姉弟私記

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  • 大音寺一雄
  • 四六変上製 112ページ
    ISBN-13: 9784865782202
    刊行日: 2019/03

自分のために悲運の人生を送った姉に捧げる

「鬼か、この身は……」
自分の出生が姉の悲運につながっていた、おのが身の「存在の罪障」。
姉とは裏腹に安泰となった自らの人生の悔恨の記。



目次


姉弟私記
「あとがき」に代えて

関連情報

自分の二人の子どものうち、姉の方は、二男・二女の子福者である。
「音大」を出て、作詞・作曲が本業であろうが、いわゆる「産休先生」の代りの音楽教師として、あちこちの高校をかけめぐっているらしい。
弟は医者になった――。
短期とはいえ、中国にまで出かけて学んできた「漢方」の心得もあるから、九十一の老骨、体のあちこちが傷んでいるのでよく手当てをしてもらっている。
姉・弟ともに忙しそうで、二人が会うのは、自分の家の正月祝いの一日ぐらいであろうが、老眼の奥には、「オネェチャン……オネェチャン……」と、読んでもらいたい絵本をかざしてつきまとっていた頃の彼の幼い姿が蘇っている。
自分が「踏み台」にして、その一生を台なしにさせてしまった姉の姿もおのずと浮かんでくる……。
(「あとがき」より)

【著者紹介】
●大音寺一雄(だいおんじ・かずお)
本名・北田耕也。1928年、福岡県小倉市に生まれる。
旧制・佐賀高等学校、武蔵高等学校を経て、東京大学教育学部(社会教育専攻)卒。
東洋大学社会学部教授、明治大学文学部教授を経て、明治大学名誉教授。
おもな著書に『大衆文化を超えて――民衆文化の創造と社会教育』(国土社)『明治社会教育思想史研究』(学文社)『近代日本 少年少女感情史考』(未來社)『「痴愚天国」幻視行――近藤益雄の生涯』(国土社)『〈長詩〉遥かな「戦後教育」――けなげさの記憶のために』(未來社)『下天の内』『一塵四記――下天の内 第二部』(藤原書店)等がある。

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