「友好」のエレジー ――中国人がみる「日中国交正常化五十年」

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  • 王柯 編
  • 賀衛方/張倫/賈葭/唐辛子/劉燕子/李鋼哲/慕容雪村/王柯
  • 四六変判並製 232頁
    ISBN-13: 9784865783711
    刊行日: 2022/12

民主主義・自由平等・法治・人権が実現されてこそ、真の日中友好が始まる、
と考える中国知識人らが、この五十年を回顧し、将来を展望する。

独裁政権に対し、中国の主要都市で広がる「白紙」抗議運動!


目次

序  王 柯

1 「信念を貫き五十年、得たのは落胆のみである」
――日中関係に対する私見と努力――
賀衛方(北京大学教授)

2 民主と自由の価値観に基づく協力関係を目指して
張 倫(CYセルジー・パリ大学教授)

3 「明月帰らず碧海に沈み」
賈 葭(ジャーナリスト、作家)

4 国と国の関係にふりまわされる民間の日本観
唐辛子(コラムニスト、作家)

5 「文明」的に世界を説得してください
――「利益外交」から「価値外交」への転換を――
劉燕子(現代中国文学者)

6 「彼を知り、己を知れば、百戦殆からず」
――「統一戦線」工作からの脱却を目指して――
李 鋼哲(東北亜未来構想研究所所長)

7 想像された日本と日本人
慕容雪村(作家)

8 羨望と希望から、失望までの五十年
王 柯(神戸大学名誉教授)

結 び  王 柯
日中外交関係略年表(1970~2022年)

関連情報

「白紙革命」は、疑いなく中共政権の鎮圧に遭う。国際社会は、中国人民の側に立つか、それとも一党独裁政権への宥和を取るかを選択する岐路に、ふたたび立たされる。このような事態は、今後いっそう増えるに違いない。天安門事件の後、国際社会に先んじて中国に対する経済制裁を解除した日本は、これからもこのような民意を踏みにじる独裁体制に対して宥和政策を取り、「友好」を語り合い続けるのだろうか。
(「序」より)

著者紹介

●賀衛方(HE Weifang)
1960年生まれ。現在、中国北京大学法学院教授、著名な法律学者。法治や言論の自由に関する提言を続け、2001年第一期『中国青年』(共産党系青年団の機関誌)によって「21世紀中国に影響を与える百名の青年」にリストアップされた。2008年12月、劉暁波(ノーベル平和賞受賞者)が発表した「08憲章」にいち早く署名し、2011年にアメリカのForeign Policy誌(「外交政策」)によって「世界百人の思想家」に選ばれた。それ以降、SNSにおける発言がますます制限され、ウィチャットのアカウントはこれまで6回も取り消された。

●張倫(ZHANG Lun)
1962年生まれ。現在、フランスCY Cergy Paris University教授、Agora研究所研究員、パリMaison des Sciences de l’Homme研究員。社会学修士(北京大学)、社会学博士(フランス社会科学高等研究院、EHESS)。北京大学の大学院生時代に、中国経済と政治体制改革計画設計に参加。1989年の天安門事件に参加後、指名手配を受け、フランスに亡命。中・英・米・仏・独や日本(『読売新聞』『朝日新聞』)など、各国の複数のメディアにおいて発言。

●賈葭(JIA Jia)
1980年西安生まれ。著名なジャーナリスト、作家。2002年、南京大学中国文学部卒業。長年に亘って北京と香港でジャーナリストとして活躍。
『瞭望東方週刊』編集者、『鳳凰週刊』編集長、『GQ雑誌』中国版編集長、『騰訊大家』編集長、香港陽光テレビ局ニュース局次長を歴任。中国・台湾・香港の複数の雑誌でコラムを執筆。

●唐辛子(トウガラシ)
コラムニスト・作家・翻訳者。本名は唐明艶。上海華東師範大学で日本語コースを修了。日系貿易会社勤務を経て、1998年に来日。『朝日新聞中文網』や『騰訊大家』など中国の人気メディアでコラムを執筆。今は翻訳と著作に専念。
主な著書に『唐辛子I‌N日本』(上海復旦大学出版社、2010年)、『日本式中毒』(広東人民出版社、2016年)、『日本女人的愛情武士道』(上海復旦大学出版社、2011年)、『悦読日本:漫画脳』(上海交通大学出版社、2018年)など。

●劉燕子(LIU Yanzi)
湖南省出身。現代中国文学者。大学で教鞭を執りつつ、日中バイリンガルで著述・翻訳。
主な著書に『天安門事件から「08憲章」へ』(共著)、『「私には敵はいない」の思想』(共著)、『中国が世界を動かした「1968」』(共著、以上藤原書店)。『「08憲章」で学ぶ教養中国語』(共著)、『永遠の時の流れに』(共訳)、『中国低層訪談録――インタビューどん底の世界』(編著訳)、『殺劫――チベットの文化大革命』(共訳)、『チベットの秘密』(編著訳)、『劉暁波伝』(編訳)、『中国牛鬼蛇神録――獄中の精霊たち』(共編訳、以上集広舎)。『劉暁波詩集――独り大海原に向かって』(書肆侃侃房)など。

●李 鋼哲(り・こうてつ)
1959年、中国吉林省生まれ。一般社団法人・東北亜未来構想研究所代表理事・所長。専門は、東北アジア地域協力に関する国際経済と国際関係。北京の大学・大学院を修了後、大学専任講師を務める。1991年に来日、立教大学大学院経済学研究科修士課程を経て、経営学博士課程を単位取得退学。東京財団研究員、名古屋大学外国人研究員、総合研究開発機構(NIRA)主任研究員、北陸大学未来創造学部教授を歴任。

●慕容雪村(MURONG Xuncun)
1974年生まれ、山東省出身。本名は郝群。中国の著名な作家。1996年、中国政法大学法律学科を卒業、2003年に長編小説『成都、今夜請将我遺忘』で作家デビュー。その後、『天堂向左、深圳往右』『伊甸桜桃』『原諒我紅塵顛倒』『多数人死於貪婪』『葫蘆提』『中国、少了一服薬』『遺忘在光蔭之外』など多くの小説やノンフィクション作品を出版。英語、ドイツ語、フランス語、日本語、韓国語、ベトナム語などに翻訳出版される。
また、長きにわたり『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムを担当しているほか、海外メディアで中国事情についてコメントすることも多い。コロナ禍が始まった武漢における取材に基づく作品『禁城、武漢伝来的声音』(2022年出版)によって、中国の国家安全局から脅迫を受け、2021年8月に中国を脱出。現在オーストラリア在住。

●王 柯(WANG Ke)
1956年生まれ。1982年、中央民族大学を卒業。中国政府文化省勤務を経て、88年に来日。東京大学大学院博士課程修了(学術博士)。96年から神戸大学国際文化学部助教授、教授、客員教授を経て、現在神戸大学名誉教授。国際文化学研究推進センター連携フェロー。
主な著書に『東トルキスタン共和国研究――中国のイスラームと民族問題』(東京大学出版会、1995年、第18回サントリー学芸賞受賞)、『多民族国家 中国』(岩波新書、2005年)、『20世紀中国の国家建設と「民族」』(東京大学出版会、2006年)、『日中関係の旋回――民族国家の軛を超えて』(2015年)と『辛亥革命と日本』(編著、2011年、以上は藤原書店)、など多数。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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