- 中村良夫 著
- 四六並製 368頁
ISBN-13: 9784865784817
刊行日: 2025/12
「風景学」の原点から「まちづくり」を考えるために――約420のキーワード集!
「風景」は単なる客観的事物ではなく“人間と環境との関わり”がダイナミックに産み出すもの――と看破した「風景学」。「個人の身体」から「社会」まで、環境と関わる主体を幅広く捉え、「風景」をめぐる多数のキーワードから、風土に根ざした「まちづくり」のヒントを提示。
目次
はじめに――生命の時空を生きる、身体の次元へ回帰し、風景と戯れよう
第Ⅰ部 総論 風土自治と風土の詩学――戯れる身体が産む風景、そして、まちづくりへ
第一章 風土性という問題提起とその展望――主体的な人間存在の構造契機
第二章 風土の三軸、または風土性の構造――風土原論として
第三章 眼球運動から回遊へ――風景を受胎する身体の戯れと編集力
第四章 生成する風土の具体相――風景・風物・風姿の三態
第五章 感性と詩情の次元へ――雅をもって俗に遊ぶ
第六章 風土自治の砦――愛郷心を育てる身体の主体性
第Ⅱ部 辞典 風景学 (全421項目)
あとがき
中村良夫著作目録
関連情報
和辻哲郎の風土論、ないしはその周辺に芽生えた原論的な言説を参照し、その問
題提起を受け継ぎながら、風土性にかかわる原理的な事項はもとより、日本列島
に生きる人間が、その身体の軌跡として大地に刻んだ風土の具体相、つまり「風景」をめぐる示唆にとんだ言葉の数々をここに集めました。
主体的な身体を生きる人間が営々と拓いてきたこの風土の裡には、日常の社会秩
序をとりしきる法律や習慣、礼儀などの「規矩準縄」から解放された、自由な生
命の息づかいが満ちています。このように生き生きした身体が奏でる、めくるめ
くほどに力づよい生命の気配こそが、風土の基調です。
このような日本列島に生をうけた人々の、風土の感性あるいは気風を養ってきた
言葉の数々を、本書第Ⅱ部「辞典 風景学」にまとめています。 (本書より)
著者紹介
●中村良夫(なかむら・よしお)
東京工業大学名誉教授、元京都大学教授。工学博士。
1938年、東京生まれ。東京大学工学部卒業後、日本道路公団技師として実務に携わり、景観の工学的研究の必要を痛感して大学へ戻る。東京大学(土木工学)、東京工業大学(社会工学)、京都大学(土木システム工学)にて、景観工学の研究と教育に従事するかたわら、市民学としての風景学を提唱。パリ大学社会科学高等研究院招聘教授(1985年)。この間、広島の太田川堤防、多摩ニュータウン上谷戸橋、羽田スカイアーチ、広島西大橋、古河総合公園などの計画と設計に景観工学の理念と手法を導入。
編著書に『風景学入門』(中公新書、サントリー学芸賞、土木学会著作賞)『研ぎすませ風景感覚1・2』(編著、技報堂出版)『風景学・実践篇』(中公新書)『風景を創る』(NHKライブラリー)『湿地転生の記』(岩波書店)『風景からの町づくり』(NHK出版)『風土自治――内発的まちづくりとは何か』(藤原書店)『都市をつくる風景――「場所」と「身体」をつなぐもの 新版』(藤原書店)など。
長年にわたって監修設計した古河総合公園が「文化景観の保護と管理に関するメリナ・メルクーリ国際賞」(ユネスコ、ギリシャ主催)を受賞(2003年)。ハーバード大学・ダンバートン・オークス研究資料館現代景観デザインコレクション収蔵(古河総合公園、太田川環境護岸)。瑞宝中綬章(2017年)。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです