不知火――石牟礼道子のコスモロジー 「石牟礼道子全集・不知火」プレ企画

価格: ¥2,420 (税込)
[ポイント還元 96ポイント~]
数量:
在庫: 在庫あり

返品についての詳細はこちら

twitter

  • 石牟礼道子/渡辺京二/見田宗介/大岡信/菅野昭正/志村ふくみ/辺見庸/高田宏/岩岡中正/栗原彬/多田富雄/司修/イバン・イリイチ
  • 菊大並製 264ページ
    ISBN-13: 9784894343580
    刊行日: 2004/2

“鎮魂の文学”の誕生

インタビュー、新作能、童話、エッセイの他、石牟礼文学のエッセンスと、気鋭の作家らによる石牟礼論を集成し、近代日本文学史上、初めて民衆の日常的・神話的世界の美しさを描いた詩人の全体像に迫る。




目次

第一部 石牟礼道子が語る

〈インタビュー〉 鎮魂の文学 (聞き手・藤原良雄)
今際の眼
しゅうりりえんえん
新作能  不知火 (オリジナル版)
エッセイ
光  道行  天の病む  天の魚  天崖のみなもとの藤  花を奉るの辞  わが死民
事はじめ・魂入れ  精霊樹海  ゆのつるの記  歴史の中のある日の村を  自我と神との間
崩れゆく山村  後生の桜  ぶえんずし

第二部 石牟礼道子を語る

石牟礼道子の世界  ―― 『苦海浄土』 を読む
渡辺京二
〈医術〉 としての作品  ―― 『天の魚』 を読む
見田宗介
生命界のみなもとへ  ―― 『椿の海の記』 を読む
大岡 信
石牟礼道子の時空  ―― 『あやとりの記』 『おえん遊行』 を読む
渡辺京二
風土に包まれた生のかたち  ―― 『十六夜橋』 を読む
菅野昭正
「夢がほんとでなからんば」  ―― 『天湖』 を読む
志村ふくみ
哀しみのコスモロジー  ―― 『十六夜橋』 を読む
辺見 庸
森愛なる人  ―― 『常世の樹』 を読む
高田 宏
石牟礼道子文学をどう読むか  ―― ロマン主義としての石牟礼文学
渡辺京二+岩岡中正
草の声そして人間への問い  ―― 新作能 『不知火』 を読む
栗原 彬
救済への祈り  ―― 新作能 『不知火』 を観る
志村ふくみ
エコロジー・アニミズム・言霊の交響  ―― 新作能 『不知火』 を観る
多田富雄
レクイエムも残酷なほどに歌われる  ―― 『はにかみの国』 を読む
司 修

第三部 石牟礼道子と語る

〈対談〉 「希望」 を語る  ―― 小さな世界からのメッセージ
イバン・イリイチ+石牟礼道子


石牟礼道子略年譜




本全集の特徴

1.『苦海浄土』を始めとする著者の全作品を年代順に収録。従来の単行本に、未収録の新聞・雑誌等に発表された小品・エッセイ・インタヴュー・対談まで、原則的に年代順に網羅。
2. 人間国宝の染織家・志村ふくみ氏の表紙デザインによる、美麗なる豪華愛蔵本。
3. 各巻の「解説」に、その巻にもっともふさわしい方による文章を掲載。
4. 各巻の月報に、その巻の収録作品執筆時期の著者をよく知るゆかりの人々の追想ないしは著者の人柄をよく知る方々のエッセイを掲載。
5. 別巻に、著者の年譜、著者リストを付す。

『石牟礼道子全集』を推す【藤原書店PR誌『機』2004年4月号より】
五木寛之(作家)/ 大岡信(詩人)/ 河合隼雄(臨床心理学者)/ 金石範(作家)/ 志村ふくみ(染織家)/ 白川静(中国古代文学者)/ 瀬戸内寂聴(作家)/ 多田富雄(免疫学者)/ 筑紫哲也(ジャーナリスト)/ 鶴見和子(社会学者)



各巻構成

各巻構成



本全集を読んで下さる方々に   石牟礼道子

 わたしの親の出てきた里は、昔、流人の島でした。

生きてふたたび故郷へ帰れなかった罪人たちや、行きだおれの人たちを、この島の人たちは大切にしていた形跡があります。名前を名のるのもはばかって生を終えたのでしょうか、墓は塚の形のままで草にうずもれ、墓碑銘はありません。

こういう無縁塚のことを、村の人もわたしの父母も、ひどくつつしむ様子をして、『人さまの墓』と呼んでおりました。

「人さま」とは思いのこもった言い方だと思います。

「どこから来られ申さいたかわからん、人さまの墓じゃけん、心をいれて拝み申せ」とふた親は言っていました。そう言われると子ども心に、蓬の花のしずもる坂のあたりがおごそかでもあり、悲しみが漂っているようでもあり、ひょっとして自分は、「人さま」の血すじではないかと思ったりしたものです。いくつもの顔が思い浮かぶ無縁墓を拝んでいると、そう遠くない渚から、まるで永遠のように、静かな波の音が聞こえるのでした。かの波の音のような文章が書ければと願っています。

   2004年3月31日  【藤原書店PR誌『機』2004年4月号より】



●特別愛蔵本のお知らせ●

 人間国宝の志村ふくみ氏作の本藍染布クロスで装った特装版を特別に各巻限定30部作作成致します。頒価各巻50,000円。ご希望の方は、小社まで直接お申し込み下さい。


●全巻購入者特典●

 全巻をご購入いただいた読者の方には、著者自筆の「花を奉るの辞」を完結後に贈呈致します。各巻のオビに付いております請求券(第1巻から別巻までの計18枚)をまとめて小社までお送り下さい。

ページトップへ