男性支配

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  • ピエール・ブルデュー
  • 坂本さやか・坂本浩也 訳
  • 四六上製 240ページ
    ISBN-13: 9784865781083
    刊行日: 2017/01
  • 男性優位の社会秩序がなぜ“自然”なものとされてきたのか? 全世界に最も影響を与えた社会学者であり思想家ブルデューによる、唯一の“ジェンダー”論。

    アルジェリア・カビリア伝統社会と、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』。一見唐突に見える二つの事例の精緻な分析を通して、男性を女性の優位におく社会秩序(男性支配)が、「なぜ“自然”なものとされてしまうのか」、その客観化に取り組み、象徴暴力としての「男性支配」のありようを暴き出す。欧米で大論争を招いた問題作の完全訳!

    目次


     序文 恣意的なものの永遠化
     はじめに

    第一章 ある拡大されたイメージ
     身体の社会構築
     支配の身体化
     象徴的暴力
     象徴財の経済における女性
     男らしさと暴力

    第二章 隠れた恒常的要素を想起する
     貴族性としての男性性
     知覚される存在としての女性
     女性から見た男性のものの見方

    第三章 永続性と変化
     脱歴史化という歴史的作業
     変化の要因
     象徴財の経済と再生産戦略
     構造の力
     支配と愛に関する追伸

     結論
     補遺 ゲイ・レズビアン運動に関するいくつかの問題

     訳者解説/人名索引

    関連情報

     「この本のなかで私は、男女関係に関する数多くの研究に依拠することにより、かつて私自身がおなじテーマについておこなった分析を、さらに明確にし、補強し、訂正することができた。大多数の分析者(および私を批判する人びと)が、性をめぐる秩序は永続するのか変化するのかという問いを執拗にとりあげている(永続や変化を、事実として確認することもあれば、希望として語ることもある)。しかし、この本は、まさにそうした問いそのものを明示的に問いに付すものだ。
     この〔永続か変化かという〕問いに対して、別の問いをたてなくてはならない。それは、科学的により妥当で、また私見ではおそらく政治的にもより切迫した問いである。皮相な観察によれば男女関係は大いに変容したと見えるかもしれないにもかかわらず、実際にはそれほど変容していないのが確かだとすれば、また、とりわけよく保存された男性中心社会(たとえば私が60年代初頭に観察できたカビリア社会のような社会)の客観的構造と認知的構造についての知識が、もっとも経済的に進んだ現代社会における男女関係の実態の、もっとも隠蔽された側面のいくつかを理解する助けになるような道具を提供してくれるのが確かだとすれば、その場合は、性別による分割の構造とそれに合致した〈ものの見方(ヴィジョン)の原理〉の相対的な永続化と脱歴史化の原因となっている歴史的メカニズムはどのようなものなのか、と問わなければならない。」
    (「序文」より)


    【著者紹介】
    ピエール・ブルデュー(Pierre Bourdieu, 1930-2002)
    高等師範学校卒業後、哲学の教授資格を取得、リセの教員となるが、55年アルジェリア戦争に徴兵。アルジェ大学助手、パリ大学助手、リール大学助教授を経て、64年、社会科学高等研究院教授。教育・文化社会学センター(現在のヨーロッパ社会学センター)を主宰し学際的共同研究を展開。81年コレージュ・ド・フランス教授。
    主著『ディスタンクシオン』『再生産』『芸術の規則』『パスカル的省察』『科学の科学』『自己分析』『国家貴族』『介入』(以上邦訳、藤原書店)ほか多数。

    【訳者紹介】
    坂本さやか(さかもと・さやか)
    1973年生。東京大学ほか非常勤講師。19世紀フランス文学。論文に、「『ウェルギリウスの蜜蜂』――ミシュレの『虫』における復活」(中里まき子編『トラウマと喪を語る文学』朝日出版社、2014年、所収)、訳書に、J・ミシュレ『フランス史』(3・4・6巻、藤原書店、2010・2011年、共訳)がある。

    坂本浩也(さかもと・ひろや)
    1973年生。立教大学教授。20世紀フランス文学。著書に、『プルーストの黙示録――『失われた時を求めて』と第一次世界大戦』(慶應義塾大学出版会、2015年)、訳書に、J・デリダ『滞留』(未來社、2000年、共訳)がある。

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