- 大宅壮一 著
- 大宅映子 監修
- 森健 解説
- 四六並製 576頁
ISBN-13: 9784865784930
刊行日: 2026/3
わが国初の「マスコミ合同葬」がなされた毒舌とユーモアに富むジャーナリスト、大宅壮一の全貌!
昭和百周年記念出版! テレビ出現の時代に、「一億総白痴化」(1957年)と喝破!
「一億総白痴化」「男の顔は履歴書」「信用できるのは大衆の健康な常識しかない」――“無思想” “野次馬精神”で政治・経済・社会・文化とあらゆる分野に首を突っ込み、一見「進歩」「発展」に見える現実の裏面に隠されている社会の歪みを暴き続けたジャーナリスト、大宅壮一(1900-70)。生身の人間と社会の本質を突く、今なお色褪せない作品を精選。
目次
序 大宅映子
はしがき
大宅ジャーナリズム五十年の奇蹟 青地晨
戦後ジャーナリズムの象徴 久野収
第1部 一億囚人――国家の弾圧と占領下の混乱
第1章 出口王仁三郎訪問記
第2章 大本教弾圧是非
第3章 歓楽街五十年史
第4章 日本占領をめぐる十二の大きな失敗――世界戦史に比類なき成功といわれたが
第5章 “アメリカ処罰案”――戦時中における日本知識人の生態
第2部 太陽族――谷崎潤一郎から石原慎太郎まで文壇点描
第1章 日本エロティック作家論
第2章 近世日本自殺名士銘々伝
第3章 講壇ジャーナリスト論
第4章 マス・コミの虚をつく
第5章 出版界五人男
第3部 男の顔は履歴書である――日本を動かした怪物たち
第1章 小林一三――都市開発と娯楽で阪急東宝を牽引した経営の神さまの功罪
第2章 下中弥三郎――事典出版の祖は無政府主義と国家主義が同居する思想的怪物
第3章 吉田茂――戦後版元老として君臨、組閣回数最多も晩年まで権力に固執
第4章 石橋湛山――占領国の政策に正面から異論、民主政治史上画期的な総理総裁
第5章 菊池寛――流行作家から文藝春秋社創業、文壇を支配し華麗な女性遍歴
第6章 児玉誉士夫――軍部の物資調達で暗躍“児玉内閣”から終戦処理内閣の参与に
第7章 森繁久彌――満州から引き揚げ、妻の内職で生活し大衆芸能の全領域を制覇
第4部 一億総白痴化――高度経済成長の果てを洞察する
第1章 文化界の教祖たち
第2章 「無思想人」宣言
第3章 奇人怪物論
第4章 天皇絶対制を支えるもの倒すもの
第5章 「一億総白痴化」命名始末記
第6章 テレビ王を狙う男たち
〈附〉マスコミ五十年 大宅壮一語録 青地晨
妻と子に残した言葉 大宅昌
大宅壮一の遺産「大宅文庫」 鴨志田浩
〈解説〉虚飾と実質 森健
大宅壮一年譜(1900–1970)
大宅壮一追悼記事
関連情報
■たとえどのような事態に遭遇しても、一歩離れて客観的に判断することが、大宅家の習わしになっていた。 大宅映子
■十八万冊の資料を私設図書館の雑草文庫にあつめ、資料整理のために常時、三、四人の学生を雇っていた。ペンの力だけで、これだけの設備を所有した個人は、大宅以外にはない。 青地晨
■マスコミというコトバを体現し、新しい日本語にしあげるような評論活動をエネルギッシュに実演してみせたのは、同氏以外のだれでもない。大宅氏こそは、戦後マスコミ評論の定型を創造した人物である。 久野収
■迷信を破壊し、権威の実態を衝く。この簡潔にして知力と胆力が求められる仕事をいまどれだけメディアの人間が実行できているだろうか。大宅の文章を読んでいると、そう問わずにはいられない。 森健
著者紹介
●大宅壮一(おおや・そういち)
明治33(1900)年、大阪生まれ。府立茨木中学に入学、3期上に川端康成。“米騒動を煽動する演説”により放校されるが、「専検」に合格し三高に進学。東京帝大在学中から健筆をふるい、除籍後は本格的に文筆活動。『モンテ・クリスト伯』『千夜一夜』完訳等翻訳も手がけ、朝鮮半島・中国大陸・南洋諸島等を訪ねる。昭和19年、世田谷八幡山で「文筆的断食」し自給自足生活。敗戦後、『日本の遺書』等で復帰。時代の裏面を炙り出し社会と人間の真実を抉る数多くの評論で一世を風靡。著書に『実録・天皇記』『世界の裏街道を行く』『昭和怪物伝』『日本の企業』『炎は流れる』等。「一億総白痴化」「駅弁大学」「恐妻」「クチコミ」等現代に生きる流行語を生む。昭和45(1970)年11月22日永眠。
【監修者紹介】
●大宅映子(おおや・えいこ)
1941年、東京生まれ。公益財団法人大宅壮一文庫理事長。評論活動の他、行政改革委員会等にも参加。著書に『女の才覚――日本の女性が失くしてしまったもの』(ワニブックス)、編著に『大宅壮一のことば――「一億総白痴化」を予言した男』(KADOKAWA)他。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです