〔学芸総合誌・季刊〕環――歴史・環境・文明 vol.15 [特集]スピードとは何か

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  • 菊大並製 296ページ
    ISBN-13: 9784894343566
    刊行日: 2003/10

新しい時代に向けてトータルな知の総合を企図する学芸総合誌


スローを賞揚することが重要なのか?速度の制御が問題なのか?「ファスト/スロー」の二項図式がしきりに立てられるなか、問題のさらなる根底を問い、「速度」という基準を自明視する我々の習慣と歴史的産物としての「速度」の観念それ自体に鋭く迫る!





目次

スピードとは? どんなスピードのこと?

I・イリイチ+S・トラップ+M・リーガー (福井和美=訳)

I・イリイチ 速度の囚人たち

S・トラップ  フリードリヒ二世とハヤブサのスピード
M・リーガー 音楽におけるスピード


〈インタビュー〉 スピードとは何か
松井孝典

 なぜ「スピード」が問題となるのか?宇宙一五〇億年の巨視的な視野から、「スピード」という問題の本質を明晰に論じる。

時、金、そしてメトロノーム
ダグラス・ラミス

スピードを描く 【ターナー『雨、蒸気、速度』とあたらしい視覚の様式】
J・ロベール(桜井正世=訳)

巡礼の旅とデジタルカメラ  【〈テクノロジーと速度〉をめぐる〈時熟〉】
黒崎政男

資本主義、スピード、時間革命
角山 榮

現代テクノロジーと加速される社会
橋本毅彦

市場と速度
榊原英資

感染症流行波の速度
簑輪眞澄+橘とも子+水野正一

情報・速度・政治 【ヴィリリオについてのノート】
水谷雅彦

情報社会におけるスピード 【T・H・エリクセン『瞬間の専制』を読む】

高木久夫

ヴァーチャル・リアリティについての速度考
松王政浩

2003年のロストボール 【文学と速度】
石井洋二郎

時間という不幸 【スローとファストをめぐって】
辻 信一

女性の身体と速度
三砂ちづる

早期教育という幻想
汐見稔幸

時/時間とスピードの民俗的心性 【零度のスピード文化と高度のスピード文化】
川村邦光

古代「はやさ」考
関 和彦

「速」と「即」 【日本宗教における簡略化/速成化の志向】
中村生雄

速度を超える 【東西の時間観念からみて】
岡田明憲

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《緊急提言》
 有明海問題の真実――科学者の視点から
江刺洋司
(東北大学名誉教授/環境生物学)
有明海荒廃の真の原因とはいったい何か? スケープゴートにされた「諫早湾干拓」のはるか以前から、ノリ養殖のための「有機酸剤」大量投与により漁獲量が激減している事実を、環境科学の専門家が明らかにする!

※江刺洋司先生の最新刊『有明海はなぜ荒廃したのか 諫早干拓かノリ養殖かは11月15日刊行です。


《写真で見る》
 アフガニスタン 戦禍を生きぬく

大石芳野 (写真/文)
 日本を代表する女性写真家が、「9・11」以後のアフガニスタンを一年にわたって撮影。
 厳しい風土に加え、長い戦争の歴史を経てきたアフガンの地で、戦争の生々しい現場ではなく、戦争で傷つけられた女性や子どもの「内面」に迫る!

アフガニスタン 戦禍を生きぬく
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《寄稿論文》

 ハイデガー、宗教、そして革命 【ハイデガー講演「貧しさ」を読む】
西山達也

 全集にも収められていない第二次大戦直後の疎開先での講演。ヘルダーリン―マルクス―ハイデガーの関係、戦後フランス思想とハイデガーの関係を考える上での最重要テクストを読み解く。
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《新連載》 ◆河上肇の「詩」と「書」 1

 天は猶お此の翁を活かせり
一海知義+魚住和晃

 経済学者かつ詩人である河上肇は、多くの詩を書にして残した。中国文学の碩学と一級の書学者が、河上肇の「詩」と「書」をじっくり取り組み、その真価を味わう新連載!


《連載》

■地球温暖化問題の現在 4(完)
 ついに空気の売買を始める人類
     【最後の?環境資産?を商品化する京都議定書】
さがら邦夫

■唐木順三という存在 4
 戦後という空間
粕谷一希

■〈往復書簡〉吉増剛造 ←→ 高銀 5
 より深い読者へ
吉増剛造

■リレー連載・ゾラとわたし 4
 『パリの胃袋』礼賛
野崎 歓
■リレー連載・河上肇と論争者たち 7
河上肇と哲学者たち  ――西田幾多郎・三木清とのかかわり (下)
古田 光
■徳富蘇峰宛書簡 14
  森次太郎4 【戦後の蘇峰と森次太郎】
高野静子


  巻頭短歌 鶴見和子  巻末俳句 石牟礼道子

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