横田喜三郎 1896-1993――現実主義的平和論の軌跡

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  • 片桐 庸夫
  • 四六上製 272ページ
    ISBN-13: 9784865781861
    刊行日: 2018/08

最高裁長官も務めた国際法学者の安全保障論の全貌!

戦前において満洲事変を批判し、「戦争の違法化」の徹底と国際協調主義による平和追求を唱えた硬骨の論客、横田喜三郎(1896-1993)。戦後、天皇制への態度の変化と、極東国際軍事裁判への評価をめぐって、横田に浴びせられた批判は、果たして正当なものだったのか? 戦前から戦後に至る横田の発言を跡づけ、その根底に貫かれた思想を炙り出した初の書!




目次


 まえがき

第1章 生いたちと、安全保障観の形成
第2章 時局評価――満州事変批判
第3章 戦争の危機と国際法の不完全性
第4章 戦後日本の安全保障論
第5章 講和と安全保障
結びに代えて
[補 論]無条件降伏と国体

 あとがき

 参考資料/主な参照雑誌及び新聞/
 横田喜三郎年譜(1896-1993)/人名索引

関連情報

本書で考察の対象とする横田は、国際法専攻の研究者であり、戦後には最高裁判所長官という要職にも任じられた。同時に、今日のように国際関係学や国際政治学という学問領域の確立前の時代に、国際協調主義、平和主義に基づいて外交や国際関係そして国際法の領域の時局問題について、権力におもねることなく、また自己の信念を曲げることなく雑誌や新聞という場を通じ、あるいは講演という機会を利用して自らの主張を行った。それは、今流にいえば、国際政治学や国際関係学の実証主義的な研究者のそれであったと評価してもさほど的外れではない。
(……)
戦後70年以上が経過し、日本の安全保障体制の在り方も大きく問われている。そんな時代の渦中にあって、私たちが将来に向けて指針を求めるとすれば、それは歴史のほかにはないであろう。私たちは、横田の半世紀にわたる考察や主張から今後の日本の安全保障構想や憲法第九条の改正の是非についても示唆を得ねばならないと考える。
(本書より)


【著者紹介】
●片桐庸夫(かたぎり・のぶお)
1948年生まれ。群馬県立女子大学名誉教授。法学博士。国際関係学、外交史。
1990年から2010年まで渋沢研究会代表を務め、引き続き顧問として今日に至る。
著書に『太平洋問題調査会の研究』(慶應義塾大学出版会、2003年、2004年度吉田茂賞)、『民間交流のパイオニア・渋沢栄一の国民外交』(藤原書店、2013年)、共著に『東日本大震災後の公益をめぐる企業・経営者の責任』(現代公益学会編、文眞堂、2016年)、『岩波講座 東アジア近現代通史』(第4巻、岩波書店、2011年)、『1920年代の日本と国際関係』(2011年)『太平洋問題調査会(1925-1961)とその時代』(2010年、ともに春風社)、Hawai‘i at theCrossroads of the U. S. and Japan before the Pacific War (University of Hawai‘i Press, 2008)、『アジア太平洋戦争の意義』(三和書籍、2005年)、『公益の追求者・渋沢栄一』(山川出版社、1999年)他。

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