風土自治――内発的まちづくりとは何か

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  • 中村良夫 著
  • 四六上製 448頁
    ISBN-13: 9784865783094
    刊行日: 2021/4

「アソビごころ」がまちをつくる!

「風景学」の提唱者にして第一人者が、数々の現場経験から練り上げた、「まちづくり」の原論であり、実践への導きの書。政治的公共性に支えられた西欧都市の自治に対し、「風土」と不可分の民衆文化に育まれたのが日本型の自治と指摘。和辻風土学を参照しつつ、風土から生まれ、風土を受け継ぐ都市論を提唱する。


目次

 はしがき――日本の「まちづくり」を受胎する「風土自治」
第Ⅰ部 西欧の「普遍自治」と日本の「風土自治」
 第1章 西欧普遍自治の軌跡
 第2章 日本風土自治の系譜
 第3章 都市空間の詩魂――郷土の面影を求めて
 第4章 交響する東西文明圏――両棲文明の希望
 第5章 文明の流儀――普遍への飛翔か、風土の戯れか
第Ⅱ部 風土の時空――その情理と方法
 第6章 風土という母胎
 第7章 風土の詩学
 第8章 風土公共圏――アソビと戯れのニハ
 第9章 生きてゆく風土公共圏――風土生成の方法
 あとがき――二つの先端
 事項索引/主要地名索引/主要人名索引

「はしがき」より

日本には市民自治の伝統が浅い、広場もなかったという常識、これは本当でしょうか。「まちづくり」の現場からこの問題を考え始めたのが本書のきっかけであり、また本書の主題です。
「風土自治」とはなにか? それは、風土を引き継ぎ育ててきた民衆の半ば無意識の公共思想です。
土俗的な臭気を賤視し、高貴な「普遍自治」を目指す西欧文明の反風土的な系譜にたいし、日出ずる列島の原人たちは、基層文化の土俗臭を手放さず、それを文化の面で洗練させる道を選びました。
階級を超えた各種の講や連、芝居小屋、芸能の家元制、町内自治、料亭の食文化・文芸サロン、裏長屋の近隣共同体、そして寺社の年中行事や祭祀的行事、盛り場という群衆の渦まで、さらに農山漁村の神社を中心に結ばれた共同の労働習慣を意味するもやい、結などなど。この文化生成の「場」の結縁を「風土自治」と呼びましょう。

【著者紹介】
●中村良夫(なかむら・よしお)
東京工業大学名誉教授、元京都大学教授。工学博士。
1938年、東京生まれ。東京大学工学部卒業後、日本道路公団技師として実務に携わり、景観の工学的研究の必要を痛感して大学へ戻る。東京大学(土木工学)、東京工業大学(社会工学)、京都大学(土木システム工学)にて、景観工学の研究と教育に従事するかたわら、市民学としての風景学を提唱。パリ大学社会科学高等研究院招聘教授(1985)。この間、広島の太田川堤防、多摩ニュータウン上谷戸橋、羽田スカイアーチ、広島西大橋、古河総合公園などの計画と設計に景観工学の理念と手法を導入。
編著書に『風景学入門』(中公新書、1982年。サントリー学芸賞、土木学会著作賞)、『研ぎすませ風景感覚1・2』(編著、技報堂出版、1999年)、『風景学・実践篇』(中公新書、2001年)、『風景を創る』(NHKライブラリー、2003年)、『湿地転生の記』(岩波書店、2007年)、『風景からの町づくり』(NHK出版、2008年)、『都市をつくる風景』(藤原書店、2010年)、『都市を編集する川』(渓水社、2019年)など。
長年にわたって監修設計した古河総合公園が「文化景観の保護と管理に関するメリナ・メルクーリ国際賞」(ユネスコ、ギリシャ主催)を受賞(2003年)。
ハーバード大学・ダンバートン・オークス研究資料館現代景観デザインコレクション収蔵(古河総合公園、太田川環境護岸)。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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