- 浜名優美 著
- 四六並製 320頁
ISBN-13: 9784865785012
刊行日: 2026/6
“全体史”の大著の完訳を単独で成し遂げた著者による最高の入門書!
戦争、人物、政治…だけでなく、交易、民族、経済…そして海、山、気候…の“全体史”を提示した、20世紀歴史学の金字塔、ブローデル『地中海』。
“現実”を見抜く確かな眼を与えてくれる『地中海』を読み解くために!
〈特別インタビュー〉ブローデル夫人「『地中海』成立の経緯」
〈新版特別収録〉リュシアン・フェーヴル「のびゆく本――『地中海』」
目次
まえがき(初版)
序 歴史学のコペルニクス――ブローデル
第一章 小伝 歴史家ブローデル 1902-85
第二章 『地中海』のアウトライン――現代を照らし出す16世紀の地中海世界
第三章 『地中海』を読むためのキーワード
1 ヒューマニズム、帝国主義、父と子
2 大きな歴史、小さな戦争
3 経済゠世界か世界経済か
4 運命論者ブローデル?――初版から削除された「地理的歴史と決定論」と運命
5 魔法の数字3
6 構造
7 文明の衝突、そして経済の減速期に文明が開花すること
8 出来事の歴史としての世界戦争
9 紙の世紀の資本主義
10 全体史――過去と現在のグローバルな対話
終 グローバルな思想家としてのブローデル
〈特別付録〉想像力の歴史家 フェルナン・ブローデル――ブローデル夫人が語る『地中海』成立の経緯 ポール・ブローデル (聞き手)浜名優美
〈新版増補〉のびゆく本――『地中海』 リュシアン・フェーヴル(浜田道夫訳)
〈付1〉『地中海』初版目次と第二版目次の対照
〈付2〉『地中海』関連年表(1544-1600年)
〈付3〉フェルナン・ブローデル略年譜
〈付4〉『地中海』関連書誌
関連情報
スペイン帝国のフェリーペ2世に関する伝記、エリオットの『スペイン帝国の興亡』、塩野七生の『レパントの海戦』やヴェネツィアに関する著作を読みながら、長い船旅の間イスタンブール目指して、ただひたすら航海を続けてきた。この長い航海の水先案内人は、もちろんブローデルの文学的と言える見事な文章である。
アナール派の歴史学(新しい歴史)のさまざまな成果は世界史のみならず日本史の専門家たちにも大きな影響を及ぼしている。
初めて『地中海』を手にする、専門家でない読者ならびに若い人たちが、全5分冊の私の翻訳を読む勇気を与えられるように、本書ではブローデルの簡単な経歴から始めて、『地中海』のアウトラインを可能な限り原著の雰囲気を活かして述べ、私が重要と判断したキーワードについての解説を加え、最後にグローバルな思想家としてのブローデルの仕事の総括をおこなって、ブローデルおよび『地中海』入門に代えたい。 (本文より)
著者紹介
●浜名優美(はまな・まさみ)
1947年生まれ。1977年,早稲田大学大学院文学研究科フランス文学専攻博士課程満期退学。南山大学名誉教授。専攻は現代文明論・フランス思想。従五位瑞宝中綬章受章。2020年逝去。
訳書に,ブローデル『地中海』Ⅰ~Ⅴ(1991–95年)『ブローデル歴史集成』Ⅰ~Ⅲ(監訳,2004–07年),デックス『ブローデル伝』(2003年),コルバン編『キリスト教の歴史』(監訳,2010年),ル゠ロワ゠ラデュリ他監修『叢書『アナール1929–2010』』全5巻(監訳,2010–17年),監修にウォーラーステインほか『入門・ブローデル』(尾河直哉訳,2003年。以上藤原書店)など多数。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです