グリーンランド――人文社会科学から照らす極北の島

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  • 高橋美野梨 編
  • 〈執筆〉井上光子、小澤実、ウルリック・プラム・ガド、須藤孝也、高橋美野梨、中丸禎子、本多俊和(スチュアート ヘンリ) 、イーリャ・ムスリン、ソアン・ルド
  • 四六上製 408頁
    ISBN-13: 9784865783957
    刊行日: 2023/8

「東と西」、「自然と人間」の混淆する極北の島を多角的に描いた、初の論集!

北緯59度から83度、大部分が北極圏に位置し、面積は日本の約6倍、エスキモーとスカンディナヴィアの人たちとの合流の地であるグリーンランドは、同じ遺伝子ルーツを持つアラスカ、カナダのエスキモーに比して、西(エスキモー)と東(非エスキモー)の世界観とが釣り合いを保ちながら混淆していると評される。
人類学、政治学、歴史学、宗教学、文学など人文社会科学の知見を持ち寄って、その混淆の輪郭をたどり、この世界最大の島における人間の営みを多角的に描き出す、日本で初めての論集。

■本書を推す
グリーンランドの友人たちと顔をつきあわせてもわからなかった、彼らの深層にやどる歴史と文化。それをはじめて理解できた。――角幡唯介(極地旅行家・作家)


目次

序 章 なぜグリーンランドを論じるのか 高橋美野梨
第1章 節合×分節 エスキモー社会をめぐるまなざし 高橋美野梨
第2章 イヌイット×ノース人 中世における異文化接触とレジリエンス 小澤実
第3章 貿易×交接 グリーンランド貿易の成立とイヌイット社会 井上光子
第4章 魂×神 キリスト教宣教と伝統の改変 須藤孝也
第5章 時間×空間 文化へのタイム・トラベル ソアン・ルド(高橋美野梨訳)
第6章 民族誌×植民地主義 「穏健な支配」と儀礼の衰退 本多俊和(スチュアート ヘンリ)
第7章 国家×共同体 デンマーク国家のゆくえ ウルリック・プラム・ガド(高橋美野梨訳)
第8章 セドナ×人魚姫 先住民表象の解体と人魚文学研究 中丸禎子
終 章 これまでとこれからのグリーンランド 高橋美野梨+イーリャ・ムスリン
あとがき 高橋美野梨
関連年表(紀元前3000頃―2023年)/主要人名・組織名索引/地名索引


関連情報

グリーンランドは、今からおよそ5000年前に、極東ロシア・チュコトカ半島を出発し、東へと歩みを始めたエスキモーの終着地だった。同時に、北ヨーロッパからグリーンランドへと新たな地平を求めた10世紀のノース人および18世紀の宣教師団(デンマーク=ノルウェー同君連合の出身者)の目的地でもあった。
エスキモーとノース人の合流によって育まれた農耕、牧畜、海生哺乳類の狩猟を基盤とする文化的景観――人間と自然環境との交流によって育まれた景観――、本書は、この〈合流〉の輪郭を、通時的且つ分野横断的に跡付けることを目指して編まれている。(序章より)


編者紹介

●高橋美野梨(たかはし・みのり)
1982年山梨県生まれ。北海学園大学准教授。専門は国際関係学,デンマーク・グリーンランドを中心とした北極政治。2012年筑波大学大学院人文社会科学研究科一貫制博士課程修了。博士(国際政治経済学)。
著書に『自己決定権をめぐる政治学――デンマーク領グリーンランドにおける「対外的自治」』(明石書店,2013,第4回地域研究コンソーシアム賞登竜賞),『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章』(共編著,明石書店,2016),The Influence of Sub-state Actors on National Security: Using Military Bases to Forge Autonomy. (Ed. Springer. 2019), Exploring Base Politics: How Host Countries Shape the Network of U.S. Overseas Bases. (Eds. Routledge.2021)など。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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