身体はどう変わってきたか――16世紀から現代まで

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  • アラン・コルバン・小倉孝誠・鷲見洋一・岑村傑
  • 四六上製 320ページ
    ISBN-13: 9784894349995
    刊行日: 2014/12

身体史の集大成の書名著『身体の歴史』入門

『身体の歴史』が扱う主なテーマ――医学が身体の構造と病をどう捉えてきたか、身体とセクシュアリティー、絵画・彫刻・演劇・ダンスなどアートによって表現される身体、矯正や美容整形、身体作法やスポーツなど鍛えられ訓練される身体――本書はこれらを明らかにし、身体の変容を総合的に捉える初の試みである。


目次


 まえがき  小倉孝誠

第一部 〈インタビュー〉『身体の歴史』とは何か  アラン・コルバン(小倉孝誠=訳)
 歴史の対象としての身体
 医療の歴史と性の歴史
 宗教と身体
 身体の歴史と史料
 感性の歴史
 苦痛の歴史
 快楽の歴史
 地域ごとの特殊性
 身体の自由
〈附〉ミシュレが夫婦の快楽について語る

第二部 『身体の歴史』の射程
 第Ⅰ巻 目次
 第Ⅰ巻 「からだ」と「こころ」の狭間で――ルネサンスから大革命までの身体  鷲見洋一
  聖と俗と性と
  外化する身体
  正常と異常の狭間で
  力と美を備える身体
  基本文献案内

 第Ⅱ巻 目次
 第Ⅱ巻 感覚の主体、幻想の対象――十九世紀の身体  小倉孝誠
  医学・宗教・芸術
  快楽と苦痛
  矯正と訓練
  『身体の歴史』の周辺とその後

 第Ⅲ巻 目次
 第Ⅲ巻 あざなえる視線――二十世紀の身体  岑村傑
  透明――医学の身体
  快楽――性愛の身体
  皮膚――飾る身体
  鍛錬――スポーツする身体
  見世物――「怪物」の身体
  同定――測られる身体
  暴力――戦争する身体
  隔離――収容所の身体
  英雄――スタジアムの身体
  幽霊――映画の身体
  螺旋――ダンスする身体
  美――アートの身体
  歴史への食欲

第三部 知の言説から文学の表象へ
Ⅰ アンシアン・レジーム期の身体とその表象  鷲見洋一
  1 魔女をめぐる考察
   『魔女への鉄槌』の重要性/時代背景と民衆の恐怖心/悪魔と終末論/
   女性恐怖と魔女の誕生/悪魔との契約と呪い
  2 独身是非論
   最初期の辞書における「独身」/ディドロ『百科全書』とトレヴー辞典の対決/
   ポスト『百科全書』派対反『百科全書』派の論争/反『百科全書』派二人/外国での論争
  3 魔女から『マノン』へ
   額縁小説と身体の不在
  4 『ラモーの甥』の謎
   現存性へのこだわり/ラモーのパントマイム
  5 サドの『閨房哲学』

Ⅱ 幸福な身体のために ――十九世紀の性科学と文学  小倉孝誠
  1 性科学の言説
   身体の表象と文学/性科学の二つの潮流/愛と結婚へのオマージュ/
   ギュイヨ『実験的恋愛の手引き』/性科学のジェンダー性/独身という脅威
  2 独身主義から出産奨励のイデオロギーへ
   女嫌いの文学/芸術と家庭の対立/多産のユートピア/ゾラ『豊饒』のイデオロギー

Ⅲ 二十世紀の文学と身体 ――ユートピア、目覚め、刺青  岑村傑
  1 諸学の身体
   百科全書の夢/先人たち/フーコーとともに/身体はユートピアか――「ユートピア的身体」/永遠の反転
  2 小説の身体
   失われた身体を求めて――『失われた時を求めて』/男の魂と女の身体――「刺青」/
   身体を記録する――『ある身体の日記』/身体という文学

 参考文献案内



関連情報

〈アラン・コルバン インタビュー〉
――歴史家にとって、身体はどのような点で研究対象になるのでしょうか。身体はそんなに変わったのですか。
 ええ、身体は諸世紀をつうじて変化してきました。十九世紀だけにかぎってみても、たとえば新兵や理工科大学校生の身長がしだいに伸びたことが分かっています。
 身体がそれ以前に較べて健康になったことは、一七八〇年から一九一四年の間に、死亡率が大幅に下がったことだけでも証明されます。スポーツの成績測定だけに限定するのであれば、少なくとも測定を始めて以降は、身体がより強健になったことは明白なように思われます。
 それに対して、身体がより美しくなったかどうかは一概に言えません。固有の歴史を有する美的規範に関係することですから。
 要するに、身体は客観的に変わったのです。そしてもちろん、身体の構造と生理学をめぐる考え方もそれと同時に根底から変わりました。このような科学的な知識の推移が身体の変化に大きく寄与したのです。


■複雑で多義的な身体は、医学、精神分析学、哲学、社会学、人類学、美術史、フェミニズム批評など、さまざまな知によって分析され、記述されてきた。
■また芸術と身体の関係を考えれば、絵画や彫刻は身体を特権的な表現対象にしてきたし、演劇、ダンス、バレエ、舞踏などは身体を直接に表現手段とし、そこでは身体が言語として機能する。
■これらの領域において身体に関してなされた学問的な蓄積が、すでに無視しえないほどの分量に達していることはあらためて指摘するまでもない。
■本書は『身体の歴史』への導きの糸になることをめざして編まれた。



アラン・コルバン(Alain Corbin)
1936年、フランスのオルヌ県に生れる。1987年よりパリ第1(パンテオン=ソルボンヌ)大学教授として、19世紀史の講座を担当。現在、名誉教授。著書に『娼婦』『においの歴史』『浜辺の誕生』『時間・欲望・恐怖』『人喰いの村』『感性の歴史』(フェーヴル、デュビィ共著)『音の風景』『記録を残さなかった男の歴史』『感性の歴史家 アラン・コルバン』『風景と人間』(いずれも藤原書店刊)『身体の歴史』(全3巻、編著、藤原書店)がある。

小倉孝誠(おぐら・こうせい)
1956年青森県生。1988年東京大学大学院博士課程中退。慶應義塾大学教授。フランスの文学と文化史。『歴史と表象』(新曜社)『いま、なぜゾラか』(藤原書店)『身体の文化史』(中央公論新社)。『身体の歴史Ⅱ――19世紀 フランス革命から第1次世界大戦まで』を監訳。

鷲見洋一(すみ・よういち)
1941年東京生。1974年慶應義塾大学文学研究科博士課程単位修得満期退学(モンペリエ大学博士)、慶應義塾大学名誉教授。18世紀フランス文学・歴史。著書に『「百科全書」と世界図絵』(岩波書店)。『身体の歴史Ⅰ――16-18世紀 ルネサンスから啓蒙時代まで』を監訳。

岑村傑(みねむら・すぐる)
1967年長野県生。1999年東京都立大学人文科学研究科博士課程単位取得退学(パリ第4大学文学博士)。慶應義塾大学文学部准教授。19世紀後半から20世紀前半のフランス文学。著書に『フランス現代作家と絵画』(共編著、水声社)。『身体の歴史Ⅲ――20世紀まなざしの変容』を監訳。


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