「排日移民法」と闘った外交官――1920年代日本外交と駐米全権大使・埴原正直

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  • チャオ埴原三鈴・中馬清福
  • 四六上製 424ページ
    ISBN-13: 9784894348349
    刊行日: 2011/12

日本唱導の「人種差別撤廃」案はなぜ欧米に却下されたか?

“史上最も若い駐米全権大使”として日米両国から嘱望されながら、「埴原書簡」の歪曲により表舞台からの退場を余儀なくされた埴原正直。
第一次世界大戦後のパリ講和会議での「人種差別撤廃」の論陣、そして埴原が心血を注いだ1924年米・排日移民法制定との闘いをつぶさに描き、世界的激変の渦中にあった戦間期日本外交の真価を問う。




目次

 はじめに(中馬清福)

第1章 世界の檜舞台へ――新しい秩序形成への参加

第2章 人種差別撤廃と国際連盟――親欧米派と伝統派の対立

第3章 人種差別撤廃敗れたり――パリ講和会議での苦闘

第4章 若き外交官――対米外交の中枢へ

第5章 ワシントン会議での攻防――新外交と日米協調

第6章 駐米全権大使――外交官としての頂点へ

第7章 「埴原書簡」の真実――日米関係における「悲劇」

第8章 排日移民法成立と日米関係――ワシントン体制の綻び

第9章 野に下って――昭和日本の外交への警鐘

第10章 したたかでしなやかな外交を――戦間期外交に何を学ぶか

 あとがき(チャオ埴原三鈴)
 年表(1854-1965)
 〈附〉埴原書簡(原文/公式訳文)
 人名索引


関連情報

1920年代前後、人種差別撤廃の声を日本が初めて国際的な舞台であげ、米国で排日移民法が成立したこの時期は一方で、世界が、日本が、いずれも大きく動く転換期でもあった。(…)大戦終結に伴う新秩序形成の動きが、この後いかなる衝撃と変化をもたらすか、政治経済外交から国民の生活様式まで、国としてのすべての営為にどう影響するか――世界史的な転換期にあたって、それを見通せる冷徹な眼の持ち主は当時、日本にはほとんどいなかった。(…)
そうしたなか、人種差別撤廃構想がどうやって「ひとつの形」にまとめられていったか。いささか世界の大勢を知り今後は国際協調路線で進むしかないと考えた国際派は、どうやって守旧派と向かい合ったか。日本の外交陣はこれにどう対応し、それによって如何に鍛えられていったか――その模様をなるべく詳しく紹介したい。人種差別撤廃論争というのは、実はそれに名を借りた新たな路線論争、新時代の日本はいかなる路線を選ぶべきか、という極めて重要な論争だったことを明らかにしたいからである。
(本文より)

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