新型コロナ「正しく恐れる」

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  • 西村秀一 著
  • 井上亮 編
  • A5並製 224頁
    ISBN-13: 9784865782844
    刊行日: 2020/10

〝過剰〟〝的外れ〟な対策を見きわめ、「人間らしい生活」を取り戻すために呼吸器系ウイルス感染症の第一人者が提言!

フェイスガード、マウスガード着用、バイキング料理中止、トング使用中止、手袋着用、屋外でのマスク、テーブル・椅子のアルコール消毒、 飲食店でのパーティション……
新型コロナウイルス感染症の世界的流行が、いまだ沈静化しないなかで、日本の生活に定着したかに見える「対策」は、本当に有効なのでしょうか? 新型インフルエンザ、SARSなど呼吸器系ウイルス感染症の現場を経験してきた第一人者が検証します。
◎「接触感染」・「飛沫感染」に偏った現在の感染対策(過度の物品消毒・フェイスガード・仕切り板など)を見直し、世界のウイルス学者が指摘する「空気感染」というルートを重視すれば、「おかしなコロナ対策」が見えてきます。
◎「生きている」ウイルスの「動き」と「量」で語ることで、「恐れ過ぎ」を避けつつ、冬に向けた「真のリスク」への正しい対処法を理解しましょう。


目次

まえがき(井上亮)

●第1章 「空気感染」を直視せよ――ウイルス学からの提言
アメリカの世界最大の感染症対策機関(CDC)から/日本の国立感染研へ/アウトブレイクの現場とラボ/二〇〇三年のSARSで台湾へ/武漢封鎖を中国政府に決断させた/英雄・鍾南山(中華医学会会長)/ないものねだりのPCR検査推進論/理に適った検査とは?/クルーズ船で確信した空気感染/人が落下飛沫を吸い込むには、/掃除機並みの吸引力が必要/接触感染の呪縛から解放を/感染の広がりは病原体の量に依存する/上気道での増殖が多いと感染力が強い/「ファクターX」を興味本位で言うのは無意味/リスク評価をして基準を定めよ/乾燥する冬に死亡率は高くなる/正しい情報で現実的な対策を考える/理屈にあったウイルス不活化「うがい」

●第2章 「正しく恐れる」ために――「ゼロリスク」を見直す
常識から逸脱した「安全率」の弊害/立ち止まってみる理性が大切/馬鹿げている遺体の密封――罪つくりなガイドライン/非難されないためのアリバイ的行為/量的概念を欠いた「可能性」の説明/PCR検査の抑制が医療崩壊を防いだ/海外と単純に比較はできない/ツケを次世代に回すことへの無自覚/夏は重症化率が落ちる/フェイスシールドで空気感染を防げない/憂慮すべきは院内感染/ワクチン接種はそう簡単な話ではない/ゼロリスクは大人になり切れない発想/メディアはもっと勉強してほしい

●第3章 専門家の役割とは――メディアで、政策決定の場で
本物の専門家はどこに?/メディアが語らせたいストーリー/断定的な語りを疑え/ウイルスを知らない〝専門家〟/健全なる懐疑が必要/「可能性」の確率を語れ!/一人の専門家に頼る危うさ/医学、公衆衛生以外の知見も入れよ/意思決定者は恨まれる覚悟が必要/対立軸を提示しないメディア/選択肢がたくさんあるのが、豊かな社会/コロナがあらわにした社会観、人間観

●第4章 感染症の歴史に何を学ぶか
忘れ去られたことが教訓/ロックダウンは効果があるか?/ウイルスは消えず、くすぶり続ける/恐れ過ぎがもたらす犠牲/人間を殺さない方向へ変異する/立ち止まれるメカニズムを用意せよ/確率と選択肢を提示せよ/事前説明すべきワクチンの副作用/懸念されるワクチンの南北問題/反面教師となる記録を残せ/百年前とさほど変わらない人間の反応

●第5章 パンデミックと生きるために――医療を守り、生活を取り戻す
「空気感染」を認めない対策には大穴がある/行き過ぎたPCR検査は、社会の分断を招く/救いは重症化率がさほど高くないこと/「封じ込めは不可能」を前提に/冬に備えて――地域医療を守れ/マスク類に関する誤った考え方/PCRの結果の解釈と定量的な見方の必要性/社会の心のダメージを癒す/流行は何年も続く/人間らしい生活を取り戻そう

あとがき(西村秀一)
〈附〉これは変だぞ、コロナ対策

著者紹介

●西村秀一(にしむら・ひでかず)
1955年山形生まれ。国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長。専門は呼吸器系ウイルス感染症、とくにインフルエンザ。
1984年山形大学医学部医学科卒業。医学博士。山形大学医学部細菌学教室助手を経て、1994年4月から米国National Research Councilのフェローとして、米国ジョージア州アトランタにあるCenters for Disease Control and Prevention(CDC)のインフルエンザ部門で研究に従事。1996年12月に帰国後、国立感染症研究所ウイルス一部主任研究官を経て、2000年4月より現職。
訳書に、A・W・クロスビー『史上最悪のインフルエンザ――忘れられたパンデミック〈新装版〉』(みすず書房)、R・E・ニュースタット、H・V・ファインバーグ『豚インフルエンザ事件と政策決断――1976起きなかった大流行』(時事通信出版局)、D・ゲッツ『感染爆発――見えざる敵=ウイルスに挑む〈改訂版〉』(金の星社)。また、内務省衛生局編『流行性感冒――「スペイン風邪」大流行の記録』(平凡社東洋文庫)の解説を務める。

【編者】
●井上 亮(いのうえ・まこと)
1961年大阪生まれ。日本経済新聞編集委員。1986年日本経済新聞社入社。元宮内庁長官の「富田メモ」報道で2006年度新聞協会賞を受賞。
著書に『非常時とジャーナリズム』(日本経済新聞出版社)、『焦土からの再生――戦災復興はいかに成し得たか』『天皇と葬儀――日本人の死生観』(共に新潮社)、『昭和天皇は何と戦っていたのか――『実録』で読む87年の生涯』(小学館)、『象徴天皇の旅――平成に築かれた国民との絆』(平凡社新書)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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