アジアの内発的発展

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  • 西川潤 編
  • 四六上製 328ページ
    ISBN-13: 9784894342286
    刊行日: 2001/4

新世紀のキーワード“内発的発展”とアジア

鶴見和子の「内発的発展論」を踏まえ、長年アジアの開発と経済を問いつづけてきた編者らが、今アジアの各地で行われている“経済成長から人間開発型発展へ”の注目すべき実践を「宗教・文化・教育・NGO・運動・地域」などの多様な切り口からフィールドワーク。日本における内発的発展をも考える示唆に満ちた貴重な成果。





目次

西川 潤

第I部 論理的基礎  ―― 宗教・文化・教育の視点から

第1章 タイ仏教からみた開発と発展
西川 潤
―― ブッタタートとプラ・パユットの開発思想と実践 ――

はじめに ―― タイ近代化と開発僧の出現
1 プッタタート、 パユット師の教説
2 開発僧の実践
結論 開発概念の転換 ―― 物の開発から心の開発へ・平和への道

第2章 サルボダヤ運動による“目覚め”と分かち合い
野田真里
―― スリランカの仏教に根差した内発的発展 ――

はじめに
1 内発的発展のエートスとスリランカ仏教の革新
2 全てのものの目覚め ―― サルボダヤ・シュラマダーナ運動の思想
3 分かちあいのネットワーク ―― サルボダヤ運動の実践
4 サルボダヤ運動と仏教僧 ―― 内発的発展のキーパーソン
まとめ ―― サルボダヤ運動の意義と直面する諸問題

第3章 内発的発展と教育
米岡雅子
―― ノンフォーマル教育の意義 ――

はじめに ―― 問題の設定
1 教育の意義
2 ノンフォーマル教育の役割
おわりに

第II部 NGOの役割  ―― 運動の視点から

第4章 都市スラムの自立運動と政策環境
穂坂光彦

はじめに
1 自立運動の展開
2 居住政策の変遷
3 住民を支える政策環境
おわりに

第5章 北西インドの自営女性労働者協会
甲斐田万智子
―― 最貧困女性のエンパワーメント ――

はじめに
1 労働組合運動を通して
2 協同組合運動を通して
3 農村開発や環境保全プログラムを通じて
4 銀行の融資活動をして
5 トレーニングを通して
6 SEWAのめざすエンパワーメントとガンジーの理念
おわりに

第6章 適正技術の創出に向けて
田中 直
―― NGO活動の経験から ――

1 適正技術ということばをめぐって
2 NGOの経験から
3 21世紀の適正技術を考える

第III部 地場産業・農村・島嶼  ―― 地域の視点から

第7章 フィリピン地場産業発展の条件
佐竹眞明

はじめに
1 フィリピンにおけるもう1つの発展論
2 フィリピンの地場産業
3 鍛冶産業と魚醤産業
4 フィリピン地場産業発展の条件

第8章 バリ地域社会の内発的ダイナミズム
中谷文美

はじめに
1 バリ村落の社会組織
2 バリの社会集団による内発的発展プログラムの事例
3 カースト間の位階関係
4 アダットとディナスと ―― 「官製」 民衆組織の誕生へ
むすびにかえて

第9章 太平洋島嶼社会自立の可能性
松島泰勝

はじめに
1 島嶼経済と内発的発展
2 島嶼社会の政治経済的問題
3 島嶼社会における自立の可能性
結びにかえて



「アジアの内発的発展」 を考えるキーワード
西川 潤


あとがき

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