- 平野泰朗 著
- 四六変上製 168頁
ISBN-13: 9784865784565
刊行日: 2025/4
プラットフォームを「公共」化することは可能か?
プラットフォーム・ビジネスが社会の隅々に浸透した今、情報の「囲い込み」をいかにして「公共」性に転化できるか。
情報の国家管理と資本主義の形成史の観点から、西欧型・中国型の類型化を試み、プラットフォームの公共化への展望を探る。
目次
はじめに
第1章 プラットフォーム・ビジネスとは何か――その基本的特質
一 レイヤー構造と複数市場
二 情報の収集と分析
三 所定のルールによるマッチング
四 生産財・公共財のプラットフォーム
五 「連結の経済」と需要主導の「規模の経済」
第2章 プラットフォーム資本主義を構成する競争、信用、労働の制度諸形態
一 競争形態――寡占化と新規参入
二 貨幣・信用形態――資金調達とフィンテック
三 労働形態――三種類の新しい労働
第3章 プラットフォーム資本主義の二類型――米国型と中国型
一 情報処理規制の諸類型
二 監視体制と市民社会・国家――「法の支配」の役割
第4章 西欧型資本主義とその歴史
一 資本主義をいかに定義するか
二 商業資本主義――遠隔地貿易から重商主義国家へ
三 産業資本主義――供給主導の規模の経済
四 情報資本主義――需要主導の新エコシステム
第5章 中国社会と資本主義形成
一 中国の商業資本主義
二 中国の産業資本主義
三 情報資本主義の追加
第6章 情報資本主義と新たな公共性の創出
一 情報管理の前提条件――グローバル化とデジタル化の同時進行
二 データベースの作成と管理
三 公共的プラットフォームと個人情報の管理
四 政府が促進する公共的プラットフォーム形成
結び
あとがき
参考文献
第1章 プラットフォーム・ビジネスとは何か――その基本的特質
一 レイヤー構造と複数市場
二 情報の収集と分析
三 所定のルールによるマッチング
四 生産財・公共財のプラットフォーム
五 「連結の経済」と需要主導の「規模の経済」
第2章 プラットフォーム資本主義を構成する競争、信用、労働の制度諸形態
一 競争形態――寡占化と新規参入
二 貨幣・信用形態――資金調達とフィンテック
三 労働形態――三種類の新しい労働
第3章 プラットフォーム資本主義の二類型――米国型と中国型
一 情報処理規制の諸類型
二 監視体制と市民社会・国家――「法の支配」の役割
第4章 西欧型資本主義とその歴史
一 資本主義をいかに定義するか
二 商業資本主義――遠隔地貿易から重商主義国家へ
三 産業資本主義――供給主導の規模の経済
四 情報資本主義――需要主導の新エコシステム
第5章 中国社会と資本主義形成
一 中国の商業資本主義
二 中国の産業資本主義
三 情報資本主義の追加
第6章 情報資本主義と新たな公共性の創出
一 情報管理の前提条件――グローバル化とデジタル化の同時進行
二 データベースの作成と管理
三 公共的プラットフォームと個人情報の管理
四 政府が促進する公共的プラットフォーム形成
結び
あとがき
参考文献
関連情報
様々なプラットフォームが利用されるにつれ、それに必要な有形無形の設備やシステムを提供する企業の存在も大きくなる。こうしたプラットフォーム・ビジネスが経済的支配力を増した経済を、さしあたりプラットフォーム資本主義とよぼう。米国型(超国籍的プラットフォーム資本主義)と中国型(国家資本主義)の違いは、国家がプラットフォーマーの情報管理に介入する方式による。そして、この違いがその国特有の監視体制を作り出す。しかし、監視を受ける人々の反応も同じではない。例えば、中国における監視カメラの作動は、必ずしも忌み嫌われているわけではない。誘拐事件が起きれば犯人逮捕を迅速に進められるし、交通違反者への暗黙の圧力ともなるという肯定的評価もなされる。こうした対応は、国家体制によるよりも社会の規範形成の違いによると考えられる。
こうして、現に起こっている変化の分析から思いもよらず、中国と欧米、広くは東洋と西洋との比較にたどり着く。本書では、西洋史と東洋史の対比を行いながらプラットフォーム資本主義二類型の特質を明らかにしていく。と同時に、プラットフォームが公共分野にも形成されうることをも論じていく。 (本書より)
著者紹介
●平野泰朗(ひらの・やすろう)1948年生。1978年名古屋大学大学院経済学研究科博士課程修了。1978-80年、フランス社会科学高等研究院に留学。経済学博士。福岡県立大学名誉教授。専攻は、 労働経済学・社会政策。
著書に『日本的制度と経済成長』(藤原書店、1996年)他。訳書にパスカル・プチ『低成長下のサービス経済』(1991年)、エマニュエル・トッド『経済幻想』(1999年)、『パンデミックは資本主義をどう変えるか――健康・経済・自由』(共訳、2021年、いずれも藤原書店)他。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです




