- 石井洋二郎 著
- 四六並製 360頁
ISBN-13: 9784865785142
刊行日: 2026/10
最高の入門書 待望の新版!
「文化資本」「社会空間」「ハビトゥス」「差別化/卓越化」……
デュルケーム『自殺論』と並び称されてきた難解な書を、概念構成を中心に明快に整理し、日本社会への「ディスタンクシオン」概念応用の可能性を呈示。著者の『ブルデュー『ディスタンクシオン』講義』と併せて読むべき必読書!
目次
新版のためのまえがき
序 差異と欲望
第1章 「資本」概念の拡大
第2章 社会空間とライフスタイル
第3章 ハビトゥスの構造と機能
第4章 差別化のメカニズム
第5章 日本社会とディスタンクシオン
結論 階級闘争から分類闘争へ
注
あとがき(初版)
『ディスタンクシオン』内容概要
索引
関連情報
■本書では、『ディスタンクシオン』を読むうえで必要不可欠と思われるいくつかの鍵概念を抽出し、筆者なりの仕方で整理したうえで、その意味するところをできるだけわかりやすく敷衍することを、第一の方針とした。第二の方針は、そうした敷衍作業を通して、多少なりともブルデュー的概念装置の日本社会への応用可能性を検討してみることである。
■まず第1章では、ブルデュー理論の基礎をなす「資本」概念の拡大について、特に「文化資本」を中心に検討をおこなう。続く第2章では、文化資本と経済資本を指標として描きだされる「社会空間」と、これに対応するライフスタイルの様態について概観する。第3章では、社会空間と生活様式空間を媒介する「ハビトゥス」の構造と機能を分析する。そして第4章では、『ディスタンクシオン』の中心主題である「差別化=卓越化」のメカニズムを解明する。さらに第5章では、第4章までの記述を踏まえたうえで、日本社会とディスタンクシオンとの関係について考察を加える。以上のプロセスを通して、最終的にはブルデュー理論の射程を、「階級」概念との関わりにおいてとらえなおすところまで行ければと思う。 (本書「序」より)
著者紹介
●石井洋二郎(いしい・ようじろう)
1951年東京生まれ。東京大学・中部大学名誉教授。地域文化研究・フランス文学。
著書:『パリ――都市の記憶を探る』(ちくま新書)、『身体小説論――漱石・谷崎・太宰』(藤原書店)、『文学の思考――サント=ブーヴからブルデューまで』(東京大学出版会)、『美の思索――生きられた時空への旅』(新書館)、『ロートレアモン 越境と創造』(筑摩書房、第59回芸術選奨文部科学大臣賞)、『科学から空想へ――よみがえるフーリエ』(藤原書店)、『フランス的思考――野生の思考者たちの系譜』(中公新書)、『時代を「写した」男ナダール 1820-1910』(藤原書店)、『危機に立つ東大』(ちくま新書)、『ブルデュー『ディスタンクシオン』講義』(藤原書店)、『東京大学の式辞』(新潮新書)、『教養の鍛錬』(集英社新書)、『大学の使命を問う』(藤原書店)、『ピエール・ブルデュー』(水声社)、『書物の航海へ――いまを生きるための古典』(岩波書店)など。
共編著:『文化の権力――反射するブルデュー』(藤原書店)、『フランスとその〈外部〉』(東京大学出版会)など。
訳書:ブルデュー『ディスタンクシオンⅠ・Ⅱ』(藤原書店、第8回渋沢・クローデル賞)、同『芸術の規則Ⅰ・Ⅱ』(藤原書店)、『ロートレアモン/イジドール・デュカス全集』(筑摩書房、第37回日本翻訳出版文化賞・第9回日仏翻訳文学賞)、バルト『小説の準備』(筑摩書房)など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです