ことばの万華鏡

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  • 一海知義
  • 四六上製 392ページ
    ISBN-13: 9784865781250
    刊行日: 2017/05

どこから覗いてもおもしろいイッカイ先生のことばの世界

中国古典文学の碩学が、漢詩・漢語の豊かな知識を背景に、ことばの多様性と歴史の深みをかいま見せてくれる。
◎著作集未収録随筆集、第二弾。



目次


Ⅰ ことばの万華鏡
 「いろいろ」づくし/数字あれこれ
 医術と漢語/名前・名前・名前
 語源と歴史/漢語の意味と読み/言葉抄

Ⅱ 素人の政治談義
 政治家のことば/ことばと思想/素人の政治談義

Ⅲ 思い出の本、思い出の人
 名著探訪/『論語』の「語」論/追憶と交遊

関連情報

〈ある私鉄の駅に降り立った人が、こんな看板を見かけた。
   三重結婚相談所
 二重結婚というのは聞いたことがあるが、三重結婚なんてあるのかな。
 もちろんそんな専門相談所があるわけがない。その駅は三重県にあったのだ。三重(みえ)結婚相談所。
 漢字の読み方には、音と訓があるからややこしい。「サンジュウ」は音、「みえ」は訓。
 私の苗字は一海(イッカイ)だが、一回(イッカイ)で正確に呼んでもらえたためしがない。
  イチカイ
  イツカイ
  イチうみ
  ひとうみ
 「一」の音に、呉音(イチ)と漢音(イツ)があり、これに訓読みが加わるから、こんな組合せができる。さすがに「ひとカイ」と言う人はいないが……。〉
(本書所収「三重結婚」より)


【著者紹介】
一海知義(いっかい・ともよし)
1929年、奈良市生まれ。旧制高校理科コースへ進んだが、文学への思いが募り、京都大学文学部中国文学科に進学し、高橋和巳らとともに吉川幸次郎に師事。53年卒業後は、神戸大学教授、神戸学院大学教授を歴任後、神戸大学名誉教授。専攻は中国文学。2015年歿。
著書は幅広く、中国古典詩を扱った『陸游』『陶淵明――虚構の詩人』(岩波書店)『史記』(筑摩書房)や、広く大人にも読まれている『漢詩入門』『漢語の知識』(岩波ジュニア新書)の他、河上肇の漢詩に初めて光を当てた『河上肇詩注』や『河上肇そして中国』(岩波書店)『河上肇と中国の詩人たち』(筑摩書房)など一連の河上肇論でも名高い。軽妙な筆致に中国古典の深遠な素養を滲ませる随筆『読書人漫語』(新評論)『典故の思想』『漱石と河上肇』『詩魔』『閑人侃語』『漢詩逍遥』(藤原書店)もファンが多い。陸游の漢詩を毎月1回読む「読游会」の成果が『一海知義の漢詩道場』(正・続、岩波書店)に結実、また『論語』の新しい読み方を提示した名講義録『論語語論』(藤原書店)も好評を博した。
著者自身の監修による『一海知義著作集』(全11巻・別巻1)を藤原書店より刊行。没後、著作集未収録随筆集『漢詩放談』が刊行された。

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