世界はなぜ過激化(ラディカリザシオン)するのか?――歴史・現在・未来

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  • ファラッド・コスロカヴァール 著
  • 池村俊郎・山田寛 訳
  • 四六上製 272頁
    ISBN-13: 9784865781014
    刊行日: 2016/11

ポスト冷戦、ポスト・イデオロギーの世界で、なぜテロは続発するか!?

◎2001年の9.11米同時多発テロ、2015年『シャルリ・エブド』襲撃、パリ同時テロ……
 世界を襲うテロの脅威。 なぜイスラム過激主義が豊かな社会で勃興するか!?
◎移民、都市郊外、インターネット、女の過激主義者、刑務所、自爆テロ、差別を生む「ライシテ」原理主義…等の切り口から、社会学者が現代社会の軋みに確かな光を当てる。
◎格差拡大、教育不均等、政治不信などの政治・経済的問題、また個人が抱える孤立、不安、絶望、欲求不満……さまざまな視角からテロの淵源を捉え、脱却の可能性を探る。


目次

〈日本語版 特別インタビュー〉過激ジハード主義テロの本質にあるもの

第1章 ラディカリザシオン、なぜその概念が浮上したか
第2章 歴史をたどる
第3章 イスラム世界とムスリムの過激化
第4章 ジハード主義知識人と情報革命の波及力
第5章 欧州で進行する過激化の実像
第6章 ジハード主義とサラフィー主義
第7章 刑務所の現実
終 章 脱過激化への模索

 訳者解説 / 参考文献 / 世界で起きた主なテロ事件

関連情報

 よりグローバルに見ると、ジハード主義は10年以上も前から、新しい形態の過激主義の中で支配的となっている。そうした過激主義は現代社会における深刻な不安を映す指標である。現代社会の不安とは、われわれの社会がきわめて不完全にしか制御できない新しい害悪を生み出している結果なのである。
 世界化は、至るところで抑圧感と欲求不満を深めさせながら進展してきた。冷戦時代には、そうした思いがイデオロギーの枠内に押し込められていたのだが、もはや、そうはいかない。
 市民であることを、その社会へ経済的、社会的に統合されることと同義だと定義するならば、過激化とは真の市民権を欠いた世界で生きる一部の人間たちが不満をぶつけ、演じる場の一つということができよう。そして過激化の最も明白な表現、それがテロということになる。
(本書「終章」より)

著者紹介

●ファラッド・コスロカヴァール(Farhad Khosrokhavar)
仏社会科学高等研究所(EHESS)教授。1948年イラン・テヘラン生まれ、フランス・イラン両国籍の社会学者。著書20冊以上を持ち、そのうち3冊が英、独、伊、西、希など7言語に翻訳出版される。イラン革命や西欧イスラム系住民のフィールド調査で知られる。1970年代にフランス留学。ハイデッガー哲学で博士号。仏社会学者アラン・トゥレーヌの指導でイスラム革命前のイラン近代化研究により博士号(社会学)。イラン国内の大学で教壇に立つが、イラン革命後、再度フランスへ。1991年からEHESSで博士課程指導にあたる。イェール、コロンビアほか米著名大学でも講じる。2008年イェール大学客員教授。2003年から仏刑務所で長期間の受刑者調査を実施。いまイスラム過激派の社会学的分析の第一人者と評価される。仏米英、アラブ諸国の有力TV、ラジオ・メディアにしばしば登場。英語、アラビア語を含めて6か国語を話す。
著書にL’islam des jeunes(若年層のイスラム), Flammarion, 1998. Anthropologie de la révolution iranienne(イラン革命の人類学――見果てぬ夢), Éditions L’Harmattan, 2000. L’Islam dans les prisons(刑務所におけるイスラム), Jacob Duvernet, 2004. Quand Al-Qaïda parle(証言するアルカーイダ), Points, 2007. Radicalisation, Éditions de la Maison des sciences de l’homme, 2014(本書)他。邦訳書に『なぜ自爆攻撃なのか――イスラムの新しい殉教者たち』(青灯社)がある。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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