セレモニー

価格: ¥3,024 (税込)
[ポイント還元 120ポイント~]
数量:
在庫: 在庫あり

返品についての詳細はこちら

twitter

  • 王力雄:著/金谷譲:訳/王柯:推薦
  • 四六上製 448ページ
    ISBN-13: 9784865782226
    刊行日: 2019/04
  • 定価: 3,024円

文化大革命を超える完全監視社会は、独裁体制の完成形か?
「民主主義」への逆転のツールか?

共産党建党記念祝賀行事と北京万博が重なる空前の式典年に勃発した感染症パニックと、その背後で密かにうごめき始めた極秘の暗殺計画――。SARS事件、ウイグル問題、ファーウェイ疑惑など、現代中国をめぐる事態を髣髴とさせる、インターネット時代の『一九八四年』。現在、行動の自由を厳しく制限されている反体制作家による、中国本国で未公刊の問題作、邦訳刊行!

【カバーソデ紹介】
中国共産党の建党記念祝賀行事と北京万国博覧会とが重なった大式典年――二つの大式典の成功は、党と政府にとっての最重要課題である一方、誰もがその成功によって自分の政治的な地位を上昇させることを夢想していた。国家安全委員会のあるメンバーは、業績をあげて昇進を手にするため、インフルエンザの警報レベルを上げるよう画策する。一方その上司は、防疫活動を利用して競争相手を排除しようともくろむ。しかし、WHOの調査の結果、実際にはウイルスの変異は認 められないことが確認されてしまう。
一連の空騒ぎののち、国家安全委員会弁公室の蘇主任は、表向きは防疫活動の功労者としてまつりあげられたものの、裏では各方面から批判の集中砲火を浴び、最高権力者の「主席」にも疎んじられるようになる。式典が終わればスケープゴートにされることを悟った蘇主任は、腹心の部下たちと共に、全国民を監視するIT技術を駆使して、極秘の計画をスタートさせる。それは、この危機的状況を生き延び、“上”へと這い上がるための周到な計画だったが……。

【推薦のことば――王柯(神戸大学教授)】
最新のインターネット、IT技術の主導権を握る者は将来の世界を握る。それが非民主的独裁政治体制によって掌握されれば、いったい人類になにをもたらすのか。その答えは、中国当局によって夫人(チベット人作家ツェリン・オーセル) とともに行動の自由を厳しく制限されている、反体制派の著名作家、王力雄氏の最新作、小説『セレモニー』にあった。
非民主的独裁政治体制は、つねにデータを恣意的にねつ造し、さまざまな国家的セレモニーを通じて、自らの支配の正当性を国民に押し付け、国民の思想の自由、言論の自由を一切許さず、外部世界との情報交換も完全に遮断する。厳しい監視体制のもとに、国民が少しでも不満を漏らせばたちまち容赦なく弾圧される。これらの人権侵害行為は、今日の中国において、すべてインターネット、IT技術の力を借りて成し遂げられたものと言っても過言ではない。





目次


インターネット、I‌T技術と独裁体制――推薦のことば  王柯(神戸大学教授)
本書関連地図/主要登場人物紹介

   靴のインターネット
   ドリーム・ジェネレーター
   グリッドシステム
   電子の蜂
   事変
   民主
   幸福

あとがき
訳者あとがき





関連情報

【著者紹介】
●王力雄(おう・りきゆう/Wang Lixiong)
1953年中国・長春市生まれ。作家、民族問題研究者。1978年、文革後最初の民主化運動「民主の壁」に参加、94年には中国最初の環境NGO「自然之友」を創設。
2002年当代漢語研究所より「当代漢語貢献賞」、同年独立中文ペンクラブより第1回「創作自由賞」、2003年ヒューマン・ライツ・ウォッチより「ヘルマン・ハメット賞(助成金)」、2009年チベットのための国際委員会より「真理の光賞」等を受賞。
著作は『漂流』(1988)、『天葬――西藏的命運』(1998)、『溶解権力――逐層逓選制』(1998)、『與達?喇嘛對話〔ダライ・ラマとの対話〕』(2002)、『逓進民主』(2006)、『権民一体論――逓進自組織社会』(2016)など多数、邦訳された著作に『黄禍』(1991。邦訳集広舎2015)、『我的西域、你的東土』 (2007。邦訳『私の西域、君の東トルキスタン』集広舎2011)など。『黄禍』は1999年『亜洲週刊』「20世紀に最も影響を与えた中国語小説100選」の41位に選ばれた。

【訳者紹介】
●訳者紹介
金谷譲(かなたに・じょう)
1960年生。翻訳者(英・露・中)。1991年大阪大学文学部研究院博士課程前期修了(専攻・中国中世史)。訳書に、龔延明編・岡田英弘監修『絵で見る中国の歴史 第5巻 宋・遼・金・元の時代』(原書房、1995年)、曹長青編著『中国民主活動家チベットを語る』 (日中出版、1999年)、チベット国際キャンペーン著『チベットの核』(日中出版、2000年) など、著書に、林思雲と共著で『中国人と日本人――ホンネの対話』(2005年、『続』2006年、『新』2010年、いずれも日中出版)、『国基研論叢?vol. 1』(共著、国家基本問題研究所、2012年)など。

ページトップへ