女が女になること

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  • 三砂ちづる
  • 四六上製 256ページ
    ISBN-13: 9784865780376
    刊行日: 2015/08

月経、妊娠、出産、子育て……女のからだの喜びが、いのちと社会を支える。

◎セクシャル・マイノリティや産まない/産めない女性の権利は重要だが、マジョリティであるはずの男女の間の未婚、セックスレス、少子化や、現実の出産と育児にはどう向き合うのか。
◎「仕事と家事・育児の両立」が喧しいが、問題は両立や経済だけではなく、男に抱きとめられ、子どもを産み育て、性と生殖を担う女のからだの喜びが見失われていることではないか。
◎見失われつつある女たちの家族への「祈り」と家での「働き」を、どうすれば今、肯定的に取り戻せるか?

目次

一 子どもを産む
 1 出産の場にたちあがるもの
 2 “豊かな出産経験”――科学的根拠の可能性と限界
 3 日本の開業助産所は何をするところか

二 “生殖”のからだを生きる
 4 母乳哺育
 5 「母性保健」と「科学的根拠」――AMTSLを例として
 6 「リスクと不安」から考える
 7 妊娠中絶

三 女の朝夕から
 8 三歳児神話と軒遊びの喪失
 9 「排泄」に応えることから
 10 家庭内業績主義


 祈りと家事の日常――あとがきにかえて

関連情報

「家事」が敵視されるようになって久しい。家事とは生きていく上で欠かすことのできない営みで、誰かが担わなければ日々がまわっていかない。
いま、男も女も「忙しい」という。金を儲けるための仕事、自己実現のための仕事、かけがえのない自分を表現するための仕事、他人から認めてもらうための仕事……そのようなことに忙しくて、誰の評価も伴わない「家事」は敵視されるしかないのだ。
この本は、女たちの祈りと家でのはたらきと、性と生殖を担う役割をどうすれば肯定的に取り戻せるか、ということを、女性のからだを通じて経験することから考え始められないか、という試みであった。月経、妊娠、出産、子どもを育てること。それら、女性がからだをもって経験する性と生殖に関することには、根源的な喜びが伴い、それらがあるからこそ、日常の「働き」と「祈り」を支えられるようになるのではないか、と考えた。
(本書より)


●三砂ちづる(みさご・ちづる)
1958年生。津田塾大学国際関係学科教授。京都薬科大学卒、ロンドン大学Ph.D.(疫学)。ロンドン大学衛生熱帯医学院研究員、JICA疫学専門家として約15年ブラジル等で研究と国際協力活動。著書『昔の女性はできていた』(宝島社)『オニババ化する女たち』(光文社)『月の小屋』(毎日新聞社)『不機嫌な夫婦』(朝日新聞出版)『五感を育てるおむつなし育児』(主婦の友社)他、訳書フレイレ『被抑圧者の教育学』(亜紀書房)他。

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