内田義彦の学問

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  • 山田鋭夫著
  • 四六判上製 384頁
    ISBN-13:9784865782738
    刊行日: 2020/05

“学問の思想家”を照射!

『資本論の世界』『作品としての社会科学』等で知られる、戦後日本を代表する経済学者であり、「学ぶこと」と「生きること」を一つのものとして、学生たちに深く、やさしく語りかけ続けた内田義彦(1913-89)。
「市民社会」とは何かを全身で問い、生涯にわたって「生きる」ことの意味を探求し、掘り下げていった内田を師と仰ぎ、読み込み、語り合い続けたもう一人の経済学者が、渾身の力で内田義彦の思想の全体と格闘。


 私は長らく内田義彦をきちんと論ずることができなかった。論ずるにはあまりに困難な思想家であった。若いとき以来、内田義彦の作品に限りなく魅了され、常日頃から学ばせていただいてきたのは事実なのだが、とても私ごときの手に負える思想家ではなかった。それでも、学会やシンポジウムなどで話す機会を与えられ、また雑誌などから求められるままに書き継いできた大小さまざまな私の内田義彦論を振りかえってみると、一本の線が貫いていることに気づいた。つまりは「学問」あるいは「学問する市民社会」の思想家という内田義彦像である。
 内田義彦への追悼文に私は、「いつの日かきっと、わが内田義彦を活写してみたいというのが、私の夢です」と書いた(一九九〇年)。本書でその「活写」が実現しているとはとても思われないが、それでも本書は、いまの私が、そしていままでの私が書きうる精一杯の内田義彦論である。
(本書「あとがき」より)



■【目次】


序 「生きる」を問う

第Ⅰ部 内田義彦の学問
 1 河上肇論――「科学」と「学問」のあいだ
 2 内田思想の原型――「市民的なもの」と「階級的なもの」のあいだ
 3 市民社会論――「交換的平等」と「人間的平等」のあいだ
 〈補〉内田義彦はどう受け継がれたか――経済学の場合

第Ⅱ部 断想・内田義彦
 ■探 る
小さな橋
一つのことを
柔軟な精神――内田義彦『形の発見』編集後記
世紀を超えて――『形の発見』改訂新版へのあとがき
経済学と人間
 ■問 う
内田義彦のおもしろさ
社会科学を「溶かす」こと
内田義彦の問い
「学問」ということ
内田義彦の思い
内田義彦は生きている――生誕百年によせて
今なぜ、内田義彦か
 ■読 む
『経済学の生誕』
『資本論の世界』
『作品としての社会科学』
『読書と社会科学』

第Ⅲ部 内田義彦への招待
1 内田義彦主要作品案内
『経済学の生誕』(未來社、1953年)
『資本論の世界』(岩波新書、1966年)
『日本資本主義の思想像』(岩波書店、1967年)
『社会認識の歩み』(岩波新書、1971年)
『学問への散策』(岩波書店、1974年)
『作品としての社会科学』(岩波書店、1981年)
『読書と社会科学』(岩波新書、1985年)

2 内田義彦名言選
 ■科学を考える
科学の眼 人間の眼
科学的方法の意味と限度
科学と人間の相剋
学問と芸術の共働
 ■言葉を考える
日常語と学術語
何のために専門語を使うのか
社会科学と日本語
 ■分業を考える
社会的分業ということ
分業における人間のあり方
分業の場としての私

結にかえて――分業社会をどう生きるか

第Ⅳ部 内田義彦論 文献目録

あとがき
初出一覧


【著者紹介】
●山田鋭夫(やまだ・としお)
1942年愛知県生。1969年名古屋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学名誉教授。理論経済学・現代資本主義論。著書に『レギュラシオン理論』(講談社現代新書)『さまざまな資本主義』(藤原書店),Contemporary Capitalism and Civil Society, Springer等。

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