資本主義の世界史〈増補新版〉 1500-2010

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  • ミシェル・ボー 著
  • 筆宝康之・勝俣誠 訳
  • A5上製 568頁
    ISBN-13: 9784894347960
    刊行日: 2015/5

「資本主義500年史」を描いた名著、待望の増補決定版刊行!

9・11事件、リーマンショックなど、2000年代の世界史的“大反転”をどう位置づけるのか? ブローデルの全体史、ウォーラーステインの世界システム論、レギュラシオン・アプローチを架橋して資本主義の500年史を統一的視野のもとに収め、初版刊行以来大好評を博した書に、世紀の転換期を挟む約20年の展開を論じた一章を加筆した決定版。


目次

 日本語増補新版への序文――資本主義の歴史について
 日本語版への序文(初版)
 謝辞
 はしがき(初版)
 第6版への注意書き(2010年)

総序
初版序文
第5版序文(1999年)

第Ⅰ部 金銀から資本へ
 第1章 資本主義への長期の歩み
 第2章 3つの革命の世紀(18世紀)
 第3章 産業資本主義の抗し難い興隆(1800-1870年代初頭)

第Ⅱ部 帝国主義と両大戦の時代――諸国資本主義から各国/世界系資本主義へ
 第4章 大不況から第一次世界大戦へ(1873-1914年)
 第5章 両大戦と革命の時代(1914-1945年)

第Ⅲ部 資本主義の世界的「勝利」と大転換
 第6章 資本主義の「大躍進」(1945-1978年)
 第7章 20世紀末――世界の大反転の始まりか?
 第8章 2000-2010――地球規模の大動乱の始まり

訳者解説
 1 ブローデル、ウォーラーステイン、ミシェル・ボー  筆宝康之
 2 「南」からの問題提起  勝俣誠

 訳者あとがき(初版)
 増補新版への訳者あとがき――資本主義はどこに行くのか?  勝俣誠
 原注/参考文献一覧/図表一覧
 事項索引/人名索引

関連情報

危機と経済成長、換言すれば資本主義の力学は、世界を根本から転換しつつある。第二次大戦後、これらの現象は、主として先進工業国(とりわけ北米、西ヨーロッパ及びアジア諸国)での出来事であった。
1980年代末以降、最も高い成長を遂げているのは、「新興国」と呼ばれる南米やアフリカ大陸の諸国とアジアの大国である。すなわち、新しい経済・金融大国が台頭してくる一方、他方では、前世代の経済・金融大国が、旧来の生産及びテクノロジー構造によって身動きできなくなっていく構造である。そうした国々の金融機関は、将来の革新と創造によってよりも、むしろ投機と収奪を通じて富を蓄積していく。
したがって、現在進行しているのは地経済学(ゲオエコノミック)的、地政学(ゲオポリティクス)的な構造の変容である。
(日本語増補新版への序文より)

間宮陽介氏(『日経』)
「一国的であるとともに世界的、私的でありながら国家的、競争的であって独占的、資本主義に潜み歴史を動かすこれら二項対立的な諸力を複眼的な目で見つめることが、本書を歴史記述的な書物を超えるすぐれた理論書としている」
寺島実郎氏(『日経ビジネス』)
「日替わり定食みたいに経営書のベストセラーをあれこれ読んでいるだけでは駄目なんです。ということを踏まえた上で経済・経営書のなかから1冊挙げるとすれば、本書でしょう。現代のグローバル資本主義を歴史上どのように位置づけるのかを考察する上でも格好の書物だと思います」
○『週刊読書人』
「資本主義経済の全歴史過程を鳥瞰する広い視野において市場と社会制度との関係の問題を根底から再検討」
斎藤修氏(『東京』)
「意欲的かつ真摯な思弁の書」
丹藤佳紀氏(『読売』)
「資本主義の行方を透視した」

著者紹介

●ミシェル・ボー(Michel Beaud)
パリ大学名誉教授。1935年フランスアルプスの麓シャンベリーに生まれる。パリ政治学院で法学と政治学、ついで経済学を修めたあとラバトにあるモロッコ銀行に勤めたが、その調査活動を通して第三世界認識を深める。のちCNRS(国立科学研究所)の研究員となり「戦後西ドイツの経済成長論」で経済学の国家博士号を取得、経済学の教授資格試験に合格。1965年からリール大学勤務、その後新設の実験校パリ大学のヴァンセンヌ校勤務を経て、パリ第八大学、パリ第七大学教授を歴任。この間、世界経済の国際シンポジウムを組織したりミッテラン政権の第九次経済計画(1984-1988)でその雇用対策の立案に参加する一方、1983-90年まで「世界経済・第三世界・発展に関する科学的研究者集団」(GENDEV)の代表のほか、1989年から環境庁の「地球環境の危機と風土変化に関する委員会」(ECLAT)の副委員長を務めるなど、世界経済と地球環境や労働関係にまで多彩で精力的な社会活動を展開。
著書は、1980年の原書初版刊行以来、改訂を加えながら版を重ねる本書『資本主義の世界史』のほか、『大反転する世界――地球・人類・資本主義』(邦訳藤原書店、2002年)など多数。

【訳者】
●筆宝康之(ひっぽう・やすゆき)
1937年生まれ。東京大学経済学部卒業。北海道大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。北星学園大学助教授、パリ第1大学客員教授などをへて現在、立正大学経済学部教授。労働経済学、社会経済思想、日仏社会労働史。近年はアジアの経済発展と水資源・環境緑化を研究。第6回大内兵衛賞受賞。主著に『日本建設労働論』(御茶の水書房)、The Construction Industry in Japan(アジア生産性機構)、共著に『現代技術と労働の思想』(井野博満他、有斐閣)、共訳書に、M・ボー『大反転する世界』(藤原書店)がある。日仏経済学会会員。

●勝俣誠(かつまた・まこと)
1946年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。パリ第1大学博士課程修了(開発経済学博士)。ダカール大学法経学部、モントリオール大学客員教授、明治学院大学国際学部教授、同大学国際平和研究所所長を歴任。著書に、『現代アフリカ入門』(岩波書店)、『サハラのほとり――サヘルの自然と人びと』(共編著、TOTO出版)、『地球社会の危機と再生』(共著、有信堂高文社)、『地球規模の環境問題』(共著、中央法規出版)、『アフリカは本当に貧しいのか――西アフリカで考えたこと』(朝日新聞出版)等、訳書に、W・アーサー・ルイス『人種問題のなかの経済』(共訳、産業能率大学出版部)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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