苦海浄土 全三部(2分冊) 上

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  • 石牟礼道子 著
  • 四六並製 640頁
    ISBN-13: 9784865785074
    刊行日: 2026/8

石牟礼道子の代表作、全三部総計1150頁、2分冊に!

『全集』発刊時(2004年)の「第二部 神々の村」刊行をもって、半世紀近い歳月をかけ三部作が揃った『苦海浄土』(2016年に1巻本)。
さらなる続編への想いを語っていた著者が遺した三部作。
【上】第一部 苦海浄土/第二部 神々の村


目次

第一部 苦海浄土
 第一章 椿の海
 第二章 不知火海沿岸漁民
 第三章 ゆき女きき書
 第四章 天の魚
 第五章 地の魚
 第六章 とんとん村
 第七章 昭和四十三年
 〔資料〕紛争調停案「契約書」(昭和34年12月30日)

第二部 神々の村
 第一章 葦舟
 第二章 神々の村
 第三章 ひとのこの世はながくして
 第四章 花ぐるま
 第五章 人間の絆
 第六章 実る子

関連情報

1969年、熊本において「水俣病を告発する会」が発足した。代表になっていただいた高校教師本田啓吉先生がおっしゃった言葉を今に忘れない。
「我々は一切のイデオロギーを抜きにして、ただ、義によって助太刀致します」

この時、義という言葉は字面の観念ではなく、生きながら殺されかかっている人々に対する捨て身の義士的行為を意味した。それは、当時高度成長を目指して浮わついていた拝金主義国家に対して、真っ向から挑戦した言葉でもあった。

拙いこの三部作は、我が民族が受けた希有の受難史を少しばかり綴った書と受け止められるかも知れない。間違いではないが、私が描きたかったのは、海浜の民の生き方の純度と馥郁たる魂の香りである。生き残りのごく少数の人達と、今でもおつき合いをさせていただいている。まるで上古の牧歌の中に生きていた人々と出会うような感じである。  (石牟礼道子)

著者紹介

●石牟礼道子(いしむれ・みちこ)
1927年、熊本県天草郡に生れる。詩人。作家。2018年歿。
1969年に公刊された『苦海浄土』は、水俣病事件を描いた作品として注目され、第1回大宅壮一ノンフィクション賞となるが、辞退。1973年マグサイサイ賞、1993年『十六夜橋』で紫式部文学賞、2001年度朝日賞を受賞する。2002年度は『はにかみの国――石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。2002年から、初作品新作能「不知火」が、東京・熊本・水俣で上演される。石牟礼道子の世界を描いた映像作品「海霊の宮」(2006年)、「花の億土へ」(2013年)がある。
『石牟礼道子全集 不知火』(全17巻・別巻1)が2004年4月から刊行され、10年の歳月をかけて2014年5月完結する。この間に『石牟礼道子・詩文コレクション』(全7巻)が刊行される。『葭の渚――石牟礼道子自伝』『不知火おとめ』『石牟礼道子全句集 泣きなが原』(俳句四季大賞)『無常の使い』他、作品多数。

*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです

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