- 高橋美野梨 編
- 〈執筆〉井上光子/小澤実/ウルリック・プラム・ガド/須藤孝也/高橋美野梨/中丸禎子/本多俊和(スチュアートヘンリ)/イーリャ・ムスリン/ソアン・ルド
- 四六並製 432頁
ISBN-13: 9784865784893
刊行日: 2026/2
トランプが執拗に狙う「グリーンランド」とは?
「東と西」、「自然と人間」の混淆する極北の島を多角的に描いた画期的論集に、デンマーク/グリーンランドの未来を問う特別論考を緊急増補!
◎角幡唯介さん、小泉悠さん、推奨!
北緯59度から83度、大部分が北極圏に位置し、面積は日本の約6倍、エスキモーとスカンディナヴィアの人たちとの合流の地であるグリーンランドは、同じ遺伝子ルーツを持つアラスカ、カナダのエスキモーに比して、西(エスキモー)と東(非エスキモー)の世界観とが釣り合いを保ちながら混淆していると評される。
人類学、政治学、歴史学、宗教学、文学など人文社会科学の知見を持ち寄って、その混淆の輪郭をたどり、この世界最大の島における人間の営みを多角的に描き出す、日本で初めての論集。
トランプの「所有」発言を踏まえ、デンマークと、旧・植民地/現・自治領グリーンランドとの緊張関係、そしてその未来像を問う特別論考を緊急増補!
目次
増補新版への序 高橋美野梨
序章 なぜグリーンランドを論じるのか 高橋美野梨
第1章 節合×分節 エスキモー社会をめぐるまなざし 高橋美野梨
第2章 イヌイット×ノース人 中世における異文化接触とレジリエンス 小澤実
第3章 貿易×交接 グリーンランド貿易の成立とイヌイット社会 井上光子
第4章 魂×神 キリスト教宣教と伝統の改変 須藤孝也
第5章 時間×空間 文化へのタイム・トラベル ソアン・ルド(高橋美野梨訳)
第6章 民族誌×植民地主義 「穏健な支配」と儀礼の衰退 本多俊和(スチュアート ヘンリ)
第7章 国家×共同体 デンマーク国家のゆくえ ウルリック・プラム・ガド(高橋美野梨訳)
第8章 セドナ×人魚姫 先住民表象の解体と人魚文学研究 中丸禎子
終章 これまでとこれからのグリーンランド 高橋美野梨+イーリャ・ムスリン
あとがき 高橋美野梨
補論 トランプが照射したデンマーク国家の輪郭 高橋美野梨
関連年表(紀元前3000頃―2025年)/主要人名・組織名索引/地名索引
序章 なぜグリーンランドを論じるのか 高橋美野梨
第1章 節合×分節 エスキモー社会をめぐるまなざし 高橋美野梨
第2章 イヌイット×ノース人 中世における異文化接触とレジリエンス 小澤実
第3章 貿易×交接 グリーンランド貿易の成立とイヌイット社会 井上光子
第4章 魂×神 キリスト教宣教と伝統の改変 須藤孝也
第5章 時間×空間 文化へのタイム・トラベル ソアン・ルド(高橋美野梨訳)
第6章 民族誌×植民地主義 「穏健な支配」と儀礼の衰退 本多俊和(スチュアート ヘンリ)
第7章 国家×共同体 デンマーク国家のゆくえ ウルリック・プラム・ガド(高橋美野梨訳)
第8章 セドナ×人魚姫 先住民表象の解体と人魚文学研究 中丸禎子
終章 これまでとこれからのグリーンランド 高橋美野梨+イーリャ・ムスリン
あとがき 高橋美野梨
補論 トランプが照射したデンマーク国家の輪郭 高橋美野梨
関連年表(紀元前3000頃―2025年)/主要人名・組織名索引/地名索引
関連情報
◎本書を推す
角幡唯介さん(極地旅行家・作家)
「グリーンランドの友人たちと顔をつきあわせてもわからなかった、彼らの深層にやどる歴史と文化。それをはじめて理解できた。」
小泉悠さん(東京大学准教授・安全保障研究)
「先住民の世界観や文化とその変容、それでも残り続ける独自の精神性などが、歴史的知見とフィールドワークの中から描き出されており、ここに地政学的位置が生む大国間政治まで絡んでくる。」(読売新聞2023/12/10より)
■トランプの振る舞いに対して、「グリーンランドの自決」と、「グリーンランドを含むデンマーク国家の領土保全」とが、ともに法的・道義的正当性を有する原則かつ規範として語られている。
しかし前者について、その主体として想定されているグリーンランド人とは具体的に誰を指しているのかを理解しないままでは、「自決」が理念を超えて具体的な展開を見せることはあり得ない。同様に、デンマーク本国がこれまでグリーンランドに対して講じてきたさまざまな施策をふまえることなく「領土保全」を尊重することは、国内に存在する非対称な権力関係をむしろ固定化することにつながってしまうだろう。
増補新版『グリーンランド』は、そうした現状に照らして、増補原稿を加えつつ、九つのディシプリンによる分野横断、非北極研究者との協働による地域横断、エスキモーとスカンディナヴィアの人たちの混淆や東西交流といった複数の相関軸を内包する「部分」からのささやかな応答として、世に出されるものである。 (「増補新版への序」より)
角幡唯介さん(極地旅行家・作家)
「グリーンランドの友人たちと顔をつきあわせてもわからなかった、彼らの深層にやどる歴史と文化。それをはじめて理解できた。」
小泉悠さん(東京大学准教授・安全保障研究)
「先住民の世界観や文化とその変容、それでも残り続ける独自の精神性などが、歴史的知見とフィールドワークの中から描き出されており、ここに地政学的位置が生む大国間政治まで絡んでくる。」(読売新聞2023/12/10より)
■トランプの振る舞いに対して、「グリーンランドの自決」と、「グリーンランドを含むデンマーク国家の領土保全」とが、ともに法的・道義的正当性を有する原則かつ規範として語られている。
しかし前者について、その主体として想定されているグリーンランド人とは具体的に誰を指しているのかを理解しないままでは、「自決」が理念を超えて具体的な展開を見せることはあり得ない。同様に、デンマーク本国がこれまでグリーンランドに対して講じてきたさまざまな施策をふまえることなく「領土保全」を尊重することは、国内に存在する非対称な権力関係をむしろ固定化することにつながってしまうだろう。
増補新版『グリーンランド』は、そうした現状に照らして、増補原稿を加えつつ、九つのディシプリンによる分野横断、非北極研究者との協働による地域横断、エスキモーとスカンディナヴィアの人たちの混淆や東西交流といった複数の相関軸を内包する「部分」からのささやかな応答として、世に出されるものである。 (「増補新版への序」より)
編者紹介
●高橋美野梨(たかはし・みのり)
1982年山梨県生まれ。北海学園大学准教授。専門は国際関係学,デンマーク・グリーンランドを中心とした北極政治。2012年筑波大学大学院人文社会科学研究科一貫制博士課程修了。博士(国際政治経済学)。
著書に『自己決定権をめぐる政治学――デンマーク領グリーンランドにおける「対外的自治」』(明石書店,2013,第4回地域研究コンソーシアム賞登竜賞),『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章』(共編著,明石書店,2016),The Influence of Sub-state Actors on National Security: Using Military Bases to Forge Autonomy. (Ed. Springer. 2019), Exploring Base Politics: How Host Countries Shape the Network of U.S. Overseas Bases. (Eds. Routledge.2021)など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです
1982年山梨県生まれ。北海学園大学准教授。専門は国際関係学,デンマーク・グリーンランドを中心とした北極政治。2012年筑波大学大学院人文社会科学研究科一貫制博士課程修了。博士(国際政治経済学)。
著書に『自己決定権をめぐる政治学――デンマーク領グリーンランドにおける「対外的自治」』(明石書店,2013,第4回地域研究コンソーシアム賞登竜賞),『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章』(共編著,明石書店,2016),The Influence of Sub-state Actors on National Security: Using Military Bases to Forge Autonomy. (Ed. Springer. 2019), Exploring Base Politics: How Host Countries Shape the Network of U.S. Overseas Bases. (Eds. Routledge.2021)など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです




