日本ワイン産業紀行

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  • 叶芳和 著
  • A5並製 352頁
    ISBN-13: 9784865784183
    刊行日: 2024/3

急速に活性化する「日本ワイン」産業、
日本各地のワイナリーを訪れた現地ルポ

◯なぜワイン産業が若い人や脱サラ組を惹きつけるのか?
――未来の産業社会を先駆けるクリエイティブな仕事として、新規参入が相次ぐ日本ワインの「今」。
◯国産ブドウ100%の日本ワインが担う新しい六次産業化
――耕作放棄地の解消、過疎化の抑制、生物多様性の保全、そして地域振興・地方創生への期待。
◯美味しいワインづくり、競争力強化に向けた、「先進産地」の工夫とは?
――日本各地のワイナリーをめぐり、「土」からワインを考える。


目次

はじめに

第Ⅰ部 日本ワイン産業(ワイナリー)の現地ルポ――ケーススタディ

第1章 日本固有種「甲州」を先頭に ワイン輸出産業化めざす
     中央葡萄酒㈱(山梨県甲州市)
第2章 甲州ワインの価値を高め ワイン産地勝沼を守る
     勝沼醸造㈱(山梨県甲州市)
第3章 知的障害者のワインづくり イノベーティブな経営者
     ㈲ココ・ファーム・ワイナリー(栃木県足利市)
第4章 研究者の「脱サラ」ワイナリー 自己実現めざす働き方改革
     ビーズニーズヴィンヤーズ(茨城県つくば市)
第5章 六次産業化した町ブドウ郷勝沼 ワインツーリズム人気
     山梨県勝沼地区
第6章 イノベーションで先導し 産地発展の礎を築いた
     シャトー・メルシャン(山梨県甲州市)
第7章 自社畑拡大に積極的に取り組む 日本ワインはステータス
     サントリーワイン(東京都港区)
第8章 完全「国産」主義 規模の利益で安価なワイン提供
     北海道ワイン㈱(北海道小樽市)
第9章 日本の食文化を表現 世界と勝負するワインめざす
     ドメーヌ・タカヒコ(北海道余市町)
第10章 ワイン技術移転センターの役割 ブルース氏の空知地域振興
     合同会社10‌Rワイナリー(北海道岩見沢市)
第11章 本物のワイナリーをめざす 厳格な産地表示主義者
     ㈱オチガビワイナリー(北海道余市町)
第12章 山形ブドウ100%の日本ワイン 「ワイン特区」で地域振興めざす
     山形県上山市(ワイン特区)
第13章 ワインツーリズムのまちづくり エッセイストの構想が実現
     ヴィラデストワイナリー(長野県東御市)
第14章 地球温暖化追い風に技術革新 桔梗ヶ原メルローの先駆者
     ㈱林農園 五一わいん(長野県塩尻市)
第15章 水田地帯に大規模なブドウ畑 消費者志向で生産性を追求
     ㈱アルプス(長野県塩尻市)
第16章 ブドウ名人が移住者(人材)を呼ぶ ブドウ先行ワイン追随型の産地
     ㈱信州たかやまワイナリー(長野県高山村)
第17章 金銀賞連続7回のワイナリー 家族経営で手作りの味醸す
     源作印 ㈲秩父ワイン(埼玉県小鹿野町)
第18章 品質優先・コスト犠牲の栽培技術 日本の風土に根差したワイン
     マンズワイン小諸ワイナリー(長野県小諸市)
第19章 条件不利乗り越え金賞ワイン 技術は自然に代替する
     ㈱島根ワイナリー(島根県出雲市)
第20章 反逆のワイナリー 雨の多い宮崎でワイン造り
     ㈱都農ワイン(宮崎県都農町)
第21章 東京にもワイナリーがある 都市型ワイナリーの存立形態
     東京にある五つのワイナリー
第22章 夢追い人たちのワイン造り 泊まるワイナリーの観光地
     ㈱カーブドッチ(新潟市角田浜)


第Ⅱ部 日本ワイン比較優位産業論――日本ワインは成長産業か?

第23章 総論――新しい産業社会への移行
第24章 世界ワインは成長産業か?――西欧先進国は消費減 輸出伸長
第25章 日本ワインは成長産業か?――北上仮説 都道府県別産地動向(統計的分析)
第26章 日本ワインの産業構造――ワイン用ブドウの供給メカニズム
〈コラム〉日本のワイン勃興に薩摩人

あとがき

関連情報

◯実際に調査して、ワイナリーにはかなり重いものがあることが分かった。耕作放棄地の解消、土地の価値上昇(生産性向上)、過疎化の抑制、生物多様性という、地域振興に貢献する公益性がある産業のように思えた。まさに地方創生であり、成長を応援したいと思った。

◯ワイン産業は新規参入が相次いでいる。若い人たちがこの産業に集まっている。脱サラ組も多い。それはワイン造りがクリエイティブな仕事であって、面白いからだ。わくわくとした気持ちで働ける産業を増やすことが「働き方改革」であり、ワイン産業のようなクリエイティブな産業を増やすことが改革なのだ。 (「はじめに」より)

著者紹介

●叶芳和(かのう・よしかず)
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。元㈶国民経済研究協会理事長、会長。拓殖大学、帝京平成大学、日本経済大学大学院教授を歴任。
主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社、1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社、1993年)、『走るアジア遅れる日本』(日本評論社、2001年)ほか。『新世代の農業挑戦――優良経営事例に学ぶ』(全国農業会議所、2014年)ほか。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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