在日朝鮮人・外国人と生きる私を求めて

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  • 木川恭 著
  • 木川恭遺稿集出版委員会 編
  • A5並製 384頁
    ISBN-13: 9784865784428
    刊行日: 2024/11

“日本”を問いながら、差別に苦しむ生徒たちとともに歩んだ教師がいた

◎差別の中に身をおかざるを得ない在日朝鮮人、中国人、外国出身者、被差別部落、「障がい」を持つ生徒たちに一身を捧げた、南葛飾高校定時制教師、木川恭(1947-2019)。
◎南葛における、哲学者・林竹二や演出家・竹内敏晴を招いての学校改革、「朝鮮語」必修、「演劇」正規教科等の取組みに参加。安重根・尹東柱などをテーマに自ら演劇台本を書いた。
◎生徒や同僚とともに考え、議論を重ね、実践し、差別是正の活動にも尽力を惜しまなかった“木川先生”は、画一的な上からの教育では得られない「生の実感」「生への意欲」をあらゆる生徒たちに残した。


目次

Ⅰ 共に生きる私を求めて――実践のなかで
1 朝鮮人と共に生きる私を求め続けて
2 朝鮮人生徒と共に歩くということ――朴正雄のこと
3 純愛の自立への道程は遠けれど
4 ひとりの朝鮮人生徒の変容にたちあって――たった一人で本名を名のる朴俊映の翻身
5 「凍れるいのち――国家に棄てられた生命の再生を求めて」を試みて
6 傷心の深さは私たちの想像を超えて
7 演劇「チョソンマル、わがいのち」に取り組んで
8 「一朝鮮人」として生き抜いていきたい――民族名を名のり在日を生きることの難しさ
9 「障害」を持った生徒に教師自身が変容を迫られて
10 鄭萬模母子記――嗚呼、マンモも逝ってしまった
11 韓国にルーツをもつ子ども達と関わって――南葛と大久保の子ども達

Ⅱ 自作シナリオ集
創氏改名
凍れるいのち――国家に棄てられた生命の再生を求めて
チョソンマル、わがいのち
海峡をつなぐ――安重根と千葉十七
GID

〈南葛定卒業式不起立一円裁判〉
数多の人に支えられての教育を問う独歩行

関連情報

初対面のこの時、私は、希望者は全員入学させ、退学処分はしないという南葛の教育方針の意味とか、本名で頑張っている朝鮮人生徒のことや朝文研活動の意義などについて話し、来年はぜひ本名できてほしいし、また朝鮮奨学会の奨学生になって全国の同胞とつながってほしいと、強い希望をのべた。

「帰化したからといって〈朝鮮〉から逃げられるものではないし、お前はいままで李で生きてきて、いろいろな口惜しい思いをしてきたはずだ。とすればやはり、これからも朝鮮人としての生き方を選び自立していくしかないと思う。そのためには、酷薄なこの日本の社会を、在日朝鮮人としてしたたかに生きぬいてきたであろうオモニに繋がらなくてはだめだ。それがお前の課題ではないのか」
(本文より)

著者紹介

●木川 恭(きかわ・きょう)
1947-2019。千葉県市川市出身。東京学芸大学卒。1972年より都立南葛飾高校社会科、人権科担当教師を務めた。在日や外国出身の生徒たちと深く関わり、同和教育、「障がい」児・者教育にも関わり続ける。南葛における、林竹二、竹内敏晴を招いての授業改革・学校改革、「朝鮮語」必修、「演劇」正規教科などの取り組みに参加。自らシナリオを書き、演出を手がけ実践した。定年退職後は大久保の学習塾「チャプチョ(雑草)教室」に関わる。
〈共著〉
「長谷川伸と南葛の生徒たち」 『生徒の心にとどく授業 生きること 学ぶこと5』関東授業を考える会編 国土社 1985年
「朝鮮人と共に生きる私を求め続けて」 『授業による救い』林竹二編 径書房 1993年

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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