- 方波見康雄 著
- 四六上製 448頁・口絵4頁
ISBN-13: 9784865784008
刊行日: 2024/1
医療とは、
病を患う人の
いのちの声を聴くことである。
◎「一介の町医者」として97年。
◎北海道奈井江の父の医院を継ぎ、そこに生きる人々を現場で見つめてきた、地域医療百年。
◎入院した時、その病院の医師に協働し、地元のかかりつけ医の診療を受けられる「開放型共同利用」を提唱・実現した医師。
目次
序章 医療の揺りかごに育まれて
第1章 「一介の町医者」として97年
父のかばん/少年と馬/海の記憶/「一介の町医者」
第2章 音と医療
小さな音/血圧にも表情がある/唾に情けあり/心音に宿る「小宇宙」
第3章 医療は科学
天地有情/音への手紙/ふるさとの一粒のコメ
第4章 生死をつなぐ
無垢の青空/残る桜も/やわらかなこころ/沈黙と想像力
〈講演〉涙/他者性/つながりの記憶
終章 医療とは何か――音と他者性をめぐって
あとがき/年譜(1926~)
第1章 「一介の町医者」として97年
父のかばん/少年と馬/海の記憶/「一介の町医者」
第2章 音と医療
小さな音/血圧にも表情がある/唾に情けあり/心音に宿る「小宇宙」
第3章 医療は科学
天地有情/音への手紙/ふるさとの一粒のコメ
第4章 生死をつなぐ
無垢の青空/残る桜も/やわらかなこころ/沈黙と想像力
〈講演〉涙/他者性/つながりの記憶
終章 医療とは何か――音と他者性をめぐって
あとがき/年譜(1926~)
関連情報
内科臨床医65年余の人生はいわば、病を患う人のいのちの声、そして音に導かれて来たようなものです。ここでいういのちの音とは、心音や呼吸音、血流の音、エコー検査の超音波という音、シナプスと呼ばれる神経細胞などの化学的な情報伝達や、細胞の微小な環境の間の分子レベルの情報交換のときの音などを含みます。
想像力で耳を澄ませば、私たちのからだの内部では、こうした多様な音の風景が展開して、協奏曲や交響詩が奏でられているのです。そして病気とは、生体内のこうした音の乱れが、やがては患者さんの訴えや症状や表情の変化、あるいは不安そうな声の乱れとして表面化してくるものなのです。
(「終章」より)
想像力で耳を澄ませば、私たちのからだの内部では、こうした多様な音の風景が展開して、協奏曲や交響詩が奏でられているのです。そして病気とは、生体内のこうした音の乱れが、やがては患者さんの訴えや症状や表情の変化、あるいは不安そうな声の乱れとして表面化してくるものなのです。
(「終章」より)
著者紹介
●方波見康雄(かたばみ・やすお)
1926年北海道生まれ。方波見医院医師。専門は内科学、老年医学。45年北海道帝国大学予科医類入学、52年北海道大学医学部卒業。北海道大学医学部でがん免疫の研究、一般内科学・呼吸器内科学を研究後、59年、奈井江町で父の医院を継承。
北海道医師会常任理事、日本医師会医事法検討委員会委員、旧日本プライマリ・ケア学会生命倫理委員会委員長、北海道大学医学部非常勤講師、北海道医療大学客員教授、藤女子大学教授(臨床栄養学・生命倫理・死生論)、日本死の臨床研究会第14回年次大会大会長(1990年、札幌)等を歴任。現在はNPO法人「和・ハーモニー音楽療法研究会」名誉顧問。
主な著書に『生老病死を支える――地域ケアの新しい試み』(岩波新書、2006年)、『いのちのメッセージ――「まちのお医者さん」が見つめる生老病死』(北海道新聞社、2010年)。
主な受賞は北海道医師会賞・北海道知事賞(1990年)、北海道大学医学部・大学院医学研究科特別賞(2011年)、北海道新聞社文化賞(2017年)、後藤新平賞(2021年)、北海道文化財団「アート選奨K基金賞」(2023年)。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです
1926年北海道生まれ。方波見医院医師。専門は内科学、老年医学。45年北海道帝国大学予科医類入学、52年北海道大学医学部卒業。北海道大学医学部でがん免疫の研究、一般内科学・呼吸器内科学を研究後、59年、奈井江町で父の医院を継承。
北海道医師会常任理事、日本医師会医事法検討委員会委員、旧日本プライマリ・ケア学会生命倫理委員会委員長、北海道大学医学部非常勤講師、北海道医療大学客員教授、藤女子大学教授(臨床栄養学・生命倫理・死生論)、日本死の臨床研究会第14回年次大会大会長(1990年、札幌)等を歴任。現在はNPO法人「和・ハーモニー音楽療法研究会」名誉顧問。
主な著書に『生老病死を支える――地域ケアの新しい試み』(岩波新書、2006年)、『いのちのメッセージ――「まちのお医者さん」が見つめる生老病死』(北海道新聞社、2010年)。
主な受賞は北海道医師会賞・北海道知事賞(1990年)、北海道大学医学部・大学院医学研究科特別賞(2011年)、北海道新聞社文化賞(2017年)、後藤新平賞(2021年)、北海道文化財団「アート選奨K基金賞」(2023年)。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです