「生きものらしさ」をもとめて

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  • 大沢文夫 著
  • 四六変上製 192頁
    ISBN-13: 9784865781175
    刊行日: 2017/4

「生物物理」第一人者のエッセンス!

◎「段階はあっても、断絶はない」。単細胞生物ゾウリムシにも、ヒトにも“自発性”はある! では“心”はどうだろう?
◎ゾウリムシを観察すると、外からの刺激にかかわらず方向転換したり、“仲間”が多いか少ないかでも、行動は変わる。
◎機械とは違う、「生きている」という「状態」とは何か? 「生きものらしさ」の出発点“自発性”への問いから、「生きもの」の本質にやわらかく迫る!

目次

 はじめに――関係・調和・状態

Ⅰ 〈講演〉“生きものらしさ”とは何か
 ゾウリムシの自発的運動
 ゾウリムシの方向転換のしくみと「ゆらぎ」
 仲間がいる方が自発性が大きい
 二つのspontaneousを区別しない
 生きもののエッセンス

Ⅱ 自発性とは?
はじめに
 生物の自発性
 ヒトは特別ではない
 個体発生は系統発生をなぞる
 「生きている」という「状態」

1 ゾウリムシのこと
 “生きものらしさ”を痛感した、ゾウリムシについての初めての実験
 ゾウリムシの実験

 〈付記〉生きものの実験のむずかしさ

2 「ゆらぎ」について――自発の源
 「ゆらぎ」の研究のはじまり
 熱と「ゆらぎ」
 ゾウリムシの自発信号
 「ゆらぎ」の段階的増幅

3 自発から意志へ
 自発の意味について
 自発と私という思い
 意志をもっての自発

結び

Ⅲ 状態論
1 状態論で生きものをみる
 はじめに
 最初の実験・アクチンについて――状態論的解析
 粘菌のアクチン
 アクチンフィラメントのやわらかさ
 変幻自在のアクチンフィラメント
 ゆききする反応
 結 び

2 生きものは“やわらかい機械”をもつか?
 遺伝子の実体
 かたい機械
 シュレディンガーの躊躇
 やわらかい機械

3 筋肉収縮の場合
 筋肉細胞の内部構造とその収縮
 入出力タイトカップリングかルースカップリングか
 べん毛モーターについて
 粘菌の運動
 シャジク藻(車軸藻)の原形質流動

結び

 〈幕間〉日本の科学者として
  日本語と日本の科学
  種から、根から、日本で創る
  問題を作ることと解くこと
  寺田物理学の流れ
  奇現象・ホント?
  ネコの話

Ⅳ 生きものの“ソフト”を問う――結びにかえて
1 “古典的な問い”と“現代の問い”と
 はじめに
 生死のさかい目――古典的な問い
 生きものの“意識”はどこで生まれるか
 “眠る”とはどういう状態か
 快と不快、そして喜怒哀楽
 研究の現在

2 生きもののソフトは? 心は? 目的は?

3 生きもの相互の関係

 あとがき

関連情報

 生物の自発性というのも、生きものらしさの一つでしょう。
 人工の機械はスイッチを入れなければ動かないし、入れたらいうとおりに動く。それは人間が設計しているからそうなるのは当たり前ですけれど、生物は自分で動きたいように動く。それは生きものらしさの一つとして典型的な中身ではないかと、だんだんそういう考え方に到達して、そのもとを明らかにしたい。それがゾウリムシの研究からだんだん発展して、私の研究主題の一つになりました。
 そうすると、自発性というのは一番下等な生物にすでにあるものだから、研究しているうちにヒトは特別でないとしみじみとわかります。
(本文より)

著者紹介

●大沢文夫(おおさわ・ふみお)
1922年大阪府生。理学博士。1944年東京帝国大学理学部物理学科を卒業、名古屋帝国大学理学部助手。50年に助教授、59年に教授。61年に理学部附属分子生物学研究施設教授。68年より大阪大学基礎工学部教授を併任。研究テーマは物理学、生命科学の広範囲にわたり、特に生命現象の機構を解明すべく展開した物理学的方法論は世界的に高い評価を受け、生物物理学の発展に大きく寄与した。中日文化賞(昭和38)、朝日賞(昭和50)、藤原賞、紫綬褒章(共に昭和60)等を受賞。日本学士院会員、名古屋大学名誉教授、大阪大学名誉教授。愛知工業大学客員教授。「大沢スクール」及びその系譜からは、生命科学の分野をリードする優れた人材を多く輩出。86年定年退官し、87年愛知工業大学教授,95年同客員教授。専門は生物物理。
著書『飄々楽学――新しい学問はこうして生まれつづける』(白日社、2005)『大沢流手づくり統計力学』(名古屋大学出版会、2011)『講座 生物物理――生物を物理に、そして再び生物に』(丸善、1998)他。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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