テレビ・ドキュメンタリーの真髄――制作者16人の証言

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  • 小黒純 西村秀樹 辻一郎 編著
  • A5上製 552頁
    ISBN-13: 9784865783148
    刊行日: 2021/6

人生を賭け、命を削って、番組を制作した者たち。精鋭16人の証言!

「人間」「時代」「地域」の真実を視聴者に届ける優れたテレビ・ドキュメンタリーは、いかにして生み出されているのか? 自らもメディアの現場に携わってきた編者陣が、民放・NHKの熟練の制作者たちに深く斬り込む、必読のオーラル・ヒストリー。


目次

 はじめに――「自分自身の問題」だと問われて 小黒 純

Ⅰ 国策に抗う
 1 福島原発「放射能汚染地図」への道のり 七沢 潔(NHK)
 2 南太平洋の被ばくから「X年後」 伊東英朗(南海放送)
 3 沖縄は植民地か 三上智恵(琉球朝日放送)
Ⅱ 司法を疑う
 4 冤罪の構造をただす 里見 繁(毎日放送)
 5 司法の光と影 阿武野勝彦(東海テレビ)
 6 草の根民主主義とは 曽根英二(山陽放送)
Ⅲ 繁栄の夜陰に
 7 夕張炭鉱 栄華の代償 後藤篤志(北海道放送)
 8 水俣病と差別偏見 村上雅通(熊本放送)
Ⅳ メディアは諸刃の剣
 9 国家権力とメディア 土江真樹子(琉球朝日放送)
 10 民放経営者はこう考える 原 憲一(山陽放送)
Ⅴ 日常を見つめて
 11 北の大地から 溝口博史(北海道放送)
 12 地域にとことん密着して 中崎清栄+辻本昌平(テレビ金沢)
Ⅵ 戦争を記憶する
 13 加害と被害のはざまで 佐々木聰(山口放送)
 14 一枚の写真が語る 岸本達也(静岡放送)
 15 戦争の本質を探る 右田千代(NHK)

 インタビューを終えて 辻 一郎
 おわりに 小黒 純
 主要参考文献一覧/事項索引/「テレビ・ドキュメンタリー作品」索引

*語り手の氏名に添えた( )内は、語り手が制作したドキュメンタリー番組を放送した局名

関連情報

ドキュメンタリー作品は、時に、見る者の心の琴線に触れる。事実の積み重ねが、心の底にある真情を揺さぶる。実社会を捉えた映像と音声のインパクトは大きい。作品が記憶に刻み込まれ、意識が変わる。一歩踏み出し、何らかの行動を起こすようになるかもしれない。共感が広がれば、いつかきっと、社会が少しは変わるかもしれない。社会派ドキュメンタリーは、人と社会を変える可能性を秘めている。
テレビの社会派ドキュメンタリーはどのように作られているのか。制作者たちは、いかにテーマを見つけ、深めていくのか。制作の過程でどのような困難にぶつかり、どう乗り越えたのか。なぜ、問題を世に問うことにしたのか。こうした関心から、第一線で活躍してきた国内テレビ局の制作者たちに、詳細な聞き取り調査を行い、語りそのものを重視したオーラル・ヒストリーの形にまとめた。それが本書である。(「はじめに」より)

【編者紹介】
●小黒 純(おぐろ・じゅん)
広島市生まれ。上智大学法学部卒業後、三井物産で営業職、毎日新聞で記者職。1992年、上智大学と米オハイオ州立大学の両大学院で修士号。帰国後、共同通信で脳死臓器移植や外務省機密費問題などの調査報道に携わる。2004年から龍谷大学、2012年から同志社大学でジャーナリズムの教育・研究に従事。2018年、ライアソン大学(カナダ・トロント)客員研究員。日本マス・コミュニケーション学会で理事を務めた他、日本オーラル・ヒストリー学会、日本教育工学会などに所属。
主な著作に『検証 病める外務省――不正と隠蔽の構造』(岩波書店、2002年)、『凍れる心臓』(共著、共同通信社、1998年)、『超入門ジャーナリズム――101の扉』(共著、晃洋書房、2010年)など。
調査報道サイト「ウオッチドッグ」で地域ジャーナリズムを実践。特定非営利活動法人「情報公開クリアリングハウス」理事。2021年から独立系メディア「InFact」代表理事。

●西村秀樹(にしむら・ひでき)
1951年、名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1975年、毎日放送入社。主に、報道局でニュースや番組を制作、編成局勤務。元近畿大学人権問題研究所教員、元同志社大学・立命館大学嘱託講師、元日本ペンクラブ理事。
主な番組に『遥かなり・厳冬のエレベスト――植村直己 壮絶の58日』(1981年)、『JNN報道特集 妻たちの7年間――第十八富士山丸事件』(1990年)など。
主な著作に『北朝鮮抑留――第十八富士山丸事件の真相』(岩波現代文庫、2004年)、『大阪で闘った朝鮮戦争』(岩波書店、2004年)、『朝鮮戦争に「参戦」した日本』(三一書房、2019年。韓国で翻訳、2020年)など。

●辻 一郎(つじ・いちろう)
1933年1月、奈良県生まれ。京都大学法学部卒業後、1955年、新日本放送(現・毎日放送)入社。主として報道畑を歩き、取材活動にあたる一方、番組制作にも携わる。テレビ番組『若い広場』『70年への対話』で日本民間放送連盟賞、『対話1972』『20世紀の映像』でギャラクシー賞などを受賞。毎日放送取締役報道局長などを経て退職後、大手前大学教授、日本マス・コミュニケーション学会理事、「地方の時代」映像祭審査委員長などを歴任。
主な著作に『忘れえぬ人々――放送記者40年のノートから』(1998年)、『父の酒』(2001年)、『私だけの放送史――民放の黎明期を駆ける』(2008年、以上清流出版)、『メディアの青春――懐かしい人々』(大阪公立大学共同出版会、2018年)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです


《訂正表》
本書初刷に誤記がございました。
下記のURLから訂正表の御確認をお願いいたします。
読者、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。 藤原書店編集部

訂正表(PDF。2021年8月17日現在)

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