女とフィクション

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  • 山田登世子
  • 四六変上製 320ページ
    ISBN-13: 9784865782134
    刊行日: 2019/02
  • 定価: 3,024円

「女はいつも鏡の中で生きている」

書物をこよなく愛した仏文学者、山田登世子(1946-2016)が、バルザックをはじめ、モーパッサン、デュマからコレット、デュラスまでを参照しつつ、愛と性、美徳と悪徳、虚構と現実を、「文学の中の女」/「女の文学」という視座から、痛快に描く。単行本未収録論考集、第3弾!



目次


Ⅰ 文学と女たち
鏡の中の女/サロンでは、誰もが《女優》のように――/モーパッサンの描く女たち/
水のメランコリー――モーパッサン『女の一生』/ブージヴァル――癒しと性のファンタスム/
勝ち誇る娼婦たち/少女伝説のゆくえ/世紀末夢遊/恋愛は小説を模倣する/読書する女、恋する女/
タンタンの宝石箱/《女》のゆくえ
Ⅱ フランス美女伝説
マリー・アントワネット/ウージェニー皇后/印象派の美女たち/椿姫/エステル/花咲く乙女たち/
マルグリット・デュラス/サラ・ベルナール/美女たちの宝石戦争/コレット/ココ・シャネル(前編・後編)
Ⅲ バルザックとその時代
ミックスサラダの思想/女と賭博師/私の訳した本――バルザック『風俗のパトロジー』/
一行のちがい――スタンダールとバルザック/今こそ「人間喜劇」がおもしろい――バルザック生誕200年に寄せて/
「真珠夫人」に映るバルザック/作家の「名の値段」/小説プロダクション/いま『従妹ベット』をどう読むか
Ⅳ フィクションの力
エイメが描いたモンマルトルの恋物語/プルーストの祝祭につらなって――鈴木道彦訳『失われた時を求めて』を読む/
世紀末のヴァカンスとスポーツ/小説はメタモルフォーズ/鉄幹のつぶやき/ ただならぬ哀しみのひと――森?外「半日」など/フランス文学の翻訳と明治・大正の日本語/時代遅れの衣裳

関連情報

女にはいつも鏡が良く似合う。女が《かたち》として現れ出るものであり、鏡がかたちを映すものであってみれば、女と鏡はたがいに分身のような共犯関係を結んでいるのかもしれない。
そう、像である女はいつも鏡の中で生きている。とらえがたく、さまざまに姿を変え、《現れ》と《存在》が一つであるような女は、鏡の中に住んでいる。
おそらく女は、いつも鏡の中の女なのだ。亡霊のように立ち現れて、光をゆらめかせ、亡霊のようにはかなく脆く、消えてゆく像。
あなたは、鏡の中に映った像をとらえようとして手をのばす。けれど、あなたの手が触れるのは冷たい「表面」だけ。女はその鏡の表面だけに住んでいて、その向こうを探してもまなざしはむなしく空をさまようことだろう。
奥行きというものをもたず、「表面」がそのまま「奥底」である鏡は、とらえがたい女のあやうさを際立たせて見せるのである。
(本書より)


【著者紹介】
●山田登世子(やまだ・とよこ)
1946-2016年。福岡県田川市出身。フランス文学者。愛知淑徳大学名誉教授。
主な著書に、『モードの帝国』(ちくま学芸文庫)、『娼婦』(日本文芸社)、『声の銀河系』(河出書房新社)、『リゾート世紀末』(筑摩書房、台湾版『水的記憶之旅』)、『晶子とシャネル』(勁草書房)、『ブランドの条件』(岩波 書店、韓国版『Made in ブランド』)、『贅沢の条件』(岩波書店)、『誰も知らない印象派』(左右社)、『「フランスかぶれ」の誕生』『モードの誘惑』『都市のエクスタシー』『メディア都市パリ』(藤原書店)など多数。
主な訳書に、バルザック『風俗研究』『従妹ベット』上下巻(藤原書店)、アラン・コルバン『においの歴史』『処女崇拝の系譜』(共訳、藤原書店)、ポール・モラン『シャネル――人生を語る』(中央公論新社)、モーパッサン『モーパッサン短編集』(ちくま文庫)、ロラン・バルト『ロラン・バルト モード論集』(ちくま学芸文庫)ほか多数。

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