13世紀)
ヤン・フス (1415年没)
神の探求 ――東方と西方の神秘主義
ビザンティンの神秘主義 / 西方の神秘主義
『キリストにならいて』


第Ⅲ部 近代 ――多元主義の修行時代 (16―18世紀)

第1章 宗教改革の途

エラスムスとルター ――人間存在の自由あるいは隷属
聖書の極みまで ――改革の急進主義者たち
カルヴァン ――選び、 召命、 労働
選びと召命 / 召命としての労働
英国国教会の中道の途 ――緩慢な構築
「ヘンリーの改革」 (1534―1547年) / エドワード6世の治世とプロテスタントの時代 (1547―1553年) /
メアリー・テューダーとローマ教会の時代 (1553―1558) / エリザベスと政治の優位 (1558―1603年)

第2章 敵対と闘争

イグナティウス・デ・ロヨラとイエズス会士の冒険
近代の異端審問所
新しい典礼、 あるいは古くからの典礼か
心と火と山の神秘家
「受肉」 と従属の神秘家
ジャンセニスム ――厳格主義の誘惑と反抗の心性のあいだで

第3章 世界を宣教し統率する

遠方のキリスト教
アメリカとアジアへ / アフリカ布教 (16―20世紀)
「キリスト教国において教育すること」
トリエント公会議のイメージ ――秩序と美
ローマとジュネーヴ ――コミュニケーションの新しきエルサレム

第4章 感性の新しい地平

バッハ ――国境を越えた音楽
聖書考証の誕生 (16世紀と17世紀)
文献学、 考証、 論争 / 聖書と科学 / 聖書と政治 / 啓蒙時代に向かって
プロテスタントの刷新 ――覚醒運動を介して、 敬虔主義からペンテコスタリズムへ
聖人と国家 (14―20世紀)
ロシア正教会 ―― 一枚岩と分裂 (16―18世紀)
総主教制から宗務院へ ――官僚化された教会 / ストグラーフからラスコールへ ――規律と分離


第Ⅳ部 現代世界への適応の時代 (19―21世紀)

第1章 聖書註釈の展開と信仰の諸形態

聖書と宗教史 (19―20世紀)
アルスの小教区司祭、 ジャン = マリ・バティスト・ヴィアンネー (1786―1859年)
マリア神学と聖母信仰の刷新
幼きイエスのテレーズ (1872―1897年)
ピウス10世、 霊的な幼年時代と私的な聖体拝領
宗教芸術をめぐる論争の2世紀

第2章 現代世界に直面するキリスト教教理

非妥協的なカトリシズム ―― 「ピウス9世の時代」 (1846―1878年)
回勅 「レールム・ノヴァールム」 (1891年) とカトリック教会の社会教説
20世紀のキリスト教とイデオロギー
第2ヴァチカン公会議 (1962―1965年)
産児制限に直面するカトリシズム

第3章 地球規模でのキリスト教

オスマン帝国時代 (15―19世紀) の東方キリスト教の長い歴史への回帰
隷属した教会組織 / 霊的生活と 「国民的正教会」 への帰属意識
19世紀と20世紀の宣教活動
国際的な動員 / 世界的組織網と不均衡な成果 / 二つの世界のあいだの境界領域 / 西洋の宣教と
普及 / 西洋における宣教の危機と変容
北アメリカのプロテスタンティズム
エキュメニズムから宗教間対話へ進むか


原注・訳注
キリスト教用語解説
文献案内
監訳者あとがき
地名索引
人名索引
著者紹介

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