都市のエクスタシー

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  • 山田登世子
  • 四六上製 328ページ
    ISBN-13: 9784865782004
    刊行日: 2018/11

「私の街歩きは、ほとんど常に忘我の体験だ。」

急逝した仏文学者、山田登世子(1946-2016)の単行本未収録論考集、第2弾。
パリ、ヴェネツィア、上海など世界の各都市を遊歩し、その歴史と裏面に触れる「異郷プロムナード」ほか、情報・メディアの技術革新による人間関係・都市文化の変容をめぐる随想、そして内田義彦、阿久悠らへの追想など、都市・メディア・文化の交点に鮮やかに斬り込んだ名篇を集成。



目次


1 異郷プロムナード
2 メディア都市
 メディアのアイドル「怪盗ルパン」/電話というマジック/恋する電話/
 ラブレターはナルシスの水鏡/メディア・トラベル/軽さは重さを嘲う/
 劇場感覚が都市文化を育む/20世紀末の「1900年展」/身体のスペクタクル
3 わたしの部屋
 ワルツは不実な女のように/街を歩けばエクスタシー/涙のわけ/
 幻の本箱/嘘は罪、だけど……/「呼び水」の記/唐獅子火鉢/月の別れ
4 世相を読む 2010-2016
5 人物論
 内田義彦 ――内田義彦の軽さ/「私」と「世界」を兼ね備える/
  星の声のひと 内田義彦/学問のレッスン/学問なき芸術の退屈さ/内田義彦の痛切さ
 阿久悠 ――美空ひばりの「舟歌」がきこえる/大衆を虚に遊ばせた詩
 今村仁司 ――贈与と負い目の哲学
 中沢新一 ――ダンディな悪徒
 今福龍太 ――余韻のなかにとりのこされて

関連情報

「書物について言えることは都市の空間そのものについても言える。パリという都市空間にこもる匂いは、いわば古書の匂いだ。真新しいクリーンな新刊書が何の存在感も感じさせないのと同じように、歴史のない都市空間はひとを虜にする匂いの厚みがなく、味覚で言うなら「こく」がない。
 パリという都市はすべてがこの「こく」でできているようなものである。猥雑で複雑な時の厚みがたたみこまれた、あやしいまでに濃密な「こく」――」
(本書より)


【著者紹介】
●山田登世子(やまだ・とよこ)
1946-2016年。福岡県田川市出身。フランス文学者。愛知淑徳大学名誉教授。
主な著書に、『モードの帝国』(ちくま学芸文庫)、『娼婦』(日本文芸社)、『声の銀河系』(河出書房新社)、『リゾート世紀末』(筑摩書房、台湾版『水的記憶之旅』)、『晶子とシャネル』(勁草書房)、『ブランドの条件』(岩波書店、韓国版『Made in ブランド』)、『贅沢の条件』(岩波書店)、『誰も知らない印象派』(左右社)、『「フランスかぶれ」の誕生』『モードの誘惑』『メディア都市パリ』(藤原書店)など多数。
主な訳書に、バルザック『風俗研究』『従妹ベット』上下巻(藤原書店)、アラン・コルバン『においの歴史』『処女崇拝の系譜』(共訳、藤原書店)、ポール・モラン『シャネル 人生を語る』(中央公論新社)、モーパッサン『モーパッサン短編集』(ちくま文庫)、ロラン・バルト『ロラン・バルト モード論集』(ちくま学芸文庫)など多数。

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