- 石牟礼道子 著
- 解説=赤坂真理・池澤夏樹・加藤登紀子・鎌田慧・中村桂子・原田正純・渡辺京二
- 四六並製 520頁
ISBN-13: 9784865785081
刊行日: 2026/8
続編への想いを抱えつつ遺された渾身の1150頁。
『全集』発刊時(2004年)の「第二部 神々の村」刊行をもって、半世紀近い歳月をかけ三部作が揃った『苦海浄土』(2016年に1巻本)。
石牟礼道子の代表作、全三部が2分冊に!
【下】第三部 天の魚/解説(赤坂真理・池澤夏樹・加藤登紀子・鎌田慧・中村桂子・原田正純・渡辺京二)
目次
第三部 天の魚
序詩
第一章 死都の雪
第二章 舟非人
第三章 鳩
第四章 花非人
第五章 潮の日録
第六章 みやこに春はめぐれども
第七章 供護者たち
あとがき――全集版完結に際して
あとがき――『神々の村』刊行に際して
あとがき
解説
驚くべき本(作家 赤坂真理)
重層的な“ものがたり”(作家 池澤夏樹)
深々と命を生きる(歌手 加藤登紀子)
水俣を抱きしめて(ルポライター 鎌田慧)
生き方の純度と魂の香りを壊さぬ文明を求めて(生命誌研究者 中村桂子)
「現代医療の原点」というべき作品(医師 原田正純)
巨大な交響楽(評論家 渡辺京二)
関連情報
●赤坂真理「今なお重い。しかし同時に、どうしたことか、これほどに不思議な幸福感と光とに満ちた本に、私は今まで出会ったことがない」
●池澤夏樹「人間に希望があるとすれば、制度の壁を越えて、顔もなく名もなき、職名だけの相手の中にも人間を見ようとするおおらかな、彼ら自身が笑うごとくどこか滑稽な姿勢の中にこそある」
●加藤登紀子「近代日本の末路に警告を発しただけではなく、私たちの帰っていくべき海を教え、深々と命を生きることを伝えている」
●鎌田慧「いったい、この物怪が憑依しているような語り、読み終えても頭の中でゆったりした水俣弁の響きがこだましているような口説節を、彼女以外のだれが文字にできるだろうか」
●中村桂子「本書はそれだけのものではない。水俣の人々の毎日の暮らしを通して、地域を考え、社会や国のありようの中からおかしな点を探り出し、ついには人間とはなにかを見せてくれる」
●原田正純「これ以上の完璧な病状記載があろうか。実態を伝え、かつ感動を与えることのできるカルテなど書けるものであろうか」
●渡辺京二「『運動』を超え、それを無化するような表現を獲得するためにも、作者はおのれの心眼に映る最も深い世界へ降りて行かねばならなかった。それはまさに作者の命を磨り減らす仕事だった」
著者紹介
●石牟礼道子(いしむれ・みちこ)
1927年、熊本県天草郡に生れる。詩人。作家。2018年歿。
1969年に公刊された『苦海浄土』は、水俣病事件を描いた作品として注目され、第1回大宅壮一ノンフィクション賞となるが、辞退。1973年マグサイサイ賞、1993年『十六夜橋』で紫式部文学賞、2001年度朝日賞を受賞する。2002年度は『はにかみの国――石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2002年から、初作品新作能「不知火」が、東京・熊本・水俣で上演される。石牟礼道子の世界を描いた映像作品「海霊の宮」(2006年)、「花の億土へ」(2013年)がある。
『石牟礼道子全集 不知火』(全17巻・別巻1)が2004年4月から刊行され、10年の歳月をかけて2014年5月完結する。この間に『石牟礼道子・詩文コレクション』(全7巻)が刊行される。『葭の渚――石牟礼道子自伝』『不知火おとめ』『石牟礼道子全句集 泣きなが原』(俳句四季大賞)『無常の使い』他、作品多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです
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