〔社会思想史学会年報〕社会思想史研究 No.47 [特集]多文化共生の条件

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  • 社会思想史学会 編
  • A5並製 288頁
    ISBN-13: 9784865783964
    刊行日: 2023/09

〈特集〉多文化共生の条件

今、再審に付されつつある「多文化共生の条件」とは何か?
多文化主義政策を国の方針とし、これを推進する動きが進み、規範理論の領域においても、多文化的なシチズンシップの理念が旋風を巻き起こしたが、その後、異なる宗教観の共存の難しさを突きつける事件が相次ぎ、一部の国では移民排斥を露骨に唱える政治家や政党が台頭するなど、多文化主義の理念と実践に攻撃が加えられる現実もある。
有望視されてきたEUへの懐疑も表明され、国民国家、あるいは広くナショナルなもののもつ意味が再び問われている。ウクライナ戦争もまたナショナリズムの問題を問うことなくしては十分理解できまい。多文化の共存をどのように実現すべきかを考えることは、まさに喫緊の課題である。


目次

〈特集〉多文化共生の条件
 〈論文〉リベラルな多文化主義に未来はあるのか 【脱出の夢の果てに】 飯田文雄
 〈論文〉寛容の義務から、良心の自由の平等な保障へ 【ロック、ウィリアムズ、マディソン】 下川潔
 〈論文〉近代中国におけるナショナリズムとリベラリズム 小野寺史郎
 〈論文〉西洋の内と外の〈モデル〉としての「多文化主義」 鵜飼哲

〈公募論文〉
 新カント派受容に関する一考察 【個別的因果律をめぐる交錯と展開】 渡辺恭彦
 財団法人二十世紀研究所の事業と思想 【終戦直後における知識人活動の一事例】 庄司武史
 ウェーバーとベルクソンの交錯 【アルフレート・シュッツの自由論】 橋爪大輝
 マルクスにおける所有と自由 秋元由裕
 「オーストリアはとこしえに存立す」 【ハンス・コーンの思想的転回と連続性を巡って】 小島望
 社会構造の変化とカテゴリー 【十九世紀フランスの社会改良思想と労働運動における失業カテゴリー】 西田尚輝

〈書評〉
 『プルードン――反「絶対」の探求』(金山準著) 田中ひかる
 『社会をつくった経済学者たち――スウェーデン・モデルの構想から展開へ』(藤田菜々子著) 橋本努
 『「民」を重んじた思想家 神田孝平――異色の官僚が構想した、もう一つの明治日本』(南森茂太著) 森岡邦泰
 『アーレントの哲学――複数的な人間的生』(橋爪大輝著) 百木漠
 『受肉と交わり――チャールズ・テイラーの宗教論』(坪光生雄著) 高田宏史
 『ホッブズ リヴァイアサン』(梅田百合香著) 岡田拓也
 『元職員による徹底検証 相模原障害者殺傷事件――裁判の記録・被告との対話・関係者の証言』(西角純志著) 細見和之
 『人権の哲学――基底的価値の探究と現代世界』(木山幸輔著) 児島博紀
 『ジョン・ロールズ――社会正義の探究者』(齋藤純一・田中将人著) 松元雅和
 『野蛮と宗教Ⅰ――エドワード・ギボンの啓蒙』 『野蛮と宗教Ⅱ――市民的統治の物語』(J・G・A・ポーコック著、田中秀夫訳) 犬塚元
 『産業の新世界』(シャルル・フーリエ著、福島知己訳) 篠原洋治
 『名誉の起源 他三篇』(バーナード・マンデヴィル著、壽里竜訳) 米田昇平
 『フランス革命史――自由か死か』(ピーター・マクフィー著、永見瑞木・安藤裕介訳) 武田千夏
 Hannah Arendt and Isaiah Berlin: Freedom, Politics and Humanity (Kei Hiruta 著) 森川輝一

  第12回(2022年度)社会思想史学会研究奨励賞の公示
  2022年会員新著一覧(50音順)
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  公募論文投稿規程/公募論文審査規程/執筆要領/社会思想史学会研究奨励賞規程
  編集後記

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