真実の久女――悲劇の天才俳人 1890-1946

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  • 坂本宮尾
  • 四六上製 392ページ
    ISBN-13: 9784865780826
    刊行日: 2016/09
  • 従来の“久女伝説”を覆す、渾身の評伝!

    高浜虚子の『ホトトギス』同人除名問題などから、根拠のない“伝説”が横行していた悲劇の人、杉田久女。
    その実像に、多くの秀れた俳句を丁寧に鑑賞しつつ、初めて迫る。
    俳人協会評論賞受賞作に、その後発見された新資料をふまえ加筆された決定版!

    目次

     はしがき

    はじめに――久女の自筆句稿を読みながら
    第1章 俳人久女の誕生まで――大正時代
    第2章 俳人として立つ決意――昭和六年まで
    第3章 主宰誌「花衣」――昭和七年
    第4章 創作活動に没頭――昭和八年から十年まで
    第5章 句集出版の難航――昭和八年から
    第6章 同人削除以後――昭和十一年から
    第7章 虚子の「国子の手紙」再考
    第8章 久女の没後
    おわりに

    補章 新資料の発見から

     あとがき
     杉田久女略年譜
     書誌
     引用句索引
     主要人名索引

    関連情報

     これまでの久女に関する評伝の多くは、ホトトギス同人除名と久女伝説を中心に扱ってきた。私は、除名問題はじつは句集という形で作品を世に問いたいという久女の俳句作家としての姿勢に起因すると考えた。
     本書は、俳人、杉田久女の俳句人生をたどり、句集出版の問題に焦点を当てて久女の悲劇の本質を解明し、同時に残された珠玉の作品を鑑賞することである。
     久女の作句の舞台となった当時の北九州は活気に満ちた重工業地帯であり、また記紀の神話や『万葉集』に彩られた浪漫の地であった。北九州の風景は、久女によってみごとな作品に結晶した。
     百年を経てなお久女俳句は、その圧倒的な完成度で輝いている。
    (本書より)


    坂本宮尾(さかもと・みやお)
    1945年大連生。本名は桑原文子(くわはらあやこ)。英文学者、東洋大学名誉教授。
    71年、東京都立大学大学院修了(英米演劇専攻)。のちロンドン大学およケンブリッジ大学に留学。東京女子大学入学後、1966年同大学の白塔会で山口青邨の指導を受けて俳句を始める。1976年青邨主宰の「夏草」の新人賞を受賞、80年に同人に。仕事や家庭の事情によりしばらく句作を中断後、90年に「夏草」に再入会、同年に創刊された有馬朗人主宰の「天為」・黒田杏子主宰の「藍生」に参加、93年には藍生賞を受賞。2004年には評伝『杉田久女』で第18回俳人協会評論賞を受賞。2015年、第6回桂信子賞を受賞。
    句集に『天動説』『木馬の螺子』、句文集『この世は舞台』。英文学関係の著書に『オーガスト・ウィルソン――アメリカの黒人シェイクスピア』、訳書にオーガスト・ウィルソン『ジョー・ターナーが来て行ってしまった』『ピアノ・レッスン』『フェンス』等。

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