資本主義の政治経済学――調整と危機の理論

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  • ロベール・ボワイエ著 山田鋭夫監修 原田裕治訳
  • A5上製 440ページ
    ISBN-13: 9784865782387
    刊行日: 2019/08
  • 1968年革命を経て、70年代半ばのフランスで誕生した「レギュラシオン」の基本教科書、遂に誕生!

    ●70年代半ば,マルクス主義や新古典派、ケインズ派の衰退の中から、アナール派の歴史学、ブルデューの社会学、構造主義の哲学などとの格闘の中で、「レギュラシオン」経済学は誕生した。 21世紀を読み解く「新しい経済理論――レギュラシオン」とは,いかなるものか? 「レギュラシオン派」の旗手による最高かつ最後の教科書である。



    目次


    日本の読者へ――レギュラシオン理論 変わりゆく世界を見定める羅針盤
    序 説

    第Ⅰ部 基礎編
     第1章 資本主義経済の基礎――制度諸形態
     第2章 資本主義の鉄の法則から調整様式の継起へ
     第3章 蓄積体制と歴史的動態
     第4章 危機の理論

    第Ⅱ部 展開編
     第5章 行為,組織,制度それぞれのロジック
     第6章 現代資本主義の新たな制度的配置
     第7章 政治的なものと経済的なもの――現代世界の政治経済学
     第8章 資本主義形態の多様性と刷新
     第9章 調整の諸水準――国民的,地域的,超国家的,世界的
     第10章 ひとつのレギュラシオンから別のレギュラシオンへ

    結 論――資本主義の歴史のなかでこの新たな転換を分析し理解する
    年 表――レギュラシオン理論の起源と諸段階(1976-2015)

    参考文献/図表一覧/訳者あとがき/索引


    関連情報

      栄光の三〇年といわれる戦後期に成立していた成長体制は一九七〇年代以降、なぜ急に機能しなくなったのだろうか。金融イノベーションが、当初は成長を加速させたものの、その後、一九二九年恐慌以来もっとも深刻な経済危機に至りついてしまったことは、どのように説明できるのだろうか。ヨーロッパを統一すると考えられていたユーロは、逆に、南北が分裂するにつれてヨーロッパを分割してはいないだろうか。ワシントン・コンセンサスの支持者たちはなぜ、一九九〇年代末以降に中国が重大な危機に突入すると予測するという過ちを犯したのだろうか。  現代の経済理論の多くは、市場経済が直面する諸問題に専念している。すなわち、シカゴ学派がミルトン・フリードマンにならって行っているように、市場経済はかけがえのない美徳として賛美されたり、あるいはまた、ニューケインジアンの教訓にしたがって、市場経済の欠陥が是正されたりしている。これら二つの研究プログラムは、ある共通の基礎をもっている。つまり市場は、形式的に平等な行為主体間の経済的調整を行う標準的な形態だというものである。確かに、ケインズの伝統に見られるように、国家が市場の限界を和らげることはできるが、国家の介入は、理想的な完全競争市場から比べると次善の策に過ぎないとされる。 (「序説」より)

    【著者紹介】
    ●ロベール・ボワイエ(Robert BOYER)
    1943年生。パリ理工科大学校(エコール・ポリテクニック)卒業。数理経済計画予測研究所(CEPREMAP)および国立科学研究所(CNRS)教授,ならびに社会科学高等研究院(EHESS)研究部長を経て,現在は米州研究所(パリ)エコノミスト。
    著書に『レギュラシオン理論』『入門・レギュラシオン』『第二の大転換』『現代「経済学」批判宣言』『世界恐慌』〈レギュラシオン・コレクション〉『1 危機――資本主義』『2 転換――社会主義』『3 ラポール・サラリアール』『4 国際レジームの再編』(共編著)『資本主義vs資本主義』『ニュー・エコノミーの研究』『金融資本主義の崩壊』『ユーロ危機』『作られた不平等』(以上いずれも藤原書店)『レギュラシオン』(ミネルヴァ書房)などがある。

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