別冊『環』25号 『日本ネシア論』 長嶋俊介編

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  • 長嶋俊介編

  • 菊大並製 480ページ
    ISBN-13: 9784865782233
    刊行日: 2019/05

「島」に光を当てると、どんな日本が見えてくるのか?

多様な島の集合体「日本ネシア」として、離島から日本を多角的に捉え直す!

日本は七千近い島々からなり、国の広がりを「列島」という言葉で表す。 しかし陸地のみを「国土」とするのではなく、管理水域の基点となる島を念頭に置くと、「列島」日本観に揺らぎが出てくる。遠い島ほど国益のかかる存在となった21世紀、 12のサブネシアからあたらしい日本の見方を提示する。


世界的にも画期的な昭和28年制定の離島振興法は第一条から「後進性の除去」をうたい、50年その規定は揺るがなかった。経済社会発展の恩恵が国の隅々にまで至り、振興法の成果もあり、21世紀には離島の役割と認識が変わる。このような時代に「日本ネシア」を提示する。?島の点在、?海域も含めた国土、?脱「狭い国」感覚、?島のくに・海のくに・山のくに・平野のくにに都市部を加える総体性、?それぞれの隅っこをフロンティア境界とするときの環境保全・善隣友好・交流の過去現在未来的視座の豊かさ、?「本土内」と「本土外」の役割関係の見直し、?日本人と日本文化の本来的混在性・多様性への視座、?ヤマトと周縁の歴史観を、さらに境界外からも見据える視座、?全球的位置づけから国の役割を見据える視座、?脱イディオロギー的に、しかし国の隅々に生きる主体の内発的発展をサポートする視座……以上に何らかの問いかけができそうである。(「まえがき」より)

【著者紹介】 ながしま・しゅんすけ 一九四九年佐渡島生まれ。定年退職後郷里佐渡で暮らす。京都大学・会計検査院・奈良女子大学を経て鹿児島大学名誉教授。佐渡市社会教育委員・同環境審議会会長・同新エネルギー導入促進協議会座長。[前]日本島嶼学会会長・太平洋学会常務理事・国際島嶼学会理事・N‌P‌O瀬戸内オリーブ基金理事長。鹿児島大学名誉教授・前日本島嶼学会会長。著作に『水半球の小さな大地』(同文館出版、一九八七年)、『「豊かさ」の生活学』(一九九〇年)、『世界の島大研究』(以上PHP研究所、二〇一〇年)、『島は山のてっぺん!?』(監修、徳間書店、二〇一五年)、『日本一長い村 トカラ』(共著、梓書院、二〇〇九年)、『九州広域列島論』(北斗書房、二〇一五年)等。

【目次】


まえがき  長嶋俊介

日本ネシアの用語と概観/日本ネシア全体とサブネシアと外枠島嶼線/日本の架橋島

■第1遍 総 論
ネシア・ニッポン【島小宇宙の連なりで日本を捉え直す】  長嶋俊介
日本ネシア人【形質人類学からみた日本列島人の成立】  片山一道
日本ネシアの自然地理学的理解  須山聡
島の未来を考える【その固有性と脆弱性を超えて】  湯本貴和
ヤポネシア論から半世紀  前利潔
季刊『しま』の六十五年  三木剛志
フランコネシアと日本ネシア【コルシカから考える島の自治の問題】  長谷川秀樹
非核憲法の国パラオから見た日本列島  上原伸一
東アジア海文明の歴史と環境  鶴間和幸


■第2遍 先島ネシア
日本における珊瑚ネシア群【日本一の石西礁湖からの発信】  渡久地健
先島から見た近代と自治制度  高江洲昌哉
海に開かれた「ネシア」を【「先島」の歴史に見る島嶼性】  三木健
椰子の実が結ぶ縁【柳田國男・井上通泰・松岡静雄】  石井正己
与那国島で五世紀を越えて記憶された漂流民との交流  安渓遊地
戦争マラリアと悲劇の乗り越え方  加賀谷真梨
文化としてのソテツ食  安渓貴子
国境、主権は自明ではない【台湾・与那国からみえる世界】  岡田充


■第3遍 ウチナーネシア
琉球弧の民俗学的眺望  津波高志
沖縄と世界をリンクする芸能と余興の文化  小西潤子
ウチナーネシアから大綱引き文化を照射する  前泊美紀
現住人口主義からの脱却  中俣均
大東諸島について  山上博信
東シナ海のアジマー(交差点)としての島【近代前久米島の異文化との出会い】  仲地宗俊
沖 縄【島嶼型持続可能発展モデル(試論)】  嘉数啓
沖縄の里海【里海は島のネットワークに貢献できるか】  鹿熊信一郎
当事者性と共感性に基づく島嶼地域科学のフィールド―沖縄  藤田陽子


■第4遍 小笠原ネシア
芸能の伝播と創造的伝承をめぐって【南洋群島と小笠原】  小西潤子
「南洋踊り」の保存と交流  渋谷正昭
小笠原諸島【地名が示す自然・文化・歴史】  延島冬生
終わらぬ「戦後」【硫黄島帰島問題に関する一考察】  真崎翔
小笠原諸島の自然の価値とその保全【進化の島の研究教育拠点】  可知直毅
唐辛子を通して考える島々経由の伝播の可能性【東南アジア・太平洋諸島と日本ネシア】  山本宗立
小笠原諸島から考える国益にかなう海洋管理  山田吉彦


■第5遍 奄美ネシア
先史人類学から見た奄美ネシア  高宮広土
大宰府とキカイガシマ  高梨修
奄美諸島の「山と与路島」交流誌覚書  本田碩孝
奄美におけるキリスト教の宣教【カトリックとプロテスタント】  中村敬子
奄美諸島、交錯する時空  前利潔
奄美群島の「自立・内発・循環」社会の創造に向けて  皆村武一
加計呂麻島のネシア発信力  叶芳和
琉球弧をつなぎ、つむぐ【与論島】  喜山荘一
米国軍政下における奄美の非正規交易  三上絢子
奄美研究拠点【島で・島から・島民と学ぶ力】  河合渓


■第6遍 トカラネシア
トカラの世界  桑原季雄
近世トカラ列島における陶磁器流通  渡辺芳郎
渡瀬線? 渡瀬帯??  金井賢一
新保蔵技術の導入と民間企業との接合による離島漁業振興  鳥居享司
小規模離島の情報通信革命  升屋正人


■第7遍 黒潮太平洋ネシア
持続可能な里海づくり【四国の端っこからの挑戦】  神田優
高知離島保健婦の偉業に思う  森隆子
日韓の海女交流について  劉亨淑
東海・黒潮の多様なネシア世界  原眞一
教育の場としての伊豆諸島【首都大学東京の取組み】  黒川信
八丈島の古文書・郷土史料の意味  對馬秀子
青ヶ島【八丈三島に共通の古代信仰】  菅田正昭
青ヶ島保健医療福祉からみた東京ネシアの現状  青木さぎ里
三陸ネシアの動物と人々のくらし  溝田浩二
宮戸島の景観保存と復興  菅原弘樹


■第8遍 薩南ネシア
薩摩硫黄島【メンドン・俊寛・ジャンベ・ジオパークの島からの発信】  大岩根尚
口永良部島の年寄りが生物多様性保全活動により島を活性化する試み【ユネスコエコパーク離島における地元の役割を模索する】  山口英昌
タラソテラピー展開から見た薩南ネシアの未来可能性  吉嶺明人
世界遺産・屋久島【その自然と生活】  湯本貴和
島嶼部における淡水生物生態系の特徴  森下郁子
資源の屋久島【「夢」をめぐる中心と周辺】  王智弘
大隅諸島の文化・自然環境と赤米交流  石堂和博
種子島の特性と我が国に果たしてきた役割・今後の可能性  赤松達也


■第9遍 西九州ネシア
潜伏キリシタンの島々の信仰の現在  加藤久雄
離島弁護士活動【足場五島の魅力と課題】  古坂良文
内発的視座での島群論『小値賀アルカディアへの支援活動』  佐藤快信
小値賀町のアイランドツーリズム   深見聡
天草ネシアから架橋列島としての日本ネシアを考える【島嶼ネットワークの視点から】  前畑明美
薩摩の「かくれ念仏」と離島への伝播  財部めぐみ
国土地理院の島名訂正は許されるのか  宮野豊稔
離島振興法の黎明と九州の島【その自然と生活】  鈴木勇次


■第10遍 北九州ネシア
北九州ネシアの考古学【対馬・壱岐・沖ノ島・鷹島】  俵寛司
宮本常一の〈功罪〉を考える【対馬研究を志す立場から】  村上和弘
対馬発離島振興と域学連携の地域効果  阿比留勝利
北九州ネシアの地域資源を活用した広域連携による地域経営【福岡県うきは市との地域間連携】  吉岡慎一
唐津ネシアの交流力【島・本土間(タテ)の交流から島々間(ヨコ)の交流へ】  小林恒夫
北九州ネシアの国境三機能【税関・出入国審査・検疫】  大西広之


■第11遍 瀬戸内ネシア
風景論からみた瀬戸内ネシアの価値  西田正憲
貝塚から「瀬戸内海」以前を考える  遠部慎
香川からみた瀬戸内の島嶼世界  稲田道彦
「島嶼ネットワーク」の歴史的展開【笠岡諸島・六島】  前畑明美
ハンセン病「隔離の島」は今  蘭由岐子
瀬戸内オリーブ基金が伝える豊島事件の意義と教訓  岩城裕
瀬戸内海島嶼部の海ごみ回収困難地域について  伴場一昭
「島嶼性」による社会関係のゆくえ【岡山県日生諸島・頭島】  前畑明美
淡路島の古代から続く島力・島可能性  仲田成徳
聖地・大三島を護る=創る  伊東豊雄


■第12遍 日本海ネシア
蓋井島【山ノ神と海の豊かさ】  土屋久
平泉と奄美【列島を縦断した夜光貝】  高梨修
日本海ネシアの陸上動物【本土ネシアとの差異】  溝田浩二
森林植生から見た佐渡島の自然  本間航介
資源を生かす【佐渡式イカ釣具の思想】  池田哲夫
鼓童の島内被教育力と内外発信活動  菅野敦司
離島佐渡専門学校の専門技術者育成活動  本間慎
協働が根付く粟島の暮らし  野呂一仁
花がおこし結ぶ三島の島づくり【とびしま未来協議会の挑戦と粟島・佐渡との三島交流】  呉尚浩
北海道・日本海離島の航路と航空路  奥野一生


■第13遍 北ネシア
近世日本において鎖された扉に手がかけられた蝦夷のネシア  西谷榮治
北方領土「残留」を選んだ日本人の軌跡  本間浩昭
ふる里奥尻に寄せる想い  麻生直子
埋葬の視点から見た「島の人生」  遠部慎
北ネシアの陸上動物【利用と保護】  溝田浩二
北ネシア観光とダークツーリズム  井出明
冬季観光制約島での地域振興可能性  上田嘉通
北海道とボーダーツーリズム  岩下明裕
日本のなかの北極、北極のなかの北海道  高橋美野梨


■番外遍 済州島海政学
耽羅鰒と耽羅海【公共体の海政学のために】  全京秀


おわりに  長嶋俊介
 
〈附〉参考図書100冊
関連年表(BC15000~2020)
編集後記





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